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【通販各社のバレンタイン商戦】 3年ぶりの"平日"で需要アップ

 1-1.jpg2月14日を前に「バレンタイン商戦」が盛り上がりを見せている。今年は3年ぶりの"平日のバレンタインデー"となり、会社の同僚や学校の友達などにプレゼントする"義理チョコ"や"友チョコ"のニーズが例年よりも多いこともあり、本命用はもちろん、比較的安価ながらユニークさや豪華さなどひとひねりあるチョコや手作りチョコ用商品など幅広い商品が売れているようでバレンタインギフトを展開する通販各社でも例年より売り上げを総じて伸ばしている模様だ。大手通販各社を中心に売れ行きや売れ筋などを見つつ、今年のバレンタイン商戦の傾向を探る。


 一昨年が土曜日、昨年が日曜日と2年続けて"休みの日"にあたったが、今年は火曜日と3年ぶりに"平日"となったバレンタインデー。こうした暦の巡り合わせも手伝って、本命チョコはもちろん、義理チョコや友チョコのニーズも高く、今年のバレンタイン商戦は例年以上に盛り上がりを見せている模様だ。

 バレンタイン商戦は2月に入ってからが"本番"となるが、前述の通り、本命以外にもチョコを配る対象者が今年は多いことから、早めに用意を始める人も多いよう。ヤフーによれば、同社の仮想モール内の検索サービスでは1月10日ころから「バレンタイン」と検索する数が上昇し始め、「その後、多く検索される傾向が続いており、(現時点で)前年同時期との比較では検索数が35倍に増えている」(同社)という。

 実際、1月までのバレンタイン商戦の立ち上がりの状況は、前年との比較で「非常に良い」(ディノス・セシール)、「やや良い」(ベルーナ)、「ほぼ前年並み」(フェリシモ)、「16%増で推移している」(高島屋)と通販実施企業各社は概ね好調に推移しているようだ。また、通販事業者が"売り場"としている仮想モールにおけるバレンタインギフト関連の商品の売れ行きも「概ね好調。これから一層の伸びていく」(楽天の「楽天市場」)、「取扱高は前年同期(1月6~22日)比で6割超増と非常に良い」(ヤフーの「ヤフーショッピング」)、「流通額、取引件数ともに前年同期を大幅に上回っている」(ジオシスの「Qoo10」)、「前年比でほぼ同程度」(リクルートライフスタイルの「ポンパレモール」)とやはり各社とも順調な滑り出しを見せているよう。


義理、自家などのニーズ取込む


 では通販実施企業ごとに今年のバレンタイン商戦の戦略と売れ筋の傾向について見ていく。

 ベルーナでは1月4日から全取扱商品を掲載したバレンタインカタログを会員向けに発行。前年よりもページ数、商品数ともに増やしているが、先行して通販サイトで昨年12月24日から特設ページのバレンタイン特集を設け、バレンタイン商戦をスタートさせた。

 同ページではシーン別のおすすめ商品や予算、ブランドから選ぶなど、カタログとは異なる角度での商品紹介を行っており、また、全体としては商品を複数個組み合わせたセット販売による値引きなども行い、購入単価を上げる取り組みを実施。「大容量などお徳用商品の訴求による年内の自家需要の獲得」(同社)を図っているという。

 今年の売れ筋はてんとう虫や車、コインを模ったかわいらしいチョコのボリュームパック「キャラチョコ
 たっぷりバラエティーパック」(=㊨上写真)など職場の同僚や友達などへの"お配り需要"を想定した商品など。同商品も簡易パッケージにして1袋税抜2980円と安価な価格を実現しつつ、「チョコのホイルのデザインも鮮やかかつバリエーション豊かで子供から大人まで楽しめるチョコ」(同社)と特に人気となっているようだ。

 オレンジの形・フレーバーが特徴的なユニークなチョコ「チョコレートオレンジミルク」もその印象的な見た目と味わいで9年連続同社で売れ行き1位となっている人気商品だが、当該商品でも1箱で税抜700円、5箱同3450円、10箱同6880円とセット販売による値引きも実施し、今年も売れ行きは好調のようだ。

