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健食のネット監視 一斉指導から「端緒化」へ、指導挟まず景表法で調査も

 消費者庁は、四半期ごとに行う健康食品のインターネット表示の監視事業の運用方針を変える。これまでは、健康増進法に基づく指導を前提にした「一斉監視」を目的にしていた。今後もこの方針は維持するものの、景品表示法に基づく調査案件としての「端緒化」の強化を目指す。これにより、健食を巡る不適正な表示是正の迅速化を図る。

 ネット監視事業の強化をめざし、消費者庁では同事業で来年度に約2倍の予算要求を行っていた。要求は認められず予算は同額。ただ、予算内で事業の強化を図る。

 ネット監視事業は、健康増進法の「虚偽・誇大広告の禁止」に基づき表示の改善を指導するもの。四半期ごとに「ダイエット」関連や、「インフルエンザ・花粉症予防」など季節性の疾病などに関する複数の検索キーワードを設定。ロボット型全文検索システムを使い、検索された数千サイトを目視で監視している。

 対象は、トクホや機能性表示食品(昨年4月以降)を含む健康食品。これまでは健増法に基づく一斉監視・指導により不適正な表示の是正を図ってきたほか、周辺事業者に対する抑止効果としてきた。また、指導に従わない事業者には、景品表示法に基づき調査を進めるなど継続的な監視につなげてきた。

 ただ、指導対象の案件の中には、「非常に不適切な表示もある」(表示対策課食品表示対策室)など、景表法の措置命令相当の案件も含まれていた。こうした案件に対して健増法に基づく指導というステップを挟まず、景表法の調査案件として着手することを目指す。

 従来のネット監視事業では検索にかかった数千ものサイトを担当官が目視で確認、指導案件をふるいにかけていた。ただ、膨大な数に上ることから、予算要求では、民間委託の範囲を拡大。一定レベルまで案件の絞り込みを委託することで、監視の迅速化を図ることを目指していた。

 来年度以降、同額予算内での取り組みは、「具体的に話せるレベルにないが、考えていく」(食品表示対策室)としている。


【「端緒化」の狙いは?】
監視事業の"質"を充足


 ネット監視事業はこれまで、一斉監視により"量"の面で不適切な表示の是正を図ってきた。今後は、「端緒化」の強化により監視の実効性を高め、より効率的な執行につなげることで"質"の面で充足を図っていく狙いがある。

 直近の公表は昨年12月。7月から9月にかけて「ダイエット」や「痩身」、「脂肪燃焼」、「美白」といったキーワードで監視。26事業者の31商品の表示に対し、健康増進法に基づく改善を指導した。モール運営事業者にも表示適正化への協力を要請した。

 また、2014年に監視事業で指導した84社のうち、3社の3商品は改善が見られないことから健増法、景品表示法の両面から調査を始めている。

 ただ、監視事業は実施から公表に大幅なタイムラグが生じ始めている。昨年9月の公表では、14年1月から昨年3月までに行われた計5回の監視結果を一挙に公表。また、四半期ごとの実施が前提ながら昨年4月から6月は行われていない。今回の公表資料では2社2商品への指導実績が計上されているが、「食品表示の適正化に向けた取組について(夏季一斉取締り)」の中で行われたもので、実際の名目は異なる。

 背景には、消費者庁に寄せられる端緒情報が飽和状態にあり、業務が煩雑を極めていることがあるかもしれない。

 機能性表示食品制度の導入以降、行政に調査義務のある「申出制度」を使った疑義情報の提供が増加し、種々雑多な情報が行政に集まっているとみられる。これへの対応に加え、課徴金制度への対応、措置権限の地方移譲に伴う対応もある。

 加えて、監視事業は健増法に基づく指導が前提だが、「勧告」や「命令」につなげた例はない。"国民の健康に重大な影響を及ぼす"といった勧告の要件の判断が難しいことなどが理由だが、実績ゼロは多くの事業者が認識している。指導のステップを挟まず、景表法との連携を強化することで実効性を確保し、執行の効率性を高める必要があると考えているのだろう。

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