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大手コールセンター各社  拠点戦略に変化、住まいの近くに職場を

 大手コールセンターベンダーの拠点戦略に変化が見られる。従来のように都市部に大型拠点を構えるのではなく、郊外や住宅地に比較的規模の小さなセンターを設置している。背景にはオペレーターの採用が難しくなっていることがある。大手コールセンターの担当者は「一番ほしい人材は20~30代の女性だが、今までのやり方では全然集まらない」と漏らす。そこで生まれたのが、働き手の住まいの近くに職場を設けるという発想だ。従業員の確保に向けコールセンターがみずから動き出している。


 ベネッセグループでコールセンター事業を手がけるTMJは12月21日、福岡県の福津市と立地協定を締結した。福津市は北九州市と福岡市という2つの大都市の中間に位置し、ベッドタウンとして発展してきた。TMJはこの地に30ブース程度の小規模なコールセンター「福津サテライトセンター(仮称)」を来年7月に立ち上げる計画だ。

 同社が福津を選んだ理由として、人口の継続的な増加が見込める「人材供給力の高さ」(同社)を挙げる。子育てしながら働きたい主婦らの採用につなげる考えだ。同社は「人手がとりづらくなっているため、こちらから住まいの近くに歩み寄る必要がある」(TMJ営業支援部広告宣伝課)と狙いを説明する。

 こうした拠点展開はTMJに限った話ではない。

 ベルシステム24ホールディングスは今年10月、都市部郊外にあるホームセンターなどの一角に50~100席規模のクラウド型コールセンター「スモールオフィス」を構える新たな拠点戦略を発表した。採用の強化が目的だ。

 同社によると、人手が足りないと言われている一方で、「郊外の住人は仕事を欲しており、特にオフィスワークを望んでいる」(広報IR室)。ただ、都市部のセンターは通勤に時間がかかる。そこで「ニーズのあるところに我々のほうから出向いてコールセンターを構える」(同)という戦略に至ったようだ。

 第一弾として、11月下旬にホームセンター運営のコーナン商事が横浜市都筑区に展開する「コーナン港北センター南店」内に100席規模のセンターを開設した。今後、同様のセンターを全国に展開する予定で、託児所付きセンターの開設も予定している。


採用コストは限りなくゼロ

 その託児所付きセンターを10月末に開設したのがKDDIエボルバだ。埼玉県ふじみ野市に開設した「ニア宅オフィス かみふくおか」は、ショッピングモール「西友上福岡店」のリニューアルに合わせて1階部分を利用している。50席のコールセンターに隣接する形で、保育士が常駐する託児所を設けている。

 エボルバは託児所付きセンターの開設について「従来の方法では採用が難しくなる中で、子育て中のママさんに注目した」(広告宣伝グループ)のがきっかけのようだ。待機児童の数などを調査し、上福岡に託児所のニーズがあるのではないかという仮説のもとセンターを開設した。

 蓋を開けてみると「ほとんどコストをかけずに採用できている」(同)という。募集はほぼ自社メディアでの告知のみ。採用にかかる経費は限りなくゼロに近い。託児を必要としていない人の採用も行っているが、応募者の多くは子育て中の母親。通勤は徒歩や自転車、遠くても電車で3駅程度の距離から通っている。

  託児費用はエボルバの負担だが、採用費を抑えることで託児のコストは吸収できるもようだ。


 昨今、人材活用の観点から「テレワーク」が取りざたされているが、セキュリティー面などがネックとなりコールセンターでは実現が難しい。そこで「テレワークの手前のより現実的な取り組み」(TMJ営業支援部広告宣伝課)として、各社では中小規模の拠点を住宅地の近くに作り始めている。

 こうした形態のセンターが今後広がっていく上で、課題となるのが"場所選び"だろう。進出先で人材を確保できるか、賃料は抑えられるか、最低限のセキュリティーは担保できるか、そのあたりの見極めが大事になる。また、大型センターと違って席数が少ないため、コストがかかる管理者の配置の仕方などでも工夫が求められそうだ。

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