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【テレマーケティング売上高調査】 市場規模は30社合計で5.6%増加

 1-1.jpgテレマーケティング事業を手がける各社の2015年度の売上高が出そろった。上位30社の合計売上高は1年前の前回調査と比べ5・6%増加して、9115億2600万円となった。30社の中で2桁増収の企業は6社で、2桁減収の企業は1社だった。大型の新規案件獲得や既存業務の拡大などによって売り上げを伸ばすケースが複数見られ、全体の規模を押し上げた格好だ。一方で、業務の見直しや受注量の減少などで売り上げを落とす企業もあり、全般的に明暗が分かれる結果となった(=表参照)。

 2015年度の上位30社の合計売上高は、前年調査から5・6%増えて9115億2600万円となった。

 2桁増収は、1位トランスコスモス、10位プレステージ・インターナショナル、17位カスタマーリレーションテレマーケティング、22位VALWAY121ネット、25位アイビーシステム、28位サウザンドクレインの6社。2桁減収は6位NTTソルコの1社。

 上位10社については前年調査に比べて順位に変動はなかった。

 1位のトランスコスモスはコールセンター、バックオフィス、デジタルマーケティング、EC支援などBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービスが全般的に拡大した。海外では中国と韓国が好調。特に中国では現地向けの大型BPO案件を新規に受注するなど伸びが著しいようだ。

 2位のNTTマーケティングアクトはコンタクトセンタ事業以外の業務見直しの影響で減収となった。コンタクトセンタ事業は、多言語通訳需要を踏まえた事業領域の拡大や既存業務の伸長などにより売り上げを伸ばしている。

 3位のベルシステム24ホールディングスは昨年まで子会社だったBBコール(昨年9月1日付で事業会社のベルシステム24が吸収合併)がソフトバンクグループの問い合わせ業務を行っていたが、受注単価が大幅に低下し受注量も減少した影響で減収となっている。同社は昨年11月に東証第一部に上場している。

 4位のりらいあコミュニケーションズ(旧もしもしホットライン)はコンタクトセンター事業で製造、サービス、流通向け業務が順調に拡大したほか、バックオフィス事業でも通信や官公庁向けのスポット業務を受託して増収となった。

 6位のNTTソルコはNTT東日本グループの運営体制の見直しにより「116」などの業務が新会社のNTT東日本サービスに移管した影響で2桁の減収となり、利益面も赤字となったもよう。業績悪化を受け、今年10月に北海道でコールセンターサービスを手がける100%子会社のNTT北海道テレマートを吸収合併しコスト削減を図る。これに先立ち7月1日に本社を北海道・札幌に構え、経営管理などの機能を東京から移している。

 7位のTMJはコールセンターとバックオフィス業務がともに好調に推移して増収に。前期から開始した親会社であるベネッセグループのバックオフィス業務の集約も増収に寄与。海外では昨年8月に中国・上海とフィリピン・マニラにそれぞれ100%出資の現地法人を設立している。

 9位の日立システムズはコンタクトセンタ事業部の売上高のうち約半分をグループ以外の業務が占めている。ITを活用したセンター運営を武器に、前期は積極的な提案活動を実施。結果、引き合い件数は前下半期に比べて今上半期の足元の状況は40%増加。今期の同事業部の売上高は前期比10・7%増の310億円を目標にしている。

 10位以下では、14位のビーウィズが本紙推定で前期比5~6%程度の増収となったもよう。12年5月にパソナグループが資本参画し、三菱商事から株式60%を取得していたが、昨年12月にパソナが全株式を取得し完全子会社とした。ビーウィズとパソナは連携を進めており、マイナンバー関連の案件ではパソナの営業網を活用した提案なども実施して成果を出している。また、海外ではインドネシアで現地語対応のセンターを検討しており、現地の状況を調査している段階のようだ。

 17位のカスタマーリレーションテレマーケティングは売上高のうち通販系案件が占める割合は2割程度だが、通販系アウトバウンド業務の急速な増加や、既存顧客である通信キャリアの業務の拡大、新業種の案件獲得などにより前期比31・6%増と大幅増収となっている。前年調査では19位だったが、今回は順位を2つ上げている。前期は強みであるアウトバウンド業務の強化に加え、インバウンドセンターを拡大し最大受電体制1000席を確保。今期は既存顧客の通販系クライアント向けアウトバウンド業務をさらに獲得し、売上高85億円を見込む。


