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大きめサイズの通販活況に、大手通販各社総じて好調

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大きめサイズの女性をターゲットにしたアパレル通販が盛り上がりを見せている。昨今の「ぽちゃかわブーム」もあり、ぽっちゃりしていても積極的におしゃれを楽しむ人が増加しているようだが、店頭などではなかなか体型に合うものがなかったり、着れはしても"ただ大きいだけ"でファッション性がなく、好みに合わなかったりする場合も多く、どこでも様々な商品が購入でき、価格も手ごろな通販チャネルがそうしたニーズを掴み、展開する各社とも好調に売り上げを伸ばしている模様だ。大手通販各社の取り組みを中心に活況な大きめサイズのアパレル通販の現状を探る。

トップ走る大きめサイズのパイオニア――ニッセン 

活況な大きめサイズの通販の中でも強い存在感を見せているのがニッセンだ。同社が展開する大きめサイズのアパレルブランド「スマイルランド」は現在、通販カタログのほか、実店舗(画像)は単独店が5店、イトーヨーカドーとの協業店を8店展開している。

同事業の売上高は非公表だが、「レディースアパレルの約20%を占めている」(ニッセンホールディングス広報企画室)という。近年、ニッセンのレディースアパレルは売り上げを落としているが、スマイルランドは右肩上がりで成長しており、その比率は年々拡大。大きめサイズ通販の市場では圧倒的なトップとみられる。

 同社では、その理由について「パイオニア的存在であることもあるが、単に『さまざまなサイズをカバーしている』だけではなく、ぽっちゃりさんの『おしゃれをしたい』という要望に応える服を出し続けていることが大きい」(同)と分析する。

 そのため、売れている商品も「レディースアパレルのトレンドに沿ったもの」(同)が目立つ。単に「サイズがあう服を出す」だけではなく、デザイン性を重視した戦略が「ぽっちゃりさん」たちに受けているようだ。

 機能面にも気を配っている。例えば、デニムは股ずれ軽減のため、内股にカットソー素材のあて布を縫いつけている。また、シャツはボタンの間から胸が見えないように隠しボタンを設けた。こうした「ぽっちゃりさん」の悩みを解消するための配慮は、大きめサイズ通販のパイオニアならではといえる。

 近年は店舗展開を強化。中でも、今年に入ってからはイトーヨーカドーとの協業モデルに注力している。ヨーカドーの大きめサイズプライベートブランド「ギャローリア スイート」「グッディ スイート」にニッセンの「スマイルランド」が集まった「大きいサイズ」コーナーをヨーカドー内に設けている。

 こうした動きがもたらす通販への効果については「まだテスト段階なので何とも言えない」(同)としているが、売り場で以前から展開していたヨーカドーブランドの売り上げは、スマイルランドとのシナジーで伸びているもよう。ヨーカドーの店舗出店ノウハウや集客を活かすことで、通販における新規客獲得につなげていく狙いだ。

専門カタログ「プランプ」、創刊から右肩上がりと好調――ディノス・セシール

main (2).jpg ディノス・セシールのセシール事業が展開する大きめサイズ専用カタログ「プランプ」も2009年の創刊から常に右肩上がりで業績を伸ばしている。直近決算である2015年3月期決算でもセシール事業は主力の衣料品や下着の専門カタログが苦戦するなどで減収だったものの、「プランプ」単体の売上高は前年比で約1割程度の増収となり、堅調に推移したようだ。その好調さの理由は徹底した商品のこだわりと提案力にあるようだ。

 一般的な大きめサイズの商品は通常サイズをベースに各部位の寸法を増やしていくやり方だが「そうした服は大きいサイズの方に向けた設計ではないため、『特定の部位が窮屈』『ちょっと丈のバランスが悪い』などの不満があったはず。プランプはそうした不満を解消する」(同社)として、重くなりすぎない素材を使ったり、動きやすくかつかわいいデザインなど、デザイナーも"ぽっちゃりさん"を起用するなどして、普通サイズをベースにしたものではなく、大きめサイズの人に合わせた適正でバランスのとれた、ただ大きいだけでない着心地にこだわった服作りを徹底した。

 売れ筋はボトム。同社によれば、スカートは汗や股ずれを気にする人が多いため、スカートよりもパンツが支持されているようで、特に見た目はジーンズだがニットを使用し、見た目と履きやすさを備えた「スマートニットジーンズ」などは人気のよう。また、冬場はコート類の売れ行きがよいようだ。中でもダウンコートはダウンの分量や丈感、デザインを考慮しており、「あったかいが着ぶくれせず、すっきり見える」と顧客から評判も高く、値段も手ごろに抑えていることもあり人気のようだ。

