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ヤマト運輸  郵政事業優遇を憂慮、情報通信審議会答申に意見

 ヤマト運輸は9月29日、国土交通省の情報通信審議会が9月25日に答申した「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」に対して「当社の見解(9月11日に提示)が全く反映されない答申になったことを、大変残念に思います」との意見を表明した。その理由として「郵政事業のユニバーサルサービスの範囲を明確にすることなく、日本郵便に対し、従前の優遇措置に加えてさらなる優遇措置を実施する内容」とし、貨物市場における公正で公平な競争条件を阻害することになるという。

 今回の意見表明に先立つ9月11日、ヤマト運輸は答申案が発表されたことを受けて、総務省へパブリックコメントを提出。郵政事業のユニバーサルコストとして集配地域ごとに利益を算出し、そのうち赤字エリアの合計額をユニバーサルコストとした試算に対して的確なものでないと疑問を呈した内容だ。どの事業が赤字であるかなどまで明確にする必要があり、信書の送達に限定して試算するべきとの見解を表明した。

 また、ネットワーク事業で赤字エリアと黒字エリアが混在するのは当然とし、事業者は優遇措置を受けずに事業全体で利益を生み出していることも訴えた。

 これらのヤマト運輸の意見に対する総務省の考え方は、「郵政事業のサービスについては、国民生活に必要不可欠な公共性の高いサービスとして位置付けられており、日本郵政及び日本郵便にユニバーサルサービス提供の義務が課されており、そのためにさまざまな制度的な措置が講ぜられている」。また「ユニバーサルサービスを一体的に提供する郵便局ネットワークとそのサービスは、今後とも将来にわたって、ますます国民生活・地域生活の貴重なインフラとして維持することが期待されております」といったものだった。

 利用者となる通販事業者や関連事業者にとっては、今回の答申はどう映るだろうか。郵便による受注や代金決済など郵便局ネットワークは通販事業にとって重要な拠点というのが一般的な見解だろう。「黒字か赤字の問題ではなく、社会インフラとして、国が支援し継続できるようにするべき」(関連事業者)との意見も聞かれる。

 一方でヤマト運輸が9月11日に提出した答申案に対する意見では、「当社は、過去に実行された国営事業の民営化の例にならい、社会的インフラともいうべき郵便ポストや郵便局ネットワークを民間事業者へ開放することで利用率を向上させ、例えば電話事業のように接続料収入を得ることで、国民負担を増大させることなくユニバーサルサービスの安定維持を図ることは十分に可能であると考えている」との考えも提出した。

この意見に関しては9月28日の答申を決める情報通信審議会郵政政策部会で委員から総務省の考え方の記述が真摯に対応していないとの発言があった。同委員の発言内容は、ヤマト運輸が(ユニバーサルサービスに)参入する意向を持っていると考えられるとし、この点をきちんと受け止めて考え方を示すべきというものだった。だが、総務省側の説明は一般論的なもので明確なものではなかった。

 今回の答申は2013年10月1日付で総務大臣が諮問したものを受けて審議を行ってきた。昨年3月の中間答申、同年12月に第2次中間答申を行っていた。ヤマト運輸は3月の中間答申に対して、現行の信書の定義(内容基準)が分かりづらく、送り主が信書と思わずに宅配便やメール便で送った荷物が信書であると受取人から告発され、郵便法違反で書類送検されるケースがあることが問題とし、何が信書便なのかが一目で分かる外形基準の導入を提案していた。だが、同社の提案が受け入れられず、送り主に郵便法違反容疑がかけられてしまうことを回避するため今年3月末でメール便を取り止めている。

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