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消費者庁・強権路線の破綻② 消費者庁が議事主導

061.jpg 機能性表示食品の対象範囲拡大を議論する消費者庁の積み残し課題検討会では3月、事業者団体からのヒアリングを行った。ただ、この際の消費者庁の姿勢が物議を醸している。ヒアリングに招いた関係者の発言を遮り、議事を主導したためだ。背景に消費者庁のどのような姿勢があるのか。

露骨な不快感

 「消費者庁はヒアリングに招く説明者にわざわざ手紙を出し、時間を作ってもらい検討会に招いているはず。にもかかわらず発言を遮るのは失礼。業界の話を聞いてやっているという雰囲気が露骨に出ていた」。3月15日に行われた第3回会合を傍聴した関係者は、こう感想を漏らす。まず会合を振り返る。

 当日は、業界4団体からヒアリングを実施。ただ、評判が悪かったのが健康食品産業協議会だ。協議会では昨年末、ビタミン等の過剰摂取に懸念を示した食品安全委員会の「いわゆる『健康食品』に関するメッセージ」に否定的な学識経験者を招き、これを否定した。このメッセージが範囲拡大に否定的な消費者サイドの拠り所の一つになっていたためだ。

 ただ、発言は30分を超過。消費者庁の川口康裕次長が「時間が押している」と不快感を示し、寺本民生座長が発言を打切り検討委員に陳謝する場面があった。空気を読まず延々と発言を続け、不興を買うだけに終わった協議会に「水掛け論に終わるだけ。検討会で話し合うテーマではない」(傍聴していた別の関係者)などあきれる傍聴者が少なくなかった。

発言を遮る

 ただ、少し視点を変えてみたい。協議会の評価はともかく、消費者庁自らヒアリングに招きながら、敬意を失した態度でこれを遮ることは適切といえるだろうか。

 検討会は2時間半を予定。各団体の持ち時間は20分、質疑応答は10分を予定していた。残りは30分。「15分は事務局(注・消費者庁)の説明時間。残り15分は産業界で使ってよいと言われ、協議会が発言時間を多めにもらった」(協議会関係者)という。もともと45分の持ち時間があったわけだ。

 加えて消費者庁から「メールで『なるべく時間内にお願いしたいが、多少時間を超過しても構いません』と言われていた」(同)という。実際の進行は、日本チェーンドラッグストア協会の終了時点で1時間が経過(=表)。こうしてみると、問題は議事進行にあり、結果的に割を食ったのが協議会だったとみることができる。傍聴者からも「適切に議事進行しなかった座長の問題であり、発言を遮るのは見当違い」との声が聞かれる。ただ、寺本座長が謝ったのは説明者ではなく、検討委員に対してだった。

"失笑事件"の構図

 思い出されるのは昨年6月、特商法改正を議論する消費者委員会で起こった読売新聞東京本社社長への"失笑事件"だ。

 当時、消費者委の会合に参考人として招かれた同社の山口寿一社長(日本新聞協会理事)の発言に、消費者サイドの委員が机に突っ伏して笑い、社長をバカにされた同社が消費者庁や消費者委員会に即日抗議。結果的に規制強化を見送る大きな騒動に発展した。身から出た錆とはいえ緊張感に欠ける態度に議論に臨んだことが失笑を招き、消費者委自らのつまらぬ驕りが消費者不在の議論を招いた。

 発言を笑ったものではないが、今回の事態にも「"失笑事件"に通じる驕り、同じ構図がある」と、指摘する声がある。

 ちなみにヒアリングに参加する説明者への依頼書は個別郵送ではなく、ヒアリングに招いた4人分、協議会にまとめて郵送されていた。そこにも消費者庁がヒアリングに向き合う姿勢の一端が表れているように感じる。

「結論ありき」か


 座長に委任された議事運営を差し置いて説明者の発言を遮り、議事を主導した点に「なんとも言えない」(食品表示企画課)というので、川口次長に質問書を送ったところ「説明時間は各委員20分ずつでお願いしていた。協議会はかなり超過していたので議事運営の観点から庶務担当する事務局から指摘させてもらった。協議会のヒアリングが十分行えず検討会を終了したので、後日事務局でヒアリングを行い、必要に応じて報告したい」と回答があった。

 協議会も「失礼とは思ったが、後日説明を聞いてもらい、抗議はしない意向」とする。ただ、ヒアリングは形骸化し、結論ありきで議論を急ぐ名ばかり検討会になっていないか。

 ヒアリングに向き合う消費者庁の姿勢について読売新聞にも感想を尋ねたが、本紙掲載までに回答は得られなかった。
③につづく、前回の①はこちら

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