 こだわった商品はもちろん、高い提案力も他社との差別化を生み、顧客から支持を集めている理由のようだ。「プランプ」では様々なテイストの商品がファッション誌にように様々なコーディネートで掲載されている。「プランプではお客様にファッションの幅を提供したいと考えている」(同社)からだ。

 近年では、ぽっちゃりさんでもトレンドを抑えたファッション性の高い商品を購入できるところが増えてきたが、選べるファッションのテイストはまだ限られている。大きめサイズの専門店の場合、基本的に展開するテイストは「ワンショップワンテイスト」でまた競合他社も若年層にターゲットを置くところもあり、若めのテイストに重点をおいた展開も目立つ。

 「プランプ」では積極的に幅広い層に新しいテイストやコーディネートを提案することで「お客様に"私にもこんな着こなしができるんだ"と発見してもらい、おしゃれを楽しんでもらいたいたい」(同社)とする。実際、「プランプ」で掲載した組み合わせごと商品が売れることもしばしばで「私にとっては教科書のようだ」という顧客も多いという。

 直近の秋号でもゆとりのある大人のカジュアルファッションブランド「ル・リラ」(=画像)を投入。ナチュラルテイストでおしゃれかつ、ぽっちゃりさんでもすっきり着こなせるようにこだわった6商品の販売を開始するなどしている。

また売れ筋のコートでは窮屈になりがちな首周りではなく、フード周りに高級感のあるブルーフォックスファーを付けたり、アームホールなどをゆったり設計としたカシミア混コートを投入するなど新たな提案を行っている。今後も、こだわった商品作りと提案力を軸にしつつ、売り上げを拡大していきたい考え。

"お客様と一緒に企画・開発する"で支持集める――千趣会

 千趣会が手がける大きめサイズ専用カタログの「ラ・フィット」は、顧客から届く悩みや要望をもとに"お客様と一緒に企画・開発する"ことをメーンとしているのが最大の特徴で、"大人でも着られる可愛らしさ"と"自然体でいられるシンプルさ"を大切にしながらパターン設計や着心地の良さを追求する。

 利用者は「大きいサイズの女性」とひとくくりにされることが多いものの、実際にはさまざまなマインドがあるため、同社では"洋服が好きでオシャレを楽しみたい女性"に向けて商品提案することを心がけており、トレンド要素が高いものにも挑戦してもらえるよう、シルエットやサイズ感などを工夫している。

具体的には、トップスは、バストまわりや腕回りを立体的に形成することで、引きつったシワや窮屈感を軽減し、シルエットの美しさを実現。肩、や胸、お腹など前身頃側に肉がつきやすいため、「ダーツを取る」「バスト下に切り替えを入れる」「肩口にギャザーやタックを入れる」などの工夫を凝らし、前身頃と後ろ身頃の裾が平行になるように設計し、前裾が上がるのを解消している。

 ボトムスは、ウエストを締め付けず、履き心地に安定感を出すため、お腹まできちんと包み込む前股上設計にしており、さらに後ろ股上を前よりも長くすることで、しゃがんだときの安心感を実現。前よりも後ろのわたり幅を多く取ることで、ヒップや太ももに沿うようにし、窮屈さや動きにくさを軽減するという。

 カタログ誌面では、表紙に読者モデル(顧客)を掲載している点が他社にはない特徴で、コンセプトでもある"お客様と一緒に作り上げているカタログ"ということを表現。「全ページ読者モデルが良い」という声がある一方、「リアルを見せられると購入意欲が低下する」という声も同じくらいあるため、現状は特徴的な商品のみ読者モデルを起用している。

 千趣会ヒット商品.jpg看板企画の「モニターさんと一緒に作ったシリーズ」や、他社にはないパンツに特化したお悩みを解決する「モワ・フィット」も読者モデルに着用してもらい、より親近感を持ってもらえるように工夫している。「モニターさんと作ったデニムパンツ」(画像)は11年9月に販売開始し、毎号掲載しているが、常に新商品と並ぶ人気でボトムでは必ずトップ3にランクインしているという。

「ラ・フィット」の売上高は12年度(12年12月期)の約11億円に対し、13年度は約13億円、14年度は約17億円、今期も順調に拡大している。

 大きめサイズはメーンの売り場であった実店舗が効率化などの理由から、売り場面積を縮小。また、「おしゃれを楽しむぽっちゃりさん」もすでに市民権を得ており、ますます通販需要の高まりが予想される。各社の今後の展開が注目されそうだ。

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