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【ニュースの断層】 「ベネッセ情報漏えい」で訴訟、争点は「過失」と「賠償額」か?

 ベネッセホールディングス(ベネッセ)で発覚した大量の個人情報漏えいを巡って、訴訟に発展する様相を呈している。11月27日に、金田万作弁護士が、ベネッセコーポレーションとシンフォームを相手取り13万円の損害賠償を請求する民事訴訟を東京地裁に起こした。一方で、12月1日には弁護士を中心とする「被害者の会」が立ち上がっており、来年にも集団訴訟が提起される見通し。これまでに、ベネッセは報告書を通じて管理責任の不備について説明していた。裁判になれば過失の有無や賠償額が争点になる可能性がありそうだ。

 金田万作弁護士は11月27日付で、東京地裁に不法行為による損害賠償(民法709条)を求める裁判を起こした。訴状によると、ベネッセコーポレーションとシンフォームは、ずさんな管理状況を放置し、1年に渡って大量の個人情報を流出させたとして不法行為にあたるとした。賠償金額は原告本人が3万円、原告の子どもが10万円をそれぞれ請求した。

 一方で、眞鍋淳也弁護士を団長とする「ベネッセ個人情報漏えい事件 被害者の会」(以下、被害者の会)が12月1日に立ち上がった。来年初めに、不法行為による損害賠償(民法709条)を求める集団訴訟を起こしたい考え。

 個人情報が流出した保護者と未成年に参加を呼び掛けており、一般紙の報道などを受けて数十件以上の問い合わせがあったもよう。請求する賠償額については今後、検討し、未成年の個人情報の価値を踏まえて合理的な賠償額を示す考えだ。

 争点の1つになりそうなポイントは「過失の有無」。民法709条では、不法行為の立証を原告側に求めている。

 原告側では、ベネッセが公表する報告書を元に立証していくもよう。報告書ではスマートフォンなどの外部メディアへの書き出しが制御されていなかったことや、情報セキュリティについてグループ全体を統括し管理する部署が存在しなかったことなどが記載されている。被害者の会によると、「報告書でベネッセの管理責任が果たされていないことが明確になっており、過失の有無を争う可能性は低いと思う」(眞鍋弁護士)としている。

 また、賠償額については、第三者に渡り利用された事実などを踏まえて個別に判断されるもよう。金田弁護士によれば「顧客の問い合わせで情報の漏えいが発覚し、ベネッセが流出先とみられる十数社に利用停止を求める通知を出している。これら事実から、第三者の利用を強く推定できるだろう」としている。被害者の会によると、過去の判例で1人あたり5000~3万円の慰謝料を認められたとしている。

 ベネッセは、流出した顧客に対する補償として「お詫びの品」として500円の金券の提供や寄附の受け付けを行った。被害者の会は「お詫びの品を受け取ったことが、損害賠償請求権を放棄したことになっていない」(眞鍋弁護士)と説明した。

 金田弁護士が原告となって起こした裁判の第一回期日は、年明けとなる見込み。この裁判でベネッセの過失が認められた場合、集団訴訟ではベネッセの過失を前提に賠償額についての審理が進められることになりそう。

 なお、ベネッセホールディングスは、「訴訟に関することはコメントできない」としている。

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