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冬物商戦に「暖冬」直撃、重衣料や暖房家電などが苦戦

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10月から年末にかけて全国的に暖かい気候の中で迎えた今年度の冬物商戦。重衣料や防寒アイテムなどの動きに鈍さが見られた一方、一部では春物衣料やアウトドアグッズが前倒しで売れ始めるなど例年とは異なる動きを見せている。1月以降は急激な気温の低下にも見舞われたが、シーズンを通してみると想定を下回る企業が多く見られた。これまでの各社の詳しい状況を見てみる。

まずは総合通販の動きを見てみる。ディノス・セシールのディノス事業では、ファッション分野においてカタログ「DAMA CASA」で販売したシルバーフォックスファー付きダウンコートなどが好調に推移。シルバーフォックスファー付きやアイスグレーのカラーを採用したことで上質感が増し、支持を得たという。しかし、冬物全体では暖冬の影響で重衣料がやや弱含みとなっており、ようやく冬本番の寒さとなってきたことから今後セールでの販売で前年並みに盛り返すことを見込んでいる。また、生活用品では「水素水」関連アイテムが雑誌・テレビへのメディア露出が功を奏し、アイテムによっては想定の倍以上を販売。その一方で、暖房や「あったか寝具」といった冬物商材が前年を下回っている。

 セシール事業では全体的にレディースインナーの防寒アイテムが不振。その中で、10月にサイト内に立ち上げた専門ページ「すやすや堂」などで販売した二重ガーゼパジャマや綿毛布パジャマなどは計画を上回って推移した。美容・健康関連商材については前年を上回る好調ぶりで、「リポボディスリム」や「ワンダーコア」などの痩身器具、リアルサプリ・スーパーフードをはじめとした健康食品などが伸びている。

 スクロールでは「裏起毛ハイストレッチパンツ」が、デザインのバリエーションを付けた事とベーシックで使い勝手が良いという観点から前年比約1・5倍の売り上げを記録。対して、ウール系コートについては想定を下回る動きになった。その背景には、暖冬に加えてタンス在庫でシーズンを過ごせる商品群のため、セール待ち状態になっていることがあると分析している。なお、1月中旬までの冬物全体の動きとしては、昨年を若干下回る状況。

 千趣会ではバリエーションの広がったインナーの「ホットコット」(画像1枚目)が、天然素材といった認知も進み好調に推移。メルマガでの販促も加えたことでファンが増えた。しかし、売れ行き自体は好調なものの暖冬の影響もあって前年比では大きく伸長していないもよう。今冬は全体的に昨年を若干下回る見通しで、特に重衣料が苦戦している。

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 ベルーナでは冬物全体で見るとほぼ例年並みの状況で、他社と同様にコートなど重衣料の動きが鈍い。一方で「ウィンターブーツ」(画像2枚目)「裏ファーパンツ」「裏フリースシャツ」などは好調に推移した。

 JALUXでも単価の高い重衣料の動きが鈍く、全体では昨年より下回る予想となっている。女性のウールコート、中綿コートなどが前年の半分ほどで、男性のダウンジャケット、コートなどが前年の7割ほどとなっている。しかし、重衣料が伸び悩んだ分、着回しがよく暖かい素材で薄手の衣料品の動きが活発になっているようで、「アルパカカーディガン」が前年より微増。「カシミヤシルクプルオーバー」と「アラン編みニットプルオーバー」は想定を上回った。

 フェリシモでは冬物全体について例年並みか若干の落ち込みを予想している。これまでの好調商品としては「もちふわ素材があたたかい ドルマンシルエットのハーフタートルネックニット」があり、予測も含めて今季累計で2万5000件の受注になっている。

 そのほか衣料品の動きとしては、高島屋で紳士コート、紳士セーターが前年を若干上回る水準で推移。暖冬のため、ジャケットからセーターに需要がシフトしている可能性があるという。対象的に婦人のコート・ジャケット、紳士ジャケットなどはいずれも不調でそれぞれ前年から2桁のマイナス。現在までの冬物全体を見ると、前年を数%下回って推移しているようだ。1月中旬以降の冷え込みで一定レベルでの挽回は期待できるものの、すでに需要のヤマを越えていることから、冬物商戦のトータルとしては厳しいものになると予想している。

 ワコールはニット商材の売れ行きが良く、12月単月では前年比150%超。中でも主力の「思いの丈グループ」は前年比160%超えと大きく販売実績を伸ばすことができた。これは、消費者がニットを着用するシーンを「寒い時」だけに限定せず、アウターとの着合わせや暖冬などの気候に合わせて袖の長さが調整できる機能が受け入れられたことが要因だと見ている。また、ニット・ショーツ商品群では、「申年」にちなんだ「サル赤カラー」の商品が大きく伸長。売場内にブランド・アイテム横断の「サル赤カラー編集売場」を設置した効果もあって「サル赤カラー」で20%以上のカラー構成比となり、販促施策が実を結んでいる。

