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【テレマーケティング売上高調査】 市場規模は30社合計で6%増に

 1-1.jpgテレマーケティング事業を展開している各社の2014年度の売上高が出そろった。上位30社の合計売上高は1年前の前回調査と比べて6・1%増えて、8628億5400万円となった。30社の増減率を見ると、ランキング10位以内の企業のうち5社が2桁の増収となっており、結果的にテレマ業界全体の売り上げ規模を押し上げた。通販系を主力とする企業も数社で2桁の大幅増収となるなど、概ね好調に推移。そのほかの企業でも大きな落ち込みはなく、横ばいか微減となった(表参照)。



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2014年度の上位30社の合計売上高は、前年調査から6・1%増加して8628億5400万円だった。

 2桁増収は、1位トランスコスモス、2位NTTマーケティングアクト、7位TMJ、8位CSKサービスウェア、9位日立システムズ、15位日本トータルテレマーケティング、18位JPツーウェイコンタクト、19位カスタマーリレーションテレマーケティング、22位ベルウェールの9社。

 1位のトランスコスモスはコンタクトセンター、バックオフィス、デジタルマーケティングといった事業で受注が好調に推移した。海外も韓国と中国を中心に伸長し、首位をキープしている。

 2位のNTTマーケティングアクトはコンタクトセンター事業の受託業務の拡大に加え、光回線サービスを提供する事業者からの新規受託、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業領域の拡大などで売り上げを伸ばした。

 7位のTMJは13年7月に子会社化したバイリンガルのテクニカルサポートを手がけるバイオス社の売り上げが通期で計上されたほか、コールセンター業務の好調な伸張などによって大幅増収となった。コールセンター業務の通販系案件については、前々期に獲得した数社の新規案件が好調に推移し、増席や業務領域の拡大に至っている。
 
 9位の日立システムズは、新規案件の獲得に加え、既存業務も順調に推移。グループ内の営業のバックオフィス業務を支援するサービスなども着手し大幅増収となった。同社では売り上げのおよそ半分をグループ外の業務が占めているが、前期は今年1月から小売企業のネット販売の受付業務などを開始。前期はほかに地方自治体のBPO業務なども受託した。今期に入り、7月7日からマイナンバー制度の対応に必要な業務をワンストップで代行するサービスの提供を開始しており、すでに引き合いは非常に多いという。
 
 19位のカスタマーリレーションテレマーケティングは既存顧客からの追加業務の受託や、新規顧客の獲得などにより大幅な増収となった。同社の業務は、インバウンドとアウトバウンドの比率が2対8となっており、売上高のうち通販系が15%を占める。前期は新たな業界・業種の案件獲得を強化したほか、コンプライアンスや情報管理体制の再強化を図った。今期は新規顧客の獲得と自社開発システムの販売に注力し、売上高で前期比3割増の75億円を目指す。


通販系も2桁増に

 通販系を主力とするテレマ事業者のうち2桁増の企業を見ると、15位の日本トータルテレマーケティングは売上高のうち通販系案件が65%を占めているが、前期はEC市場の拡大を受け、通販企業を中心にBPO業務が拡大。また、官公庁をはじめとした行政のコールセンター業務の入札案件に積極的に応札し、複数の案件を受託したことなどにより増収となっている。

 同社は前期、岩手県奥州市にコンタクトセンターを開設し、売上拡大に向けた体制を強化。このほかアパレル業界に特化したサービスの構築と拡販に注力した。今期は応対・運用・作業品質の強化、新事業の開発・推進など事業領域の拡大に取り組んでいく。

 18位のJPツーウェイコンタクトは売上高全体の7割程度を占める通販系案件が堅調に推移したほか、JCBの案件などを含めた金融系が好調だった。また、その他案件でも新規取引先の開拓を進めた。同社は4月末に日本郵政グループの日本郵政スタッフに株式82・87%を譲渡し同社の子会社となっている。これに伴い5月1日付で社名を「JPツーウェイコンタクト」に変更している。
 
 22位のベルウェールは前期、新規案件を多く獲得。カスタマーサポートの業務が増えているほか、バックオフィス業務も増加しているようだ。同社の売上高のうち通販系は5割程度とみられる。今期は11月頃をメドに東京・渋谷で新たにセンターを稼働する予定。同社では自社開発した新型CTIシステムの外販も進めており、拡販を強化していく。

 このほかの通販系テレマ事業者では、12位のキューアンドエーグループディー・キュービックが単体での売上高は非公表だが、前期売上高が横ばいで推移したもよう。同社は昨年2月に東京・初台に新たに「新宿マーケティングセンター」を開設し、通販向け業務を中心に運営している。

 21位のテレコメディアはコールセンター業務では通販系が7~8割を占めており、既存顧客の業務を中心に好調に推移。ただ、人材派遣など自社センター運営以外のサービスが伸び悩み、期初計画の50億円には届かなかった。