 ディノス・セシールでは通販サイト内に昨年12月26日に設けたバレンタイン特集ページをカテゴリーごとに商品を規則的に並べるなど、選びやすいように工夫しつつ、当該ページへの誘導施策を特に強化した。1月15日にバレンタインの目玉商品を紹介する内容のメルマガ「バレンタイン号」をメルマガ会員全員に配信したり、通販サイト内でもバレンタイン特集に誘導するバナー露出を1月6~23日まで増やした。この結果、メルマガ配信当日の売り上げ、およびバレンタイン特集ページのページビュー数が前年を上回るなど一定の成果を得たようだ。加えて、バレンタインギフト商品の配送について2月14日の直前に配達する「バレンタインお届け」のほか、通常配送する「通常お届け」も一部に設けたことで"自家需要"も効果的に取り込むことができたという。

 1-2.jpg売れ筋はジャンドゥーヤチョコ(※焙煎したナッツ類のペーストとチョコの混合物)のアソートセット「カファレルボンビアッジョ トリノ」。価格は税抜1700円と「リーズナブルながら、男性へのプレゼントに最適な量感と見た目」(同社)が受けているよう。また、顧客からの口コミ評価が高いという大人向けチョコアソート缶「カファレル ベル・ブルー」(=㊨写真)の売れ行きもよいという。

 
 フェリシモでは専任のチョコレートバイヤーが海外で調達してきた当社限定輸入チョコを軸に昨年11月から予約販売を開始している。専属バイヤーによるチョコには固定ファンがおり、毎年、安定した売り上げをあげているよう。特に今年は早期にまとまった予約数を獲得する狙いと客単価アップを図るため、早期締め切り日までに1万円分以上を購入した顧客に未販売のオリジナルの"どんぐりチョコレート"を1万円ごとに1個プレゼントする試みを実施。「狙い通り客単価が数百円アップした」(同社)という。また、"自分用の購入"を促し、購入単価を高める狙いで実施しているバレンタイン用とホワイトデー用の両方でのチョコ購入客を対象に500円分を割引するキャンペーンなども奏功し、今年も堅調な売れ行きとなっているという。

 1-4.jpg今年の売れ筋は日本初上陸で同社のみで販売されるハンガリーのブランド「チョコミー」の「アーモンドブロンド」(=㊨写真)がここ数年、同社の看板商品だった「ケルノン ダルドワーズ」の売れ行きを上回って一番人気に。1箱税抜2500円と比較的安価でかつ国際的な賞をいくつも受賞するなど"お墨付きの味"など、「味のおいしさとその根拠を訴えて、顧客に"このチョコは買うべき理由がある"と思われたことが一番のヒットの要因」(同社)としている。

 高島屋では1月6日から通販サイトでバレンタイン関連商品の販売をスタート。今年は定番ブランドを厚く集積するとともに新規のブランドやショコラティエを紹介。「注目のショコラトリー」や「世界のパティシエ・ショコラティエ」「日本が誇るショコラティエ・パティシエ」「和ブランド(酒・抹茶)」などの切り口でコンテンツを展開した。また、今年はとくに百貨店店頭との連携を強化。人気ショコラティエやブランドを共同で訴求するなどしたことも好調の一因となっているよう。

 売れ筋は昨年、今年ともにテレビで紹介され人気が高まった「ピエール・マルコリーニ」や、テレビで取り上げられて話題商品になった「ジャック・ジュナン」のほか、オンライン初登場で高島屋限定商品としてとくに打ち出しを強化した「パトリック・ロジェ」がヒット。通常は実施しない追加生産を行ったことなどにより、同商品が全体をけん引しているようだ。


各仮想モールでも売れ行きは順調

 仮想モール各社の状況はどうか。

 「ヤフーショッピング」では1月6日から2月15日まで、同モール内にプロモーションサイト「Yahoo!ショッピングバレンタイン特集2017」立ち上げて各出店者のバレンタイン商品の拡販を行っている。

