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楽天 来年4月から全店の決済手段を統一、店舗に付加価値提供も

 楽天が、仮想モール「楽天市場」出店者向けの決済代行サービスを一新する。これまで、出店者がクレジットカード決済を提供する際に必須としていた、カード決済代行システム「R―Card Plus(アールカードプラス)」を拡充。ユーザーは全店舗でコンビニエンスストア決済や電子マネー決済が利用可能となる。一方、店舗には入金サイクルの短縮化やチャージバック(不正なクレジットカード利用で行われた決済の取り消し)補償を月額10万円まで無料にするといった付加価値を提供する。

 新サービスの名称は「楽天ペイメントサービス(楽天ペイ)」。楽天市場では今年7月から、全店舗でのカード決済を必須としているが、同社によると、ユーザーからは「コンビニ決済が使えない店舗があるのは不便」など、全店舗の決済手段の統一を求める声が強かった。一方、店舗からも「決済方法の登録可能数を増やして欲しい」という声が出ていた。

 楽天ペイは来年4月から順次店舗への導入を進め、最終的には全店舗が使う形となる。共通となる決済手法は、カード決済、金融機関利用決済(楽天口座、ペイジーなど)、電子マネー決済(楽天Edy、Suicaなど)、コンビニ決済(セブン―イレブン、ローソンなど)、キャリア決済、銀聯(ぎんれん)カードなど主に海外ユーザーが利用する決済、楽天スーパーポイントによる決済、楽天キャッシュ(楽天市場などで使えるオンライン電子マネー)。代金引換決済と後払い決済、ショッピングクレジットなどは任意となる。同社では「決済を選択するステップでのユーザーの離脱はそれなりにあるため、決済手段の増加で購買転換率の上昇が期待できるのではないか」(ECカンパニー編成部の皆川尚久ジェネラルマネージャー)とみている。なお、2014年に統一した楽天口座決済は楽天ペイでも継続する。

 これまでアールカードプラスで必要だった月額費用やデータ処理料、キャンセル手数料は不要となる。一方で、決済手数料は全決済手段の決済高に応じて利用料を計算する仕組みを導入。月間決済高(5億円超まで)と平均決済単価(5万円超まで)が高くなるほど料率が低くなる仕組み。例えば月間決済高100万円までは一律3・5%。月間1000万円までの場合、平均決済単価7000円までは3・3%、同5万円超は2・8%。月間決済高1億円までだと、平均決済単価7000円までは3・2%、同5万円超は2・6%となる。

 アールカードプラスの手数料率は楽天カードが2・65%、その他カードは3・6%だった。近年、楽天市場では楽天カード決済の比率が拡大しているため、決済関連費用をトータルで計算すると、これまでより高くなる店舗も出てくることになる。同社では「(トータルでみると)支払う費用が多くなる店舗と少なくなる店舗が同じくらいではないか」(広報グループ)とみている。また、海外住所向けの配送時は、決済高から一律0・4%を徴収する。

 新決済サービスでは、店舗向けに付加価値も提供する。これまで決済手法によってばらばらだった入金サイクルを統一。前月26日~当月10日までの売り上げは当月末に、当月11日~25日までの売り上げは翌月15日に入金する。期間も短縮されており、店舗は資金繰り良化が期待できる。

 不正注文への対策も強化。楽天によるモニタリングだけではなく、特定の国・地域からの不自然な注文など、不正が疑われやすいケースにおいて、3Dセキュアとセキュリティーコードによる認証を求める仕組みを導入する。「あまり厳しくすると転換率が落ちる」(皆川ジェネラルマネージャー)ため、認証の要求はケースを限定する。チャージバック補償については、これまでは楽天グループの楽天インシュアランスプランニングが提供するチャージバック保険に加入する必要があった。新サービスでは月間補償額10万円までは無料とし、全店舗が利用できるようにした。それ以上の上限額を求める場合は別途申し込みが必要となるが、各コースの月額保険料もこれまでより2000円安くしている。

 決済業務関連についても、注文確認後の決済手続きと振込代金照合、返品があった場合のユーザーへの振り込みを同社が無料で代行する。「少人数運営の店舗からは、決済関連業務に追われて販促などに集中できないという声があった」(同)。同社が決済関連業務を代行することで、店舗の負担を削減する。

 契約事業者単位での入金額と請求額の相殺機能も導入する。商品代金とポイント・クーポン利用料から、毎月の利用料を差し引いた額を入金、または請求する仕組み。多くの店舗は、毎月の同社への振り込みを行わずに済むようになる。

 新サービスの導入については、10月6日に全店舗に告知し、来年4月から開始する。ただし、店舗によっては業務変更が間に合わないケースも考えられるため、全店舗が切り替わるには一定の時間が必要となる見込み。

 近年は、アマゾンジャパンがモール機能を強化。アマゾン店の売り上げが大きく伸びているネット販売企業が増えており、仮想モール間の競争は激化している。楽天では、決済手段の統一化だけではなく、無料のチャージバック補償といった付加価値を提供することで、店舗・ユーザー双方の囲い込みを進める。

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