 30位のダーウィンズは今年6月に通販企業向けに広告代理事業を手がけるファインドスターからコンタクトセンターを承継。今期は20億円の売り上げを目指す。


上位企業で明暗も


 3位のベルシステム24ホールディングスは既存顧客からの受注業務の増加や大型スポット案件の獲得などで増収に。今期は大口顧客向けサービスの長期契約満了などの影響で売上高は1100億円程度と微減を見込む。昨年10月には伊藤忠商事が投資ファンドのベインキャピタルからベルシステムの株式49・9%を取得している。
 
 4位のもしもしホットラインは官公庁向けのスポット業務が終了した影響などで減収となった。同社は今年10月1日付で社名を「りらいあコミュニケーションズ」に変更する予定。
 
 6位のNTTソルコは前期、NTT東日本グループの大幅な運営体制の見直しにより、注文や問い合わせを受け付ける「116」などの業務が別会社に移管した。この影響でNTTソルコ単体では大幅な減収となったもよう。



【コールセンターの人材活用は?】

採用厳しく、年齢上昇も


 労働集約型の職場であるコールセンターでは、そこで働く〝人材"がカギとなる。ところが昨今、少子高齢化や雇用環境の改善などを背景に、コールセンターでの人材獲得が難しくなっているという声が聞かれる。そこで本紙では、コールセンターでの人材活用についてテレマ各社にアンケート調査を実施。現場での採用状況や獲得した人材を辞めさせないための取り組みを尋ねた。



 まず採用状況について各社に問い合わせたところ、通販系のコールセンターを手がけるディー・キュービックでは「アルバイトスタッフを採用するということは業界問わず同じ環境にあるが、コールセンターの特徴として、世の中の平均時給が高騰しても追随することが難しく、人材を他の業種に奪われてしまう傾向がある」という。

 その理由として、新規採用者の時給を上げた結果、数百名の既存勤務者の時給を上げることに発展した場合、「クライアント交渉含め難易度が高く時間がかかってしまう」というわけだ。そしてコールセンターの通販業務に絞ると、「パーコールやパーオーダーなど受託リスクの高い契約形態が多く、人材採用に二の足を踏んでしまう」ということもあるようだ。

 あるいは同じく通販系の日本トータルテレマーケティングでは「年々難しくなっており、募集原稿も今までと同じでは難しいと考えている。若年層の応募が減り、応募者の年齢層が上がってきている。希望年代の応募者でも、スキルが低く採用に至らないケースも増えてきている」という。
 
 大手のテレマ事業者では、NTTソルコは「労働環境の変化により、無期社員を含めた雇用の選択肢が拡大していることから有期雇用社員のオペレーターの募集に対する応募数は年々減少しており、安定的な人材確保が難しくなっている」とのこと。
 
 トランスコスモスによると「業界に限らず、総じて採用市場は厳しくなっているものの地域によってその状況は異なる。(時間的な自由度など)多様な働き方を望む求職者が増えている。求職者の年齢層は年々上昇傾向にある」としている。

 このほかには「景気回復に伴う雇用環境の改善及びコールセンターに求められるスキルレベルの高まりによる雇用条件の高度化により、人材の獲得については難易度が上がっている」といった企業や、「時給が年々高くなる。正社員処遇の希望が年々高くなる。質が落ちてきている」などの回答もあった。

 別のテレマ企業では「高齢の方の応募が増加しているが、業務案件が求める人材要件とはアンマッチの状況」、ほかには「応募者の年齢が高齢化してきている(中高年層からの応募の比率が増加している)」という声や、「東京は採用が厳しく、取り合いになっている。一方、地方は好調で、採用後も辞めない」といった回答も寄せられた。

 採用市場は年々、厳しさを増しており、年齢層も上昇しているようだ。今後、少子高齢化が進むと、こうした傾向はますます顕著になるのかもしれない。


離職防止にも注力

 採用した人材に、より長く働いてもらうことも重要になる。その観点から現在の離職状況について尋ねたところ、「離職率については従前より大きな変化は見られない」「総じて離職率は低下傾向」「離職率について大きな変化はない」「現在採用状況は厳しいが、離職率が上がっているというわけではない」「企業の求人数増加に伴う転職市場の活況に伴い、離職率は徐々に上昇しつつある」などの声が寄せられた。中には離職理由として「転職先で正社員になるので」「精神疾病」が若干増加傾向にあるという回答もあった。

 各社では離職を防ぐ取り組みにも力を入れている。日立システムズでは最近、顧客企業と一緒になって表彰制度を行っているという。表彰される担当者への贈り物を顧客企業に提供してもらい、役員にも出席してもらっているという。

 ほかにも「キャリアパスの設定(リーダー・スーパーバイザーへの昇格だけでなく契約社員・正社員への契約変更など)。変形労働制の導入。フルタイム、短時間、超短時間など勤務者のライフスタイルに合わせやすい契約形態を設けている」(ディー・キュービック)や、「採用面接時の就労条件の確認や勤務に対する意識付け、採用時の人選強化。研修内容の見直し」(TMJ)などの取り組みを実施している。

 このようにテレマ各社では人材の獲得と、その後の離職防止に向けた取り組みを推進している。


※2013年度テレマーケティング売上高調査の結果はこちら
※2012年度テレマーケティング売上高調査の結果はこちら

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