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積み残し課題検討会、"成分不明"一部対象化

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機能性表示食品制度の「対象範囲拡大」を巡る積み残し課題検討会の方向性がほぼ見えてきた。8月4日の会合では、「機能性に関与する成分が不明確な食品」の取扱いを検討。その一部について、寺本民生座長は会合後「(対象化する方針と)思ってもらっていい」と話しており、届出の追加情報を求めることを条件に対象とする考えを示した。今後、対象化にあたって追加的に求める届出情報は詰めていく。

どこまでを「機能性関与成分」と捉えるかは制度上あいまいな部分を残し、これまで企業間で考え方にばらつきもあった。すでに現行の制度の中にも一部、「機能性に関与する成分が不明確な食品」にあたると思われるものも含まれている。消費者庁はこうした食品について対象化の後、さかのぼって必要な届出資料の提出を「変更届」で求めていく考え。

 新たに対象とするのは、複数の成分からなる「植物エキス」。現行制度は、機能性関与成分として単一の成分の特定を基本としていた。「植物エキス」は、成分が複合的に作用して機能を発揮しているケースがあり、その特定や成分の定量・定性確認が難しいものがあった。この点は、品質管理のために定める「指標成分」をもって、機能性の根拠に使う論文に示されている原料と、製品に使う原料が同じであることを証明する。

 証明の手法も、安全性や機能性を、最終製品を使った臨床試験で評価したのか、複数の研究論文(システマティックレビュー)を使って評価したかによって分けることになる。今会合では、安全性評価を「最終製品で行うべき」(上原明委員)といった意見があり、複数の委員がこれに同調した。製品の管理手法も、製品に含まれる成分のパターン分析など定性的な確認や、ロット間で生じるばらつきの分析など追加的な条件を求めていく意見が出された。生鮮食品はこうした管理手法が難しいため、対象から外れる。

 対象となる「植物エキス」は、指標成分の機能性への関与の度合いで、そのクラスが分かれる(=表(上))。例えば、オタネニンジンエキスは、ジンセノサイド類など機能を発揮する成分が複数あり、その一部は判明している。一方、冬虫夏草などは、エキス全体での機能は分かっているものの、機能を発揮する成分の特定には至っていない。

 日本通信販売協会はこうした素材の一部を例示。機能を発揮する成分が部分的に分かる素材は、機能性や安全性データと製品に使う原料が同等であることを示す情報や、原料の製造管理方法など「届出項目の強化」によって対象とすることを求めた。合田幸広委員が示した素材のクラス分けにおける「クラス1、2」に該当するものだ。

 一方、成分が不明なものは、専門家による検討機関を設立を要望。企業等が設定した「指標成分」の妥当性について専門家による判断を行う審査制での対応を提案した。

 「クラス1、2」の対象化に検討委員から異論はなく、寺本座長も「制度の対象にして問題ない」との見解を示した。

検討会の行方は?

今回の積み残し課題検討会で、これまであいまいだった機能性関与成分の定義が整理された。現行の制度で認められているのは、単一の化合物もしくは化合物群。これに加え、日本通信販売協会(JADMA)が求めたのは、複数の成分で構成されている「植物エキス」も認めること。品質の管理手法による対応など議論が前進したことで、機能性関与成分の定義が明確になった。

 制度は、安全性と機能性に関するデータ、機能性関与成分の3つが明らかなことが条件になる。JADMAは、機能性を発揮する成分が部分的な判明に留まる「機能性に関与する成分が不明確な食品」も指標成分をもって原料の同等性を確認することで、制度の対象にすることを要望。学術、消費者サイドを含め提案に強い反対意見はでなかった。傍聴者からも「今回の会合で(3つの条件が)明確であれば制度に活用できることがはっきりした」「制度の自由度を守ってくれた」など、肯定的な意見が聞かれた。「機能性に関与する成分が不明確な食品」の一部を対象にする方針が固まり、これまで届出ガイドラインで示してきた機能性関与成分の定義は広がることになる。

 一方、"エキス全体"での機能は分かっても機能を発揮する成分の特定が全くできないものは、制度上の扱いが難しい。ただ、こうした素材にも専門家による検討機関を設立、審査制によって対応することを提案することで道筋をつけた。
 検討会の議論を巡っては、これまで消費者サイドの委員が、「機能性に関与する成分が不明確な食品」の例示を繰り返し求めている。今回も田口義明委員が「何が対象になるか早く明らかにしてほしい」と要望した。これまで合田幸広委員からイチョウ葉やセンナなどが、JADMAもオタネニンジンや冬虫夏草を示した。それでも消費者サイドは執拗に素材の列挙を求める。

 ただ、例示は限定的であるべきだ。一つの例示と10の例示でどれほど理解が異なるのかも不可解だ。制度は、企業の自己責任による「届出制」が前提。届出情報は開示され、疑義があれば事後チェックで対応する。すでに疑義が生じたり、指摘を受けて届出撤回に至る企業が現れるなど事後チェックは機能し始めている。仮にいいかげんな届出を行う企業が現れても、事後チェックは機能するだろう。

 むしろ、具体例を列挙することは、制度設計の場を規制強化の場に変えてしまうことになる。その素材に対する予断を生じさせ、暗黙のうちにネガティブリストを作ることになるからだ。寺本民生座長も今会合で「例示は行ったほうがよいが、すべて出すのは難しい」としている。不毛な押し問答が続けば、制度設計の議論を遅らせることになる。



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