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ベルーナ  物流改善に成果、約12億円の利益貢献

 1-1.jpgベルーナでは2014年9月、埼玉県比企郡吉見町に新しい物流センターとして「吉見ロジスティクスセンター」を竣工した。昨年からは本格的な稼働を開始しており、物流が大幅に効率化。利益への良い影響も出ているという。同社では近年、アパレルを販売する実店舗を拡大しているが、新センターは同社のオムニチャネル戦略にも対応している。具体的にどんな点が効率化され、利益面に貢献しているのか。吉見ロジスティクスセンターの全容は。

 吉見ロジスティクスセンターの敷地と延べ床面積は約10万平方メートルで、投資額は約130億円。同センターが完成するまでの同社は、総合通販事業の物流業務を3カ所の物流拠点で行っていたほか、外部の倉庫なども借りており、合計で12カ所に分散していた。

 同社の森田篤史執行役員ディストリビューション本部長兼業務推進室理事は「非効率な状態で、横持ち輸送が多く発生していた」と話す。

 同センターでは、総合通販と店舗関連の商材と取り扱う。具体的には、アパレル・靴・ブーツ・服飾雑貨・和装・生活雑貨・インター・貴金属・小物雑貨。大型家具のような、かさ物以外は同センターに集約した形だ。1日の出荷能力は7万6000件となっている。

 1-2.jpgセンターの1階は、入荷エリアのほか、検品エリアや返品エリア、ラインで運ばれてきた商品の仕分けを行うマトリックスアソートエリア、出荷仕分けエリア、店舗エリアなど、商品保管・ピッキング以外の主なエリアを集約。3階と4階は対面ピッキング自動倉庫エリアとし、商品保管とピッキングを行っている。

 森田執行役員は、同センターの基本コンセプトについて「『歩かせない』『考えさせない』『判断させない』」と説明する。つまり、ピッキングする際の歩く距離を減らす、作業者に余計なことを考えさせない、誤った判断をさせないというものだ。これにより、作業人員の即戦力化と管理人員の最小化を目指している。

 サービス面では、当日受注・当日出荷を実現したほか、小さい商品に関しては袋出荷対応を可能とした。商品保管については、フリーロケーション方式を採用。森田執行役員は「当社はカタログ通販会社であり、季節によって商品が入れ替わるため、以前は固定ロケーション方式としていたが、ネット販売が普及し、季節性はあまり関係なくなってきた」と話す。固定ロケーションの場合、在庫がない商品でも棚を専有してしまうという欠点があり、格納効率が悪いという。

 自動倉庫では、商品の荷動きによって保管するエリアを変えている。効率の良い倉庫下部には良く引き当てられる商品が割り当てられている。「どこにどんな商品を移動するか」については、倉庫管理システム(WMS)が最適な場所を割り当てる。さらに、商品補充に関しても作業者が関わることはない。

 「例えば、1カ月間で10回以上動いた商品はAランク、8回ならBランク、5回ならCランク、それ以下は上層棚に置くといったように条件を決め、毎日更新している」(森田執行役員)。以前は秋冬シーズンを迎える前には、夏商品の棚を全部外し、数日間かけて商品を入れ替える必要があった。今はフリーロケーションのため、夏物でも動いている商品は残し、売れなくなったものは下げるといったように、効率良い在庫配置の判断はWMSで行うようになった。カタログ通販が中心のときは固定ロケーションでも回っていたものの、販売チャネルが多くなり、以前のやり方では非効率的になったわけだ。

 2011年の東日本大震災の際は、コンテナが飛び出したりずれたりして、直すまでに時間がかかったことから、免震構造を採用。コンテナの前後に突起を付けることで、揺れても飛び出さない構造とした。

 ピッキングに関しては、300人分ひと固まりとして作業を行う。作業員はそれぞれ、担当のエリアで商品をピッキングする。「普通はいったん終端まで到達するとスタート地点に戻ってピッキングするが、戻りながらピッキングするルートの指示が出せるため効率が良い」(同)。

 また、以前は紙の伝票を作業員が持ってピッキングをしていたが、ペーパーレス化したため、個人情報と商品が紐づくのは最終工程。セキュリティー面にも配慮した。

 1-3.jpgピッキングされた300人分の商品は、1階のマトリックスアソートエリアまでラインで運ばれて、商品の仕分けが行われる。作業者がバーコードで読み込み、専用トレイに乗せると、機械により自動的に仕分けされる。商品がすべてトレイに載ると仕分けが完了し、顧客ごとの荷物が完成する。以前は人力で行っていた作業のため、かなりの省力化が進んだ。

 1階には店舗向けの出荷エリアがある。通販と在庫を共有することで、スペースの有効活用と効率化を図っている。店舗から依頼があった商品をピッキングすると、自動的に店舗エリアまで運ばれる。商品はハンガーにかけて、クリーニング店などで使われる「トンネルフィニッシャー」に通し、蒸気でしわを伸ばす。


機械化を推進


 同センターは、具体的にどの程度業績に貢献しているのだろうか。まず、拠点を集約したことで倉庫賃貸料や物流外注費、横持ち運賃・人件費が削減された。

 さらに、システム・マテハンを導入したことで、ピッキング効率は約3倍に向上。これは、フリーロケーションによる補充作業の削減や、ピッキング作業者の歩行数削減。さらに、最適な在庫配置推進により、高い効率のエリアへの引当構成比が向上したことが大きい。

 また、マトリックスアソート導入により、これまで手作業で行っていた仕分け作業が機械化。仕分け効率は2・5倍向上した。作業者の教育についても、音声ガイダンスによる作業支援で、品質検査など熟練が必要なものを除くと、即戦力化が図れている。配送リードタイム自体も0・5日短縮している。16年3月期と同センター完成前の14年3月期を比較すると、対売り上げ物流比率約7億円、対売り上げ人件費率では約5億円、合計約12億円の利益貢献ができているという。

 森田執行役員は「アスクルのピッキングロボットやニトリのオートストアなど、センターの機械化が進んでいる。当社でも人員不足に対応するため、機械化や半自動化することで省力化しなければならない」と話す。

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