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ヤマト運輸、3月末でメール便を廃止

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 ヤマト運輸は1月22日、「クロネコメール便」を3月31日で廃止すると発表した。カタログやパンフレット小型商品の発送で同サービスを利用する通販事業者も少なくないが、ヤマト運輸では、個人顧客が誤って信書に該当する文書を送り郵便法違反容疑がかけられてしまう"信書リスク"を自社努力だけで防ぐのが難しいと判断し、サービス廃止を決定。通販事業者など約9割を占める法人顧客に対しては、4月1日に投入する代替えのDM送付サービスと小型荷物向けの「宅急便」新サービスへの移行を促す考えだ。

 郵便法で信書は、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」とされており、現状、郵便以外の手段で送ることはできない。これに違反した場合、輸送事業者と差出人に刑事罰を科す規定が設けられている。

 だが、信書の定義は分かりにくく、個人の顧客が法違反の意識がないまま信書に該当する文書をメール便で送り、警察の事情聴取や書類送検をされるケースが2006~10年にかけ79件発生(総務省資料)。ヤマト運輸でも09年以降、同様のケースが8件起きていた。

 このため同社では、悪意のない顧客が容疑者にされる"信書リスク"の回避策として、11年9月から顧客に内容物が信書でないかを確認するなど荷受けを厳格化。

 また、規制の見直しも働き掛け、総務省の情報通信審議会郵政政策部会で大きさや形状などで信書か否かを判断する外形基準の導入、輸送事業者だけに刑事罰を科すようにすることなどを提案していた。

 だが、昨年3月に公表された郵政政策部会の中間報告では同社の主張が反映されず、「信書規制の本質的な問題に取り組む意思が全く感じられない」(山内雅喜社長)内容で、自社努力だけで安全性と利便性を両立させたサービスの提供は難しいと判断。社内で「クロネコメール便」の廃止を検討してきたという。

 「クロネコメール便」は、荷受けの厳格化などで取り扱いが減少傾向にあるものの、13年度で取扱冊数約21億冊、売上高約1200億円の規模を擁する主力サービスのひとつ。今回の廃止で、不特定多数の個人顧客の目メール便の取り扱いがなくなるが、4月に投入するDM送付や小型荷物の新サービスへの既存法人顧客の移行などを見込み、業績への影響は小さいとする。

 ヤマト運輸では「お客様の利便性を止めてしまう規制はもっと緩和されるべき」(山内社長)とし、今後も国に信書規制の緩和を求めていく考えだ。
 一方、「クロネコメール便」の廃止に伴い、ヤマト運輸が新たに投入するのは、カタログやパンフレットなど非信書に特化した法人顧客向けDMサービスと小型の荷物を対象にした「宅急便」の新サービス。書類と物品の輸送を切り分けるとともに、サービス品質の向上、信書の紛れ込み防止を図ったもので、詳細は3月に発表する。

 まず、「クロネコメール便」でカタログなどを送付する法人顧客に対しては、「クロネコDM便」の名称でサービスを提供。非信書であることが明確で事前の内容物確認をしやすいカタログやパンフレットなどに限定したもので、運賃体系も見直す予定だ。

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 また、「クロネコメール便」で発送されてきた小型荷物については、「宅急便」のカテゴリーで専用ボックスを使用したサービス(新サービス(1))と郵便受け投函型サービス(新サービス(2))で対応を図る。

 新サービス(1)は個人および法人向けに提供するもので、「宅急便」最小の60サイズ(3辺合計60センチメートル以内)の半分程度の大きさの専用ボックスと薄型専用ボックスの2パッケージを用意し、通販での利用が多い衣類や化粧品などを想定。地域別運賃とし、各種割引の利用で税別400円台(専用ボックス代込み)から提供する考えだ。

 一方、新サービス(2)は、顧客の自宅郵便受けへの投函で配達が完了するサービスで、不在時の再配達依頼の手間の解消を図ったのが特徴。厚さ2・5センチメートル以内の荷物が対象で、CD・DVD、トレーディングカードなど薄型の荷物の利用を想定し、投函完了告知のメール送信機能の付加などの利便性で独自性を打ち出す。

 対象は法人顧客を原則とし、事前の内容物申請および確認をした上でサービスを利用してもらう形にする。

 個人顧客については、フリマサイトを通じた小型荷物の取り扱いが増えている状況を踏まえ、ヤマト運輸と契約するフリマサイトを利用する個人顧客に限りサービスを提供する。

 また、運賃については、新サービス(1)よりも安価な全国一律設定とし、荷物の大きさや数量に応じて事業者ごとに相対で決める形だ。

 すでにヤマト運輸では、全国の法人顧客に対し新サービスの説明を始めているが、事業者側が気になるのはやはり運賃。小型荷物についてみると、新サービス(1)で400円台からの提供を予定するなど、「クロネコメール便」の運賃(A4サイズ厚さ1センチメートルまで82円)を使って商品を発送していた通販事業者にすると運賃が割高となってしまう。

 これに対しヤマト運輸では、小型荷物の取り扱いの増加が見込まれることから利用が拡大すると見ており、荷物追跡、時間帯指定配達、配達完了報告などの「宅急便」サービスが付加されることから、「品質を求めるお客様であれば、新サービスを利用されると思う」(小菅泰治法人営業部長兼リテール営業部長)と説明。

 また、実際のサービス展開でも、「いきなりの料金変更は、お客様にご迷惑をおかけすることになる」(山内社長)ことから、現行運賃で試行的に新サービスを使ってもらい、改めて運賃の相談をする考えだ。

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