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主要通販各社の2017年新卒採用、「売り手」の声が多数

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本紙が調査した「主要通販各社の新卒採用状況」によると、今春入社予定の新卒採用者数は前年と比べて「増加」「減少」「同数」としたそれぞれの回答割合が拮抗するなど、全体的にまだら模様の傾向となった。また、採用市場については前回に引き続いて学生側が有利とする「売り手市場」の見方が大半を占めており、景気回復が続く中で各企業の採用枠の拡大が進み、優秀な人材の奪い合いが激化していることも読み取れた。主要通販各社の新卒採用について詳しい状況を見てみる。

本紙が主要な通販実施企業約30社を対象に調査を行ない、有効回答を得られた各社の今春の新卒採用状況は別表の通りとなった。前年との採用人数の比較については「増加」が9社、「減少」が7社だった。また、「前年と同数」とした企業も6社となるなど、それぞれの回答が同じような割合に分かれる結果となっている。

 採用人数の増減幅を見てみると、前年比で2~3人程度の変化があった企業が多く、中でも最も増加幅が大きかったのがファンケルで前年比17人増の38人。総合職・研究職の採用を強化していることを理由に挙げており、18年度についても40人の採用を計画している。一方で減少幅が一番大きかったのはベルーナで、定着率向上のために同28人減の80人としている。

 そのほか、主な企業の増減理由としては、同3人増の千趣会が「辞退者を考慮し内定したものの、想定より辞退者が少なかった」、同2人増のオルビスが「内定辞退者数の違いのため」、同微増だったゴルフダイジェスト・オンラインが「会社の成長に伴う人員増強、若手の戦力強化」と回答。同1人減だったディノス・セシールが「『質』を重視した採用を例年実施しており、結果として今年は前年より減る形となった」、同2人減のスクロールが「採用期間を短くしたため(17年度は8月で採用終了、16年度は12月まで採用)」と、それぞれ回答している。

 また、増減がなかったユーグレナでは「事業拡大に対して人員強化の必要はありながらも中途採用と合わせた強化体制を敷いているため、新卒採用人数は同数となった」とした。

求人紹介の活用が増加

 エントリー数についてはおおむね1000以上となり、中でも多かったところではファンケルが約1万6000、ベルーナが約1万、オルビスが約5500となった。全体的に前年よりも減少したという回答が目立っており、中には効率化を理由にターゲットを早期に絞ることで計画的に4割以上減らした企業もあった。

 採用告知のために利用したものとしては、自社サイトが最も多く、次いで大手就活サイトの「マイナビ」や合同説明会、学内セミナーなどが上位となった。そのほかにも求人紹介サービスやSNSを利用している企業も増えており、社員からの"後輩紹介"を行っているケースも見られた。なお、採用コストの総額としては、回答企業中で最も高額だったのが1350万円。割合としては1000万円程度と回答した企業が多く、前年と比べて特に増減なしという意見も目立った。

 次にエントリー後の選考過程について見てみる。昨年同様にほぼすべての企業が書類選考、筆記試験、適性検査、面接の組み合わせによるスタンダードな形式を採用。面接は3回前後に設定しているところが多かった。

 選考過程での特徴的な取り組みでは、ジャパネットホールディングスが表現力テストとして自分を一番表現できる方法で5分間の自由な自己PRを実施しているほか、ファンケルが学生の「素」の姿も見られるようにゲームを取り入れたグループワークを実施。Hameeはウェブ電話の「Skype」による面談を取り入れたほか、選考を短期間で終わらせる仕組みなどを採用。アンファーでは一般選考とはまた別に、学生時代に人生で№1と言えるものを持っている人だけを対象にした「№1選考」という特別選考を実施した。また、初めての新卒採用活動となったドゥクラッセでは書類選考・エントリーシートがなく、人物を重視するために希望者全員との面接を実施して学生の可能性を見極めていったという。

