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髙島屋 食料品宅配事業の成果と課題は?

売上の4割が外商顧客、生鮮の強化は課題に

高島屋.jpg 高島屋が昨年6月末に食料品の宅配事業「高島屋ローズキッチン」をスタートして1年が経過し、課題と成果が見えてきている。

 ネットスーパーを含め競合が多い食料品宅配市場では、鮮魚や精肉、青果といった生鮮三品を高い頻度で買ってもらうことが大事で、高島屋としても生鮮品を重視して同事業を始めた。

 しかし、消費者が百貨店の宅配に求める商材と少しズレがあったほか、生鮮では競合に対する優位性を発揮できていないこともあり、当初計画に比べ生鮮三品の売り上げ構成比は低く、同事業の売り上げ、会員数とも若干想定を下回って推移している。

 一方で、惣菜や和洋菓子などの"デパ地下"商材を自宅に居ながら気軽に購入できることがアドバンテージとなっており、当初は生鮮品のついでに惣菜や菓子類を購入してもらう計画だったが、実際にはその逆になっているという。

 ローズキッチン利用者の約65%は店頭顧客を中心とした高島屋のハウスカード会員だ。そのため、今後もデパ地下ブランドの強みを生かすとともに、付加価値のある生鮮品のシェアを高めることで、現状、月2回に満たない購入頻度を高めたい考え。

 年齢層については店頭顧客が中心のため、65歳以上のシニア層が多い。30~40代の子育て世代も獲得しているものの、想定より若い層の開拓は遅れており、ウェブ比率は20%弱と低く、電話注文が圧倒的に多い。

 カタログは開始時から月1回の発行で、創刊号では生鮮三品を前面に打ち出していたが、売り上げ比率に合わせて誌面構成を変更。前半部分は老舗、名店の惣菜や菓子などを掲載している。

 また、従来は1回のカタログに4週間の受注期間を設けていたが、今年3月からはこれを8週間に延ばし、次号の発刊後も購入できるようにした。同時に、定番商品だけを集めた保存版の媒体も発刊している。

外商顧客へのアプローチ強化

 事業自体は昨年12月から一段ステージが上がっている。というのも、ロイヤリティーが高い外商顧客へのアプローチを始めたところ、同事業との親和性が高いことが分かったからだ。現状、「ローズキッチン」会員の24~25%が外商顧客で、売り上げは比率では40%を占める。外商顧客が利用することで、平均客単価も8000円程度まで高まっている。

 また、昨年12月からは、それまで1都3県を対象としていたサービスエリアを関東全域に広げている。会員が多いのは圧倒的に東京と神奈川で、実店舗がある地域の顧客を囲い込んでいる。ただ、高島屋横浜店の二次商圏と言われる横須賀市や藤沢市といったエリアは、リアル店舗の入店客ベストテンには入らないものの、ローズキッチンでは上位に位置していることから、宅配サービスの利便性が支持されているようだ。

 ローズキッチンの購入経験者は6月末時点で2万人弱だが、8月末までに2万2000人を目指しており、店頭を活用した告知では、引き続きポスターの掲出やカタログの設置などに加え、各店のホームページや折り込みチラシでも紹介していく。

 品ぞろえについては、リアル店舗の食料品売り場や催事との連携強化を図る。また、今後はウェブを利用する若い世代の開拓に向けてネット限定商品の開発なども視野にあるが、「まずは組織顧客に利用を促すことが先」(荒木繁クロスメディア事業部食料品宅配販売部部長)とし、同事業と親和性が高い外商顧客や店頭顧客へのサービス浸透を図る。

 一環として、9月頃をメドに店頭顧客向けのお試しセットを販売する計画で、いろいろな和洋菓子や、漬物が入ったローズキチン限定セットなどを開発する。販促面では9月以降、3カ月連続で注文した顧客には何かしらのインセンティブを与えるといったリピート施策も検討している。

 なお、現状は注文日の翌々日配送のため、精肉と鮮魚は冷凍で届けているが、生鮮品強化の観点からも「業務フローの変更については研究の余地がある」(荒木部長)としており、顧客ニーズを見極めた上で、店頭から直接商品を発送する仕組みや、受発注方式で倉庫には保管せずに(通過型で)発送することも含め、ベストな選択肢を模索していく。

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