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"ライオン・ショック" 初勧告の衝撃③ 6団体が反対表明

021.jpg 消費者庁が媒体社への圧力を強めている。機能性表示食品制度が始まってまもなく、媒体社向けの説明会では健康増進法をちらつかせて媒体社を脅した。今年3月には、運用実績のない同法をライオンに適用して実際に使えることを示し、さらなる萎縮を招いた。これと前後して行ったのが同法の運用指針への"何人規制"の解釈の明記だ。

「何人規制」を変更

 一連の動きは媒体社に大きな動揺をもたらした。健増法の「虚偽誇大広告指針」の改定は今年2月。同法の「勧告・命令権限」を地方に移譲する第4次一括法の施行を受け、「何人も」の解釈として「新聞社や雑誌社、放送事業者等も対象になり得る」と明記した。

 改定の理由を消費者庁は、「一括法施行に伴う所用の見直しと、消費者庁移管後の運用で蓄積した考え方をプラスした」と説明する。「何人も」の解釈にも「もともと(厚生労働省時代から)解釈自体は変わらない」(同)とする。だが媒体側はこれに反発している。

 不満の第一は、ルール変更のやり口にある。法令と異なり、指針は行政側の判断で変更が可能。「媒体に重い責任を強いる規制でありながら議論を尽くさず役所が思うまま変更できる文書の中で『媒体責任』を問う重大なルール変更を行うのはおかしい」(放送関係者)といった声がある。また、別の放送関係者からも「地方分権を進める一括法の関連部分だけでなく、関係のない『何人も』の解釈を変えるのは便乗改定」との声があがる。

 地方に移譲された場合の運用面の不安もある。

 「広告審査は各社で異なり、同じビジュアルはあまりない。行政側にきちんとした基準がない中で全国均一の判断ができるのか」(新聞関係者)、「『何人も』に媒体が含まれるのは分かる。ただ、出稿を巡る取引実態はさまざまで応分の負うべき責任がある。にもかかわらず媒体も一律で取り締まるかのような表記は危険。権限移譲に伴う指南書として乱暴すぎる」(前出の放送関係者)といった声だ。

決着ついた問題

 そもそも"何人規制"を巡る解釈は、03年の改正健増法制定時に決着がついている。当時、指針に「媒体責任」を明記した厚労省に日本新聞協会が反発。不当な不動産広告を掲載した新聞社に損害賠償を求めた最高裁判例(98年、日本コーポ事件)の「広告の責任は広告主にある」という解釈を盾に削除を求めた。

 これを受けて、厚労省は指針から削除。「指針留意事項」でワントーン下げて表記した。当時を知る関係者は、「『表現の自由に配慮する』という厚労省の言質を取り、業界側が勝利したニュアンスだった」と話す。

 だが、消費者庁は13年、「健食留意事項」で媒体責任を復活させている。当時のパブコメには、「広告表現の過剰規制を誘発し、表現の自由を大きく損ねる」との意見が寄せられているが、意見は「事業者」と「個人」のみで「団体」はない。「業界はノーリアクション。意見募集の結果公表も年末でその後の対応が難しく、なし崩し的に規定された」(同)という。

「意見書」の後は?

 今回、日本新聞協会の広告委員会は改定に強く反発して意見書を提出。日本民間放送連盟、日本雑誌広告協会、日本雑誌協会、日本広告業協会、全日本広告連盟も反対意見を出している。

 だが、今のところ対応はパブコメのみ。「新聞協会は13年の『健食留意事項』への危機感が全くなかった。当時、媒体規制に気づいた少数派のみパブコメで意見したが、"当時は何も言わずなぜ今頃"と言われかねない」、「放送界は昨今の放送規制への対応が鈍い。その中で脇の甘さもあり、『健食留意事項』で既成事実化した」など、媒体関係者からも不安視する声が聞こえてくる。「表現の自由」を堅守できるかは今後の業界の対応いかんにかかっている。(④につづく※前回の記事はこちら

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