 食品関連の動きはどうか。らでぃっしゅぼーやではおでんを中心とした鍋商材が前年を下回り30%減となった。また、共働きが進んだことや合わせ調味料の需要増加に伴い、基本調味料(さしすせそ)の売り上げも低調。特に醤油と酢は5%減となっている。一方で、「みんなの健康を考えた野菜たち」「吸収型カルシウム&穀物酵素」や「サラシア生活」といった健康サポート商品はリピーターの獲得に成功し、売り上げが前年比30%増と伸長。特にカルシウムサプリはカルシウムだけでなく酵素を含めたことで何種類もサプリを飲む必要がなくなり、プラスアルファの要素が加わったことが支持を得たもよう。

 オイシックスでは冬野菜全体の売れ行きが前年比で増加。鍋セット(野菜・肉・スープ・うどんやパスタなど)に関しても暖冬の影響をあまり受けず前年を上回っており、定期的に様々な種類の鍋を楽しめる頒布会が人気で、小世帯向けの小規格商品を新たに投入したことも売り上げ増につながっている。また、「さつまいも3種食べ比べセット」が想定以上の売れ行きとなり、今後は「じゃがいも2種食べ比べセット」の販売も行っていく予定。

 そのほかの商材では、コスメ分野でハーバー研究所の高保湿化粧水「ディープモイスチャーローション」が、急激に冷え込みが見られた第3四半期から売れ行きが上昇。特に冬物というくくりではないものの、今期はメイクの新発売に伴い販促を手控えたサプリメント類が例年を若干下回っている。

 また、インテリアや日用雑貨などを販売しているジェネレーションパスでは、冬用の暖房家電や機能性の冬物寝具類の販売が低迷。中には前年の半分近い落ち込みになったものもあるという。一方で、通年で展開するキッチン向けをはじめとしたジェネリック家電(必要機能などを絞って安価にした家電商品)は季節要因を受けず、好調に推移した。

モールはまるで"春商戦"、春衣料やアウトドア商品が好調

幅広いアイテム数で季節ごとの大型セールなどを定期的に開催している仮想モールでは、今冬の暖冬による例外的な商品の販売動向がより顕著に表れている。

 中でも象徴的だったのがヤフーの「ヤフーショッピング」におけるトレンドだ。同社によると12月1日~1月7日の集計期間で特に好調だったのがアウトドア用品で、テントやタープ(テントなどの横に張る屋根)、テーブル、イスなどが前年の3倍以上を記録。ダッチオーブンやバーベキュー用コンロが2倍、凧も1・7倍となった。関連して制汗剤・デオドラントが2倍、大型サイズのお茶のペットボトルが2・5倍になるなど、屋外でのレジャーに伴う必需品が伸びていることが伺えた。衣料品に関しても、通常は春に動くステンカラーコートやジャケットが3倍以上売れるなど春物を先取りしている傾向が見られた。

 その一方で、除雪機は前年の半分以上まで減少。雪かき用のスコップやシャベルも8割減となるなど動きは鈍かった。衣料品でもダウンコートがメンズ・レディースともに前年割れとなっている。

 楽天の「楽天市場」でも例年とは異なる商品の動きが見られている。11月~1月前半までを見ると、ファッション分野で機能性衣料のインナーやダウンコートなどが伸び悩んでいる一方で、そこまでは暖かくないが流行のチェスターコートやコーディガンなど(レディースの場合は)デザイン重視のアウター類が著しく伸びている。

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 食品では11月と12月のアイスクリームの売り上げが前年同月比で約1・8倍(画像3枚目)。スポーツ用品ではウインタースポーツ関連用品が低迷する中で、自転車などのアウトドア用品の売り上げが伸びた。そのほか、好調だった商品は「ふるさと納税」「ふるさと割」に関連する食品類や、医薬品、カラーコンタクト、介護用品。インテリア関連では毛布、冬用布団などが変わらず売れている。

 ジオシスの「Qoo10」では冬物寝具の「着る毛布」が暖冬のためにセール時期が早まり、12月は好調に推移。対象的にレディースファッション、シューズのほか、防寒商品がシーズンを通しては想定以下で推移。家電では空気清浄機や加湿器がインフルエンザの流行もあって例年並みの売り上げとなったが、電気ストーブ、石油ストーブなど暖房機器全般は想定以下だった。

 リクルートライフスタイルの「ポンパレモール」ではタイツの売れ行きが弱く、冬物全体で伸びが芳しくない状況。こたつとショートブーツに関しては暖冬の影響を受けずに好調だった。DeNAの「DeNAショッピング」でも冬物のアウター類が弱かった一方、季節を問わないカラーコンタクトやベビー用のお尻拭きなどが上位になっている。
 各社で濃淡はあるが、高額な冬物重衣料を中心におおむね苦戦が続いている印象の冬商戦。年明け以降は年末までの穏やかな気候とは打って変わり、急激な気温の低下とともに猛烈な寒波にも見舞われているが、1月下旬も過ぎれば消費者心理としてはすでに冬物の買い時は逸してしまっているところ。「2月以降に冬物の売れ行きが急に良くなるということはないと考えている」という事業者からの声も多く、あとは期末セールなどでどれだけ冬物在庫をはけられるかが焦点となるようだ。



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