 メインページでは「高級チョコ、スイーツ」「同僚、友人へのチョコ、スイーツ」「コスパチョコ、スイーツ」「お酒」「上司、目上の方へのチョコ、スイーツ」「同僚、友人へのチョコ、スイーツ」など様々なテーマ別に選べるようにし、また、昨今のトレンドでもあるSNS映えするチョコレートを集めた「かわいい&おしゃれ」のコーナーを新たに設置している。「取扱高と同様、プロモーションサイトへの訪問者推移も好調」(同社)という。

 1-3.jpg現状までの売れ筋はリーズナブルな義理用チョコが人気のよう。毎年人気の"オフィス配りのための定番チョコ"である「プレミアムチョコカステラ」やおしゃれな本型パッケージの「ショコラリーブル」、いちごをフリーズドライ加工してホワイトチョコを染み込ませた「チョコいちご」(=㊨写真)などをまとめ買いする顧客が多く人気のようだ。


 「楽天市場」のバレンタイン商戦では特にモバイル(スマートフォン)サイトを強化。特集サイトはかわいいデザインを意識しつつ、アプリでのプッシュ通知を実施したり、アプリ限定商品の展開などを行ったことで、バレンタイン企画ページ経由の流通も好調に推移。特にスマホ経由の閲覧者が半数以上を占めているという。また、特集ページ内に「楽天市場」でのみ販売している「楽天限定バレンタインギフト」を展開。前年よりも協力店舗を増やし、今年は「ルタオ」の「楽天市場限定プチショコラ4箱セット」や「長崎 心泉堂」の「お買い物パンダ×マイメロディ★プレミアムチョコカステラ」など人気店20店舗で限定商品を開発し、商品数は前年比7倍とし、ラッピングや、のしなどにもこだわった。

 定番の人気商品「バレンタインお試しセット 7個入」が引き続き好調なほか、"インスタグラム"に映える宇宙をイメージした8惑星チョコのセット「ショコラブティック レクラ」の「惑星の輝き」などが今年の売れ筋という。

 「ポンパレモール」では特集ページで予算上限や贈り手、ブランドごとなどに検索できるように展開。義理チョコの需要増に備えて低価格帯、個包装用の商品の品ぞろえを強化した。1月現在までの時点で来訪者の動きを見るとブランドや有名ショップから検索している傾向が強いものの、まだ本格商戦の前段階であることから早期注文のまとめ買いなどで割安となる「早割り」の商品に動きが見られているようだ。

 「Qoo10」ではバレンタインの特設ページを例年よりも1週間程度早くから開始。同ページでは「あげる相手別」「予算別」「テーマ別」「注目ショップ別」など20以上の項目から目的別に商品を検索・購入できるようにし、あわせて特価コーナーなどもページ内のトップに表示することで買いやすさを演出した。「リンツ」、「ロイズ」、「ロシェ」などのブランド商品が売れ筋となっている。

 2月に入り、バレンタイン商戦もいよいよ本番。序盤の勢いそのままにさらに売れ行きを伸ばせるか。各社に奮闘を期待したい。



手作りニーズ高まる、"友チョコ"需要増も後押し

 3年ぶりの"平日"となる今年のバレンタインデー。会社の同僚や学校の友達に配る"義理チョコ"や"友チョコ"のニーズが例年よりも盛り上がりをみせているようだ。

 そうした背景からやはりニーズが高まっているのが"手作りチョコ"だ。手作りチョコと言えば「本命用」というイメージがあるが、それだけでなく最近では"安く多く作れる"という利点から学生を中心に友だちに配る友チョコ用としても定着し始めているよう。特に今年は"平日バレンタイン"でそうした手作りチョコ商戦も活発化しているようだ。