採用活動期間は3月~夏に集中

 なお、経団連などの要請を受けて、16年度入社を対象とした新卒採用活動から企業の広報解禁が従来よりも3カ月遅い3月にすることが指針として設けられている。加えて、17年3月卒業・修了予定の学生を対象とした採用活動の指針についても、選考開始時期が従来の8月から6月まで2カ月前倒しとなっていた。これにより、これまで以上に短期決戦のスケジュールで選考から内定までの作業を行うことが求められていたという。

 実際にアンケート回答企業の多くが、採用活動期間として3月から夏頃までの半年間弱でスケジュール調整を行っていることが分かった。中には3月から6月までのわずかな期間で行う"超短期決戦"で取り組む企業も見られた。

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新卒採用市場各社の見方
内定を複数保有の学生が散見

今春の新卒採用市場について通販企業の受け止め方はどうだったか。アンケートでは実に7割以上が学生有利の「売り手市場」であると回答。複数の内定を保有しながら就職活動を行っている学生も見られるなど、前回と同様に景気回復に伴って企業全体で求人数の高止まりが続いていることが伺えた。「買い手市場(企業側有利)だった」との認識は16%にとどまり、「どちらでもない」との回答も10%と低い水準だった。

 「売り手市場」とした主な回答理由では、「昨年同様、内定を複数保有している学生がいた。また、説明会開催段階で、他企業とのバッティングが生じ動員に苦戦した」(ジュピターショップチャンネル)、「景気回復で学生数が変わらないにも関わらず他企業で新卒募集数が増加したため」(QVCジャパン)、「採用活動中すでに内定を何社かもらっている学生が多く、余裕が見られた。最終的にいくつかの中から主に待遇面(福利厚生)等で内定先を選んでいた学生が多かったため」(スクロール)、「経団連の採用解禁時期の変更に伴い、中小企業は内定辞退の懸念から、また大手企業はリクルーター等を駆使することで、多くの企業が優秀な学生に内定を出していたと感じる(実際に選考解禁前から、複数内定を保有している学生が多かった)」(ディノス・セシール)。「内定を出した学生が例年より多い内定を保持していた」(アンファー)。

 一方、「買い手市場」との回答では、「遅めの時期(9月後半)に行った説明会でも多くの学生が参加していたことから」(ロコンド)、「基本的にはHP募集のみにて採用を行っている中で順調な採用活動を進めることができている」(ユーグレナ)という見解や、「多くの優秀な学生たちに応募してもらえた」(オークローンマーケティング)という意見が見られた。

 また、「どちらでもない」との回答に関しては「大規模セミナーへの参加やナビの運用ではなく、イベントに参加して個別に学生と面談を行っているため、市場の状況よりも本人たちのやりたいことにフォーカスできている」(ルクサ)との声もあった。

 そうした状況下で、求める学生を獲得できた自社のポイントについても質問。主な回答としては「自前主義とメディアミックス体制により多種多様な職種があり、多くのことにチャレンジできる環境がある点。ノー残業デーの週2日実施などワークライフバランスが充実している点。産休育休取得率や女性管理職比率が高く、女性が多く活躍できる風土である点など」(ジャパネットホールディングス)、「学生が腹落ちするまで丁寧に対応する」(マガシーク)、「メディア業界と小売業界が重なったところにQVCのビジネスがあるため、経験可能な職種が多岐に渡る」(QVCジャパン)、「独自のビジネスモデル、社員の人柄、社内の雰囲気、評価制度、スポーツ業界の魅力、学生によりそった採用(エントリーシートなしや面接前フォロー面談など)」(ゴルフダイジェスト・オンライン)、「経営理念である良質で安全な食の提供、環境保全などへの共感」(らでぃっしゅぼーや)、「独自性の強い事業内容、EC市場の将来性、働きやすさ(残業が少なく、有給が取りやすい。勉強会や自己研鑽のためのサポートが充実している)」(Hamee)という回答があった。

 仕事のやりがいだけでなく、近年取り組みが広がっている福利厚生の充実や、CSR活動に対する姿勢などから企業価値をアピールしている回答も多く見られた。




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