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ロッピングライフの中村雪浩社長に聞く「テレビ朝日グループの通販戦略とは?」

021.jpg テレビ朝日がグループ通販企業のてこ入れに乗り出した。今夏から通販子会社のロッピングライフの経営体制を刷新。これまで同社には専任の社長を置いていたが、このほどテレビ朝日で通販事業などを管轄する部署、総合ビジネス局でショッピング担当局長を務める中村雪浩氏をロッピングライフの社長に就任させる"現職出向"という形を採った。これにより、「テレビ朝日とロッピングライフがより強固に協力し合い、テレビ朝日グループの通販として事業を強化していく」と話す中村雪浩社長にテレビ朝日グループの今後の通販事業の方向性などについて聞いた。(聞き手は本紙編集長・鹿野利幸)

〝テレ朝〟と〝ロッピング〟つなぐ、独自商品開発など着手

――6月23日付でロッピングライフの社長に就任した。経緯は。

 テレビ朝日グループとして通販事業を強化していくための施策だ。私はロッピングライフの社長に就任したと同時に、テレビ朝日で通販事業などを管轄する総合ビジネス局のショッピング担当局長という立場にもなった。要は現職出向という形になる。これはロッピングライフでは初めてのケースだ。通販事業に携わるテレビ朝日とロッピングライフの両方に軸足を置けることで、これまで以上に両社の連携を強化し、通販事業を拡大していきたい。

 私は31年間、テレビ朝日に在籍しており、バラエティ番組の制作や番組宣伝、イベント事業などを行ってきたが通販ビジネスに携わったことがなく、今回の内示を受けた時にはまさに"青天の霹靂"で、急いで通販や会社経営を勉強した(笑)。通販業界は2カ月だが、ようやくある程度、わかってきた部分もある。まだまだ素人だが、逆に"素人の強み"を活かして、皆の声など聴きながら『何が売れるのか』などゼロベースでもう一度、見直していきたい。



――テレビ朝日と共同で展開してきた通販事業を2011年にロッピングライフに一本化し、同社主導のもと、これまで通販事業を推進してきた訳だが、ある意味で元に戻すということか。

 そうではない。通販事業はこれまで通り、ロッピングライフ主導で行っていくが、テレビという電波を使う以上、テレビ朝日側ももちろん通販事業に関わる訳で、通販ビジネスを拡大させるには両社間の協力が必須だ。無論、これまでも連携はしてきたが、テレビ局と通販子会社という立場の違いもあり、一口に連携と言ってもそう簡単なことではなかった。

 例えば、ECビジネスの拡大のために、バラエティ番組で紹介した商品やドラマでの演者の衣装を『通販で販売したい』と思った場合、そうするには当然、使用許諾など各番組に協力してもらう必要があるわけだが、子会社であるロッピングライフ側としては、そうした交渉や相談をどうすればよいか。まして窓口がどこなのかすら分からなかったはずだ。

 私はテレビ朝日に籍を置くショッピング担当局長であり、また、テレビ朝日には長く在籍しており、番組制作に長く携わってきた。現場にも旧知の人間も多く、いくらでも話をし、交渉の席が作れる。ロッピングライフの社員には、私を使って、これまでやりたくてもできなかったことをどんどん企画して提案して欲しい。実現に向けた交渉の道筋を作ることが私の1つの役割だと思っている。



――テレビ通販事業の拡大のための1つの大きな要素は"通販枠"の量だ。とは言え、視聴率などを考えるとテレビ局としては簡単に放送枠を通販に割り当てるわけにもいかない。両方に軸足を置く立場としてこうした問題をどう考えているのか。

 もちろん、テレビ朝日としては視聴率が大事だ。しかし、総合ビジネス局の使命は『放送外収入の確保』であり、つまり、両方とも大事なわけだ。

 両方のバランスを考えながら適切に行動していこうと思うが、格好のよいことを言えば、"視聴率が取れる通販番組"を作れれば最高だ。非常にハードルは高いだろうが、チャレンジしない手はない。できないことはないはずだ。テレビ朝日、ロッピングライフの皆からアイデアを出して、取り組みたい。また、通販枠はもう少しあってもよいはずで、特に他局あってロッピングライフにはない通販特番などは早急にチャレンジしていきたい。



――今後の方向性は。

 通販はよい商品ありきだ。他社と同じような商品だけを販売していては目新しさはなく、お客様にも飽きられ、ビジネスも拡大していかない。そのためには商品選定プロセスの見直しやオリジナル商品の開発を行っていく必要があると考えている。

 サプライヤーやメーカーに提案された商品を販売するだけでなく、MDひとりひとりが『なぜこの商品がよいのか』というマーケティングの視点から商品選定を考える"癖つけ"が必要だと思う。まずはそこから始めたい。商品選定に本気になることで個々のMDが取引先を増やさざるを得ないし、また既存・新規のサプライヤーやメーカーとこれまで以上に向き合うことになり、関係性もより深くなっていくはずだ。

 表面的な付き合いでは単に『仕入れ先』という関係で終わってしまうが関係を密にすることで『信頼できるパートナー』になれると信じている。信頼関係ができれば素晴らしい商品を我々に優先して提供頂ける機会も増えそうだ。我々としても取引先の皆様への説明会や商談会を定期的に行うなどし、サプライヤーやメーカーにとっての『プライオリティナンバーワン』を目指したい。そして我々もきちんと数字面でもサプライヤーやメーカーの売り上げに貢献して、さらによい関係を作っていくことで、オリジナル商品の共同開発などにもつながっていくと思う。

 当社独自の商品が作れれば、競合との差別化はもちろん、例えば他社への卸展開なども可能になり、新たな収益源も確保できるようになっていくはずだ。是非、ここは進めていきたい。


――業績の目標は。

 ロッピングライフの前期(2015年3月)の売上高は77億9900万円だったが、来期(2017年3月)までに売上高を100億円の大台に乗せることがまずは目標だ。

 そのためには、今期にその足がかりを作れるか否かが1つのポイントになる。幸い今期の出足も主力枠(「ゆうゆう散歩いいもの探し」)の売上高が前年同期比2割増と順調で第1四半期(4~6月)の総売上高も前年同期比14・4%増の19億2000万円(このうち、通販売上高は約18億円)で推移した。

 7月月次売上高も前年同月比で40%増、通販だけでは46%増と非常に好調だ。着手してきたカタログ通販や系列局等での通販業務受託事業もまだまだ伸びシロがある。下期以降には先ほど申し上げたような新たな商品選定プロセスなども動き始める予定で、拡大基調に持っていきたい。


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