 「今年は"手作りチョコ"に特に注目が集まっている」。ヤフーによると同社のポータルサイトで展開する検索サービス「Yahoo!検索」におけるバレンタイン関連の最近の検索の傾向は「バレンタイン 手作り」「バレンタイン レシピ」など"バレンタイン"の第2検索ワードとして「手作りチョコ」に関するワードが目立ってきているようだ。

 同社によると「特に10代、20代による検索の伸びが顕著だ。『バレンタイン 手作り』で検索している10代は前年同期比で47倍、20代は22倍に達している。3年ぶりの平日バレンタインで、中学、高校、大学などでの『友チョコ』や『本命チョコ』で、一定数の手作りニーズが定着しているのではないか」と分析する。

 こうしたトレンドに伴い、チョコを手作りする人が増え、また、新たに手作りチョコに挑む人も少なくないようで関連商品の売れ行きも例年以上に好調のようだ。

 菓子の材料・道具の専門店の運営や通販を手掛けるクオカでも今年のバレンタイン商戦の売れ行きはよいようで特に今年は「新規の方からの反応がよいように感じる」(同社)という。

 1-5.jpg売れ筋は毎年、販売しているバレンタイン用スイーツの手作りキットで今年は8種類で展開するキットの1つである「みんな大好きキャラメルくまちゃんマドレーヌ」(=㊨写真、税込2160円)。1箱で30個の"くまちゃんマドレーヌ"が作れる大容量キットで、30人分のラッピングもセットしており、"友達に配る"ことを前提とした配慮も人気の一因のようだ。

 また「cuoca製菓用スイートチョコレートダイス200g」(同687円)も人気。同社ではバレンタインデー前の時期には毎年、製菓用チョコレートを100種類程度、取りそろえるがその中でも同社オリジナルの製菓用チョコレートである同商品は高価なものが多い製菓用チョコレートの中で、手頃な価格であることに加えて「酸味と苦味、甘味のバランスがよく、扱いやすいと好評をいただいている」(同社)という。

 また、先のバレンタイン用手作りキットの1つである「ときめきラズベリー 本格ザッハトルテ」(税込1296円)の売れ行きもよいようだ。同商品は今年から新たに展開を始めたオーストリアの伝統的なチョコレートケーキ「ザッハトルテ」を5個手作りできるキットで友達用というよりは本命用のようだ。同社によると、同キットで作ったザッハトルテの"ツヤ感"が支持されて画像投稿SNS「インスタグラム」に"出来上がり画像"が多くアップされているようで、さらなる口コミにもつながっているという。

 同社では手作りチョコの盛り上がりをより加速させるため、先のバレンタイン用手作りキットのデザインを刷新し、"友チョコ"に主要層である女子中高生に受けるかわいらしいデザインを採用。またパッケージに同社サイトに誘導するQRコードを記載し、レシピ動画やアレンジ動画などを簡単に閲覧できる試みを行っている。「ふだんお菓子作りをしない方にお菓子作りの楽しさを直感的に伝えたい。楽しいと感じるには、何より"失敗しないこと"が必要だ。そのため、お菓子作りのちょっとしたお悩みを解決するコンテンツ、動画を用意した」(同社)という。

 タイセイが運営する製菓・製パン材料・調理器具の通販サイト「コッタ」でもバレンタイン関連商品の売れ行きは昨年よりもかなりよいようだ。

 手作りチョコの盛り上がりに加えて、バレンタインデー特集内でレシピコンテストを行うなど同社による積極的な施策も奏功し、サイトへの来訪者数は前年比で6割増となり、そのうち、「新規来訪者が70%を超えている状況」(同社)という。

 売れ筋は同社オリジナルの製菓材料用チョコレート「cottaオリジナル小分けチョコレート」。安くておいしいチョコを使いやすい少量サイズで提供ししており以前から人気だが、今年は新たな種類を加えて全5種類を展開しており、今年も「コスパの高さ」(同)もあり圧倒的な人気となっているようだ。



 店頭でも通販でも盛り上がりを見せている「手作りチョコ」。一過性のブームではなく、手作りニーズは定着し、今後もより増していきそうだ。


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