通販系でも明暗

 通販系を主力とするテレマ事業者について上位から順に見ると、まず13位にランクインしたキューアンドエーグループのディー・キュービックは前期の売上高が横ばいで推移。昨年2月に東京・初台にコールセンター「新宿マーケティングセンター」を新設し、前期は旧拠点から移転を実施。既存案件の見直しも行って利益構造を改善した。今期を成長フェーズと捉え、今秋をメドに新宿マーケティングセンターを増床し、100~200席程度増やす計画。

 15位の日本トータルテレマーケティングはフルフィルメントサービスの商品発送業務が減少した影響で減収に。前期は越境ECサービスの開発と提供、新事業の開発・推進、応対・運用・作業品質の強化に取り組んだ。今期は業務効率化や越境ECサービスの拡販、人材の確保・育成・強化などに注力する方針。

 19位のJPツーウェイコンタクト(旧ツーウェイシステム)は昨年4月30日付で日本郵政スタッフの子会社となり、前期からJPグループのコールセンター業務に着手。今期は連携を一層深めて請け負う業務の規模を拡大していく。引き続き通販案件をコールセンター事業の中核に据える考えで、より強化することで同業他社との差別化につなげる。

 21位のテレコメディアは既存案件で幅広く業務を拡大したほか、新規の乗り換え案件も複数獲得し増収となった。今年9月には徳島県板野町に50席規模の新拠点を開設予定で、同県では4拠点目となる。今期はすでに大手通販企業や食品関連企業の新規案件などを受託。売上高は前期比23・5%増の60億円を目指している。

 23位のベルウェールは通販企業など大手クライアントの新規案件を獲得して増収となった。一部受託しているアウトバウンド業務も好調に推移した。昨年10月には福岡にコンタクトセンターを新設。自社開発のCTIシステムの販売も順調で、今期は展示会に出店して訴求する。

 25位のアイビーシステムは昨年7月に広告代理店の大広が株式51%取得し子会社化を発表。前期は大幅に売り上げを伸ばし、順位を前年調査から2つ上げた。

 30位のダーウィンズは横ばいで推移しているものの、インバウンドは伸びているもよう。


1-2.jpgテレマ各社の人材況は】
93%が獲得「難しい」

 コールセンターはオペレーターなど人に頼る割合が高い。しかし昨今は少子高齢化などに伴って、働き手の確保が困難になっている。そうした中でテレマーケティング各社の人材採用は今、どのような状況なのだろうか。本紙では人材獲得や人件費、人材不足の対応などについてテレマ各社にアンケート調査を行った。

 その結果、93%の企業が人材の獲得に難しさを感じていると回答した。さらに人材獲得が難しくなる中で、採用人数の確保や離職を防ぐ目的で、53%の企業がオペレーターの人件費を上げている。

 人件費の上昇分は作業の効率化などで対応している企業もあるが、クライアントと価格交渉を行ってサービス価格に転嫁しているところも少なくない。

 あるテレマ会社によると「受託業務のオペレーションがますます高度化する中、クライアントに提供するサービス品質を向上し、同時に生産性を高めていくためには、優秀な現場人材を確保し育成することが必要不可欠」とする。

 そのため長期雇用にシフトすることになり、人件費は上がる。当該企業ではできる限り企業努力で対応するものの、一部はクライアントと交渉を行ってサービス価格に転嫁することも開始しているという。

 別の企業によると「有効求人倍率の上昇もあり、他業種を含め人材の取り合いになっている」と指摘する。そして「過去の価格では、まったく採用できない状況」であるため、人件費の値上げを決断したようだ。値上げ分はサービス価格に転嫁しているほか、業務の改善活動で吸収している。

 アンケートではそのほかに、今後予想される人材不足の対応について自由に回答してもらった。回答の中には「自動化やウェブなど人に頼らないサービス開発と、同時に有人対応は高度化」といったようにテクノロジーの活用を挙げる企業や、「多様な年齢層と雇用形態を柔軟に取り入れていかなければならない」と、高齢者雇用などを積極化する声も複数あった。

 人材の確保が難しさを増す中で、テレマ各社では人件費を上げたり、福利厚生を手厚くするなどして優秀な人手に長く働いてもらえるよう動いている。同時にチャットやSMS(ショートメッセージサービス)など、いわゆるノンボイスのサービスを取り入れたり、人工知能を使った自動化に取り組む企業も出てきている。今後、こうした動きはますます加速していきそうだ。


※2014年度テレマーケティング売上高調査の結果はこちら
※2013年度テレマーケティング売上高調査の結果はこちら
※2012年度テレマーケティング売上高調査の結果はこちら




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