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"ライオン・ショック" 初勧告の衝撃② 新聞に広がる動揺

 2-1.jpgライオンに対する健康増進法に基づく勧告を受け、媒体社に動揺が広がっている。表示を行った販売者や製造者を対象にする景品表示法と異なり、健増法には、広告の「内容責任」だけでなく「媒体責任」を問う"何人規制"があるためだ。


「審査を変える」

 「勧告を受け、表示内容をより厳しく審査しなければならないと感じる」(北海道新聞)、「今回の件に限らず、読者を惑わせ、不利益になる広告が掲載されることがないよう、今後も厳正に広告審査する」(中国新聞)。ライオンのトクホ飲料への勧告を受け、その広告を掲載していた新聞社に動揺が広がっている。

 消費者庁は、今回の措置が行政処分ではなく行政指導(=勧告)であること踏まえ、媒体社名の公表を避けた。背景には、健増法の適用対象が、媒体社を含む「何人も」である点を慎重に判断したことがあるかもしれない。

 取材によって判明した広告掲載の新聞社は表に記載した15紙。多くの企業がこの件に対し、「個別案件の回答は控える」と口をつぐむ。


「兵糧攻め」

 だが、媒体社にとって、この"何人規制"は長年に渡る非常にセンシティブな問題でもある。日本新聞協会の考査の実務担当者が所属する広告掲載基準研究会も今回、広告を掲載した8社(朝日、毎日、読売、産経、日経、北海道、中日、西日本)で構成。研究会は3月、消費者庁による健増法の運用ガイドラインの改定に際し、"何人規制"の解釈変更に協会名で「看過できず、改正に反対する」と、懸念を表明したばかりだ。

 「新聞も当然、消費者保護をうたい、読者に分かりにくい表現は見直しつつやりたい。そこは消費者庁と変わらず同じものを目指している。だが、その仕事(注・考査)がバカにされたような感じ」「広告主を責めることによる媒体社への兵糧攻めのように感じる」といった声が新聞関係者から寄せられている。

 勧告を受け、北海道新聞では、「トクホ、機能性表示食品について、許可・届出表示を超えないよう厳しくしていく方針。今後は問題となる表示ついて消費者庁に個別に詳しく問い合わせていく必要があると考える」と、方針転換を表明。媒体への圧力以外の何ものでもないだろう。

 ちなみに、多くの新聞社は健康食品やトクホの広告基準を持つが公表していない。進んでいるのが広告局ホームページで基準を公開している北海道新聞だった。


攻める"道新"


 より大きな懸念は、表現の自由、言論の自由への影響だ。やはり新聞社の多くは口を閉ざすが、北海道新聞は、「『何人も』(の規制)は、媒体に適用される可能性がある上、内容があいまいなため、運用によっては言論、表現の自由への影響が大きいと憂慮している。おりしも消費者庁は(健増法の)『ガイドライン改正』で(媒体責任に関する文言を)わざわざ追加している。これらの動きに対しては業界団体などを通じて強く反対を申し入れる必要がある」。この回答に新聞社の危機感がにじんでいる。

 「(ライオンの勧告という)個別事例を受けた対応の検討はない。ただ、行政指導はでている。"きちんと考査やった"と言われる可能性があり、放送業界にとっても他人事ではない」。媒体規制に反対する潮流は、新聞社だけでなく、テレビ、雑誌を含め、大きなうねりへと変化している。 
 (③につづく※前回の記事はこちら

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