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楽天市場の安全対策とは② 空き家への注文防ぐ

 前号に続き、楽天の塩原聡事業運営室室長が語る、楽天市場の安心・安全対策について掲載する。



 不正に手に入れたクレジットカード情報によるなりすまし購入も問題となっている。犯罪者の目的は、手に入れた商品を金に換えること。つまり、どこかで受け取る必要があるわけで、同社ではそこに目をつけた対策を実施している。「IPアドレスやクッキー(サイトの利用情報)、端末情報などは注文ごとに変えてくるが、受け取る場所は1カ所に集まる。送付先住所の名寄せをして、不特定多数のユーザーが注文した商品が1カ所に集まるようなら不正な取り引きと判断し、出荷を止めるよう店舗に通告している」(塩原室長)。2014年は合計約60億円分、15年は同72億円分もの出荷を未然に防ぐなど効果が出ている。

 以前は実際にマンションを借りて受け取るケースが多かったものの、最近目立つのが空き家での受け取りで、15年6月の調査では半数以上を占める。同社が対策したことで、毎日受け取り場所を変えているという。そこで同社では、大手不動産情報サービス「ホームズ」から空き家情報が入手できるよう連携を進めている。空き家であると最初から分かっていれば、注文時に排除することができるからだ。

 犯罪者が狙う商品は、以前はブランド品やデジタルカメラ、ゲーム機といった高額商品が多かったものの、最近目立つのはファンケルやドクターシーラボ、エスケーツーといったブランドの化粧品のほか、健康食品、青汁、粉ミルク、目薬、さらにはカシオの腕時計と、比較的単価の低い商品だ。「国内で換金すると足がつきやすい。海外で転売すれば数倍になる人気商品を狙っているのだろう」(塩原室長)

 仮想モールにとっては偽造品対策も大きな課題となっている。連携するブランド権利者はこの1年で急増し、1139にのぼる。同社が権利者との連携を強化しているのは、偽物と判断できるのは権利者だけだからだ。近年は売れる数が期待できる、比較的カジュアルなブランド狙わることが多く、「正規なら2万円程度のブランド品の偽物を1万円程度で売るケースが目立つ」(同)。

 楽天が偽造品の疑いがある商品を購入し、ブランドに鑑定を依頼するわけだが、中には日本国内では鑑定できない海外ブランドもある。その場合は、本国に送ることになるが、一定の時間を要する。そのため、「緊急時にはYKKに商品を持ち込み、ファスナーを鑑定してもらうこともある」(同)という。鑑定の結果、偽造品であることが確定したら、警察庁や財務省関税局、法務省入国管理局(外国人が運営する店舗の場合)に情報を提供する。

 偽造品を販売する店舗は、まっとうな商売を営む会社が間違って売ってしまった、というケースはほとんどなく、偽物を売るために出店した会社ばかり。そのため、出店審査を厳しくする必要がある。
 とはいえ、犯罪者が直接出店することはなく、留学生などが小遣い稼ぎのために貸した名義で出店するケースが多いという。さらには、休眠会社を買い取るパターンもある。出店審査だけでは完全に防げないのが実情のため、オープン後に塩原室長が店舗ページを実際に見て確認している。

 偽造品を販売した店舗は、塩原室長が実際に訪れて調査する。名義を貸した人の裏にあるものを探ることが重要だからだ。例えば、偽造品を販売して強制退店となったある会社のポストには、11社分の名義が記されていた。このうち1社が楽天市場に出店していたわけで、残り10社が楽天に関連していないかどうか調べたところ、すでにポストに記された名義で出店申請が来ていたという。

 塩原室長は反社会的勢力排除への取り組みについて、「楽天だけで防げる段階ではなくなってきている。公的機関や関連団体との連携を強化していきたい」と話す。  (おわり ※①はこちら


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