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サウンドハウス 楽天市場から撤退、銀行振込仕様変更に反発

021.jpg 「国内トップのインターネット事業を営む楽天が、自社グループの利益のみを追い求め、出店している店舗に対して一方的にこのような暴挙を行うことについて、弊社では理解することも容認することもできない」

 音響機器・楽器のネット販売大手のサウンドハウスは11月19日、楽天市場から撤退することを公表した。高坂昌信代表取締役の名前で、自社通販サイトと楽天市場店に「撤退」に関するお知らせを公開。冒頭のように、"怒り"をあらわにした内容であったことから、ネット上では大きな話題を呼んだ。

 サウンドハウスが批判するのは、楽天市場における銀行振込決済の仕組み変更についてだ。11月13日に全店舗でユーザーの振込先が楽天が用意する楽天銀行の口座に統一された。楽天を経由した後に各店舗の口座に振り込まれる形となった。

 サウンドハウスでは「出店店舗の銀行口座を勝手に開設し、決済用口座としてはその口座しか認めないということは、これまでの日本の商習慣ではありえない」と主張。詳細説明や撤回を求めたが、納得できる説明もなく、口座の取り消しもしないことから、楽天からの撤退を決めたという。

 楽天によれば、今回の仕組み変更は詐欺などからユーザーを保護することを目的としている。近年、楽天市場や店舗ページを模した偽サイトが増加しているが、こうしたサイトでは決済手段として銀行振込のみが使われるのが普通。楽天市場における振込先を楽天銀行に統一、これを周知することで、ユーザーの偽サイトへの安易な入金を防止する、というわけだ。楽天から店舗への振込に関しては、楽天銀行以外の銀行口座に送金する場合、10日と25日以外は手数料として309円かかる(口座が楽天銀行の場合は無料)。

 楽天では「(ユーザー保護の)意図が伝わっていなかった。取り組みの背景を認識してほしい」(河野奈保執行役員)とする。また、楽天のサウンドハウス担当ECコンサルタントと、サウンドハウス側の担当者が退職したことから(サウンドハウスでは同社担当者は病気休職中と説明)、誤解が発生した可能性があるとする。

 楽天では今回の件も含め楽天市場の料金体系などの変更を決めており、9月8日に書面とメールで全店舗に通知していることから、「一方的」に行われたものではないと説明。河野執行役員は「(出店店舗から)問い合わせや要望はあったし、その都度説明をしているが、今回のような形での批判や退店は初めて」と話す。さらに、サウンドハウスが「出店店舗の銀行口座を勝手に開設した」と「お知らせ」で批判していることについて「(改定について)いろいろな手法で説明しており、『勝手に』開設したわけではないので、訂正してもらいたい」(河野執行役員)とした。

 サウンドハウスでは本紙取材に応じ、「自社グループの利益のみを追求している」と批判した点について、「他の銀行に振り込まれていた代金分が楽天銀行に集まり、楽天銀行の預金残高が増え、楽天グループの利益につながる」と指摘。また楽天が「ユーザー保護」をうたっている点については「必要なのは確かだが、楽天銀行に口座のないユーザーにとってはサービスが低下しており、顧客やショップが希望する口座を利用できなくするのは主旨が違う。顧客に楽天銀行を使うことを強要し、金融業におけるシェアと収益を上げようとしていることは明白であり、議論のポイントをすり替えているし、手数料が毎日無料でないのもおかしい」と批判した。

 一方、楽天では「(手数料は)ユーザーを保護する以上は必要な経費であり、収益増は狙っていない」(河野執行役員)と説明。手数料は振込元の銀行に入り、振込先である楽天銀行の収入とはならないという。また、全店舗分の口座数が加わった場合、楽天銀行の口座数の増加は全体の1%程度で、「楽天グループの収益が大幅に見込まれることはない」(楽天広報グループ)と反論する。

 サウンドハウスが今回の措置に反発する背景には、2008年にクレジットカード情報流出事故を起こして以降、カード決済が利用できない点がある。楽天市場全体での銀行振込決済の比率は数%なのに対し、同社楽天市場店で銀行振込決済比率は約30%。サウンドハウスでは「入金確認ができるまでのタイムラグが不明なため、即日出荷体制をとっている弊社にとってはマイナスの影響が大きい」と説明する。

 今後のサウンドハウスへの対応について、楽天では「説明が必要であればきちんとしていく」(河野執行役員)とする。サウンドハウスによれば、楽天の担当者から「お知らせ」の掲載取りやめと出店継続を求めるメール・電話があったという。

 銀行振込に関しては、比重が高くない店舗が多いため、サウンドハウスの特殊事情も絡んでいると言えそうだが、一方で一連の改定は、システム利用料の算出に消費税を含めて計算することや、メールマガジンの一律有料化など、値上げとなる要素が大きいため、店舗から不満の声が挙がっているのは事実。楽天では「不明な点や疑問がある場合は、直接お問い合わせいただきたい」(広報グループ)とするが、意見が受け入れられなかったとしても、最終的には「しょせんは小作人なので、従うしかない」(ある出店者)のが実情でもある。

 サウンドハウスは、自社サイトでの集客力に自信があるからこそ、撤退という道を選べたとも言えるが、同社の「怒り」が現状に一石を投じるのかが注目される。

関連記事はこちらから→サウンドハウス・高坂昌信代表取締役に緊急インタビュー

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