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【ニュースの断層】 検索連動型広告訴訟の行方は?  "難しい"との見方多く

せっけん.jpg 「楽天もヤフーもまさか"訴えてくる"とは思わなかったのではないか」。石けん通販の生活と科学社が楽天とヤフーに対し、不正競争防止法および商標法に基づき、「石けん百貨」などの語句を使った検索連動型広告の差し止めと損害賠償を求めて、大阪地方裁判所に提訴した件(→関連記事はこちら)について、ネット広告に詳しい代理店筋はこう話す。

 もちろん、検索連動型広告に関して、「検索キーワード」が商標権の侵害に当たるとして係争となった事例は珍しくない。ただ、それは検索広告の仕組みを提供・表示するプラットフォーマー側が特定キーワードの商標を持つ事業者に提訴される場合がほとんどだ。海外のケースだが例えば4年前にはフランスの高級ブランドであるLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンがグーグルに対し、他の広告主に同社ブランドなどの商標キーワードを販売するのは商標法に違反するとして提訴していた。

 今回の生活と科学社の訴訟では、楽天およびヤフーをプラットフォーマー側として訴えているのではなく、広告主として訴えており、前出の代理店筋によると「リスティング広告での商