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積み残し課題検討会 人選や議事進行に違和感、テーマ外れ制度批判に終始

 6-1.jpg消費者庁で始まった機能性表示食品制度の積み残し課題検討会。秋頃の報告書策定をめざし、「対象にする食品(成分)の範囲」をテーマに議論していくことになる。だが、2月の第2回会合は終始、反対派のペースで議論が進行。「健康長寿社会の延伸」と「成長産業の育成」の両立を目指す制度でありながら、早くも前途を不安視する声が多くの業界関係者から上がっている。制度導入の趣旨から外れ、「人選」から「議事進行」までおかしなことばかりの検討会を検証する。

5-2.jpg否定派だらけの積み残し検討会

 検討会は秋頃まで計10回の開催を予定している。だが、第2回会合を終え、議論を不安視する業界関係者が口にした問題の一つが、検討委員の人選だ。

 メンバーは、計17人で構成。前回、制度設計に向けた検討会から引き続き参加する8人の委員を含む。だが、傍聴したある業界関係者は、今検討会に引き続き参加し、否定的な意見ばかり口にする委員に「制度をつくった張本人でありながら、批判的な態度から入るのはおかしい」との感想を口にする。検討会は、多くの関係者の中から制度設計を託された委員で構成するが、唯一、前向きな意見を示したのは、品質管理の方法論を提示した合田幸広委員だけだ。

 新メンバーも、反対派が多い。1日に必要な栄養摂取量を示した「食事摂取基準」の策定に関わった学識経験者や栄養士等の資格を持つメンバーが中心。「3次機能(機能性)より摂取基準の普及が先」「3次機能に特化した広告が溢れる」といった意見が相次ぐことに「国の栄養政策を担ってきた自負からか、栄養至上主義を前提に議論が進んでいる印象」(別の関係者)といった声もある。検討会の布陣は、専門知識を持たない事業者にこれら専門家を説得せよとの狙いが透けて見える構図だ。


テーマを巧妙にすり替える

 「(テーマ以外の)議論はしない」。消費者庁食品表示企画課の赤﨑暢彦課長は第1回会合後、こう明言した。消費者サイドから現行制度への不満が上がったことに関する対応だ。だが、消費者サイドはその後も制度批判を巧みに今回の議論に引き込んでいる。

 事業者、消費者サイドが制度に対して抱える不満は表の通り。テーマに沿った議論に集中して運用面の問題点に触れない事業者サイドに対し、消費者サイドは制度の問題点をさかんに口にしている。中には、「届出制の見直し」や「広告の問題」などもある。本来のテーマとは関係のない問題点を取り上げ、"対象にする食品の範囲拡大は時期尚早"との結論につなげている。「制度の目的は『いわゆる健康食品』との差別化」など制度の趣旨から大きく外れた発言をする委員も現れている。消費者庁は趣旨を逸脱した議論を正し、公正な議事進行に努めるべきだ。


「死にかけた制度」、企業の不満噴出


 検討会のテーマとは別に制度の現状を改めて見つめ直してみたい。事業者から聞こえてくるのは、「制度が始まって1年で受理件数はわずか200件という数字をよく考えてみて欲しい。制度はすでに死にかけている」「はやくも規制が始まり制度の魅力が薄れている」といった声だ。販売に至った製品は100を下回るとみられる。500件もの届出がありながら、大半が受理待ちの状況は、「届出制」の趣旨から考えて健全と言えるだろうか。

 加えて、制度導入から1年経っても受理の遅れは解消されていない。「4月の届出から"再提出"を繰り返し、受理は8月」「受理が遅く販売計画が立てられない」「流通サイドと折衝が行えない」といった声が聞かれる。"再提出日"が「届出日」として記録されるため分かりづらいが、当初、2週間だった受理までの期間は、半年かかるケースなどもある。


ガイドラインも勝手に変更

 そんな状況で消費者庁は健康増進法をちらつかせて媒体社を脅し、「不適切な表示例」を公表して販売事業者の萎縮を招いている。1月には、制度の説明会でガイドラインの改正を発表。消費者サイドの意向を受けて安全性評価に関わる部分を変更し、トクホの審査状況の記載を求めるとした。だが、事業者側と調整せずに勝手に変えるのはルール違反だろう。

 1年経過してもわずかな商品しか販売に至っていない制度が成功と言えるか、検討会で一旦、本来の目的を見つめ直す作業が必要ではないか。


【業界サイドの連携は?】
発言分散で攻め手欠く


関口氏失言に「ヤブヘビの好例」

 6-3.jpg業界側も連携不足だった。関口洋一委員(=㊨写真)は、消費者庁がFDA(米食品医薬品局)のまとめた健康食品の有害事象を持ちだし、大半をビタミン等が占めることを紹介すると「(事例は)健食との因果関係が明らかでない」と反論。栄養成分を制度に入れない根拠にならないと切り込んだ。
 
 だがこれに梅垣敬三委員が反発。「そもそも複数成分が入った健食全般は有害事象との因果が特定しづらい」と、因果関係が不明なことを口実にした安全論を批判し、あっさり返り討ちにあった。
 
 梅垣氏は、「米国のように事例収集の仕組みがない中でさまざまな食品を制度に入れ込むと問題が起こる。食品は、医薬品のように救済制度がない。事業者は責任を取れるのか。FDA報告の意味をよく考えた方がいい」とも警告。寺本民生座長も「(健食は)因果の証明が難しく、有害事象の集積から問題を抽出する考え方が主流。その意味でFDA報告を重く受け止めるべき」と同調した。学術・消費者サイドが安全性に懸念を示すきっかけを招いた失言には「いわゆるヤブヘビの好例」(傍聴者の一人)との声が聞かれた。

宗像氏、集中砲火も孤軍奮闘

 6-4.jpg出鼻をくじかれ劣勢となる中、一人気を吐いていたのが、宗像守委員(=㊨写真)。「制度を活用する側のルールをきちんと定める必要はあるが、マーケットが機能することが重要。『食事摂取基準』といってもそれを知っているのは(学術サイドの)先生方だけ。基準を見て栄養を気にかけている消費者はいない。消費者は判断・理解できないという視点でなく、『知る権利』『選ぶ権利』を担保すべき」と、導入の意義を熱弁。「『食事摂取基準』を知らない人がいるなら、3次機能(機能性)より、まずその普及から始めるべき」「機能性表示食品より栄養機能食品が上にあることを知らせる機会にすべき」など、反対派の集中砲火を浴びながらも、合田幸広委員が導入に前向きな意見を口にすると「専門家でない者からしても合理的なやり方」と持ち上げ、一人奮闘した。

 合田委員が求めた原料栽培から製造に至る品質管理は、「原材料GMP」など担保する取り組みを業界が自主的に進めている。こうした取り組みをアピールしつつ巻き返せるか。次回予定する事業者団体からのヒアリングがポイントになる。

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