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消費者庁・強権路線の破綻① 制度を"無断"変更

 消費者の利益に叶う行政の実現を目指す消費者庁の役割だ。それは事業者ともども胸襟を開き、しっかり議論を重ねることで実現できるもの。だが、事業者を露骨に軽視する姿勢や、執行権限を笠に着た振る舞いなど、その姿勢に違和感を覚える事業者が少なくない。消費者庁の強権路線が破たんしつつある。

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 6-1.jpg機能性表示食品制度を巡り、消費者庁が行った「届出ガイドライン」の改定に業界が大混乱だ。制度に使える成分の制限につながるもの。事前に業界と調整なく変えたことに、複数の業界関係者から「無断改定」と怒りの声が上がる。安倍首相の肝煎りで始まった制度だが、規制観点からの運用に魅力は半減。成長戦略は期待された成果が得られない懸念がある。


ガイドは"法律"

 「寝耳に水。ガイドは制度にとっての"法律"。それを勝手に変えるのはおかしい」。新ガイド(=)に不満の声が後を絶たない。消費者庁は1月、改正を「製造固有記号等の説明会」で突然発表した。消費者団体の強い意向を受けたもの。食品表示企画課は、「事業者団体は"そんなことは言ってない"と言うかもしれないが、受け入れ可能か(非公式に)聞いた」(赤﨑暢彦課長)とするが、複数の団体関係者は当時「全く聞いてない」と否定。これが混乱を招いている。


2つの"ねじれ"


 改正で機能性関与成分として46通知の「専ら医薬品リスト」に収載される成分は使えない。問題の一つは、制度の開始にあたり、わざわざ「機能性表示食品は規制対象外」と通知を変えたのに結果的に通知の規制を受けるよう変えたこと。もう一つは「一般食品」で流通している成分が、機能性表示食品では使えなくなること。2つの"ねじれ"が生じる。

 懸念される成分は、リスト収載の「オリザノール(米由来)」、「グルタチオン(酵母由来)」、「S―アデノシルメチオニン(同、通称サミー)」、「タウリン(牡蠣、イカ等由来)」「1―デオキシノジリマイシン(桑の葉由来)」など。

 「タウリン」が分かりやすい。健食で「タウリン」と表記すると"薬と誤認する"として薬機法規制を受ける。けれど「イカ抽出物」とぼやかせば成分の強調にあたらず問題ない。だが、機能性表示食品は成分の特定が必要なため「タウリン」と書かざるを得ず、使えない可能性がある。「成分を単一成分で捉えるか、複合成分で構成するエキスを許容するかで"規制の有無"が変わる。その共通認識がないうちの改正は混乱を招く」「届出を準備していたが再チェックを余儀なくされた」との声があがる。

 現在、複合成分からなる「機能性関与成分の特定が難しい食品」の対象化も審議中。新ガイドはこの議論にも影響。消費者庁はそれほど重要な判断を"無断"で行った。


「サミー」の行方

 6-2.jpgすでに違反となる可能性のものもある。サミーを機能性関与成分とする「チアフル酵母」(=画像)だ。製品臨床で評価し、多額の投資が窺われる。だが突然の改正。届出たインマイライフは、「ガイド変更は"法改正"と同じ。施行前のものは該当しない。消費者庁から受理まで何の指摘もなく、改正後も連絡はない」(豊原龍太郎社長)と問題ないとの認識。消費者庁は「個別案件に答えられない」と口を閉ざす。

 そもそも、消費者庁は、安全性に係る事項としてリスト確認を求めるが、「リストは、必ずしも危険な成分を示すものではない。食品にも含まれる成分がある」(厚生労働省監視指導・麻薬対策課)。過去に食薬区分を判断した成分のみが収載された"例示"であり、「リストに載ってないから安全という判断もリストの趣旨と異なる」「あたかも危険な成分かのような誤解を生む可能性がある」との指摘がある。


説明責任果たさず

 変更の経緯を消費者庁は「もともと(昨年9月末の)届出の『確認事項』で示した。当たり前すぎて(記載がなかった)」とする。確かに「確認事項」には「医薬品成分でないこと」を確認せよとある。ただ、ガイド自体に記載はなかったものだ。また、リストは前段の厚労省の説明から分かるように医薬品にしか含むことを許されない成分を示すものでもない。ほかに、新ガイドの適用が施行以前の商品に及ぶか、業界側と調整を行ったかなどを聞いたが、「答えられない」の一点張りだった。

 厚労省は、「新制度は成分を特定するため『サミー』と書くが、そうなると薬と誤解される。一方で、制度は46通知の対象外。そこを踏まえどうするか判断してほしい」と要請。一方、改正に、日本OTC医薬品協会だけは「食品業界には『制度の後退』に映るが、食品で違反、新制度で合法なものが整理された」と支持している。 (②につづく

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