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新たな〝市場〟に挑む 協業で新規客開拓

011.jpg 通販企業にとって新規顧客開拓は重要なテーマのひとつで、最近では顧客年齢の近い売り場を持つ企業と組むことで新しい消費者層にアプローチする取り組みが増えてきている。千趣会は50代女性向け婦人服のプライベートブランド(PB)をJフロントリテイリングとの共通PBに刷新した上で、初めて百貨店に常設店を設けた。40代以上を主要顧客とする婦人服のドゥクラッセもテレビ朝日グループとの協業で地上波のテレビ通販に乗り出すことになった。婦人服ブランドで新たな販売チャネルに挑む両社の取り組みについて見ていく。
012.jpg千趣会、百貨店に初の常設店

 千趣会は、これまでカタログと通販サイトで展開してきた50代女性向けのオリジナルブランド「Kcarat(ケイカラット)」をリニューアルしたのと同時に、3月中旬から大丸5店舗に常設店をオープンし、百貨店での販売を始めた。

 今回の取り組みは、昨年4月に資本業務提携を結んだJフロントリテイリング(JFR)との本格的な協業の第一弾で、モデルの黒田知永子さんがプロデュースする「ケイカラット」は2010年のスタート以来、販売好調で、百貨店顧客との相性も良いことから、JFRと千趣会の共通PBとしてブランドを刷新。百貨店顧客がより満足できる商品ラインを追加することで、販売チャネルの多層化と商品ラインの多層化に取り組む"オムニファッションブランド"として展開する。

 新生「ケイカラット」は、カタログで掲載していた商品群をスタンダードラインと位置付け、新たに上質素材を贅沢に使ったプレミアムラインと、シーズンごとのトレンドを意識した旬のアイテムを提案するフェイバリットラインを展開。百貨店店頭ではフェイバリットラインを中心にファッション性を高め、そこにプレミアムとスタンダードラインを合わせることで重層的な商品群を見せるほか、黒田さんがセレクトしたグッズも扱う。

 3月11日の大丸梅田店を皮切りに、大丸神戸店と大丸札幌店、大丸京都店、大丸東京店で相次いでショップを開設したが、「われわれの想像を超えた来店客数に驚いている」(星野裕幸社長)とし、札幌店は初日の売り上げが約140万円となったほか、他店舗も初日が100万円を超えるなど、出だし好調のようだ。

 店舗開設に向けては、千趣会の顧客にメルマガなどで告知したほか、百貨店もカードホルダーへの配布物や百貨店内でのポスターなどを通じて広く情報を発信している。また、40~50代女性向けのファッション誌「エクラ」の4月1日発刊号では8ページのタイアップ企画を展開する予定だ。

 オムニチャネル施策としては、黒田さん着用のコーディネート写真を店頭のタブレットでも閲覧できるようにし、店頭にはない商品でも提案して取り寄せたり、自宅への配送にも対応する。今後は、「ケイカラット」のアプリ開発も含め、EC利用者を店頭へ送客する仕組みも構築していく。

 一方、店舗展開でブランド力を高めるとともに、ECで利用できるクーポンを配布するなどして千趣会の通販サイト「ベルメゾンネット」や、リニューアルの準備を進めている大丸松坂屋の通販サイトにもファンを呼び込むことで、百貨店の課題でもあるEC強化につなげる。

 千趣会では「ケイカラット」の通販カタログを年5回発行するほか、50代女性向けのカタログ「ヴィアラモ」でも年2回、同ブランドを提案する。また、百貨店以外にもJFRグループのパルコや外部の都市型商業施設、路面店、他社通販モールへの出店も視野にあり、「ケイカラット」は初年度で売上高16億円、3年後に30億円を目標に掲げている。

 なお、3月17日にはJFRと千趣会が共同で「ケイカラット」の新店舗オープニングイベントを都内で開催。黒田さんも登場して"ブランド宣言"を行った。

ドゥクラッセ、地上波でTV通販に挑戦

013.jpg 婦人服ブランドを手がけるドゥクラッセは、4月6日から地上波でのテレビ通販に初挑戦する。テレビ朝日グループのロッピングライフとタッグを組み、テレビ朝日の番組「じゅん散歩」の通販コーナー"ものコンシェルジュ"で新企画「Do!ファッション」を6月下旬まで12回にわたって放送する。

 季節やテーマに沿ってコーディネートを提案しながら、同番組用にドゥクラッセが開発したオリジナルの服を中心に、ベストセラーアイテムの復刻品などを番組特別価格で販売。「ドゥクラッセ」の婦人服をテレビ通販で購入するメリットを提示する。

 40代以上の女性をターゲットとする「ドゥクラッセ」と、50代以上の女性がメーン視聴者層の「じゅん散歩」が組むことでミドルエイジの潜在的なファッション需要を掘り起こす狙い。

 ドゥクラッセは約2年前にグループで展開する婦人靴ブランド「フィットフィット」で通販専門チャネル「QVC」への卸を経験しているが、地上波は初めて。テレビ朝日もアパレルに特化した通販コーナーを定期的に放送するのは初の試みという。

 「Do!ファッション」は毎週水曜日の午前10時12分頃から14分間で、同コーナーの司会はタレントの新山千春さんと女優の愛華みれさんが務める。

 今回、ドゥクラッセは林恵子社長を筆頭に商品部やインベントリーチーム(発注戦略担当)、社長室スタッフの7人体制で地上波のテレビ通販に臨んでおり、カタログや店舗とは異なるテレビ通販のノウハウをロッピングライフと共有しながら商品開発を進めているという。

 ドゥクラッセでは、機能性や安さを前面に出すのではなく、ファッションアイテムとして第一印象で"素敵"と思ってもらえる商品を提案。その上で、着心地はもちろん、ワンサイズ細く見えたり、顔色が明るく見えるカラーやデザインといったドゥクラッセの服作りの特徴を視聴者に伝える。

 番組では毎回2~3型を提案する予定で、2WAY仕様のワンピースやガウチョパンツ、UVカットのカーディガンなど、トレンドも入れながら着回しのきく商品を打ち出すことにしており、シーズンの先取りではなく、いますぐに着られる服を提案。初回の放送ではコーディガン(9990円)とワンピース(7900円)を販売する。

 ドゥクラッセは3年後の2018年7月期に前期(15年7月期)比で約2倍となる売上高300億円を目標に掲げて、店舗展開を加速している。そんな中、新たに新規顧客開拓を目的とした多チャネル戦略の一環としてテレビ通販に着目。ブランドの認知度を足もとの約23%から33%へ高めるとともに、今期は全12回のテレビ通販により、「ドゥクラッセ」の婦人向け通販売上高の8%を「Do!ファッション」で確保したい考えだ。

 一方、ロッピングライフは従来の視聴者よりも少し若い40代女性の取り込みにも期待しているほか、ファッション専門の企業と組むことで、通販市場でボリュームの大きいファッション領域を開拓する。また、ドゥクラッセは顧客ターゲット層が近いことや、軸足を通販に置くため企業文化も近く親和性が高いことに加え、他社のテレビ通販と商品面で差別化できると判断。現状、ロッピングライフの売上高に占めるアパレルの構成比は約4%と低く、今回の取り組みを足がかりに、来期(17年3月期)はアパレル構成比を10%まで高めたい意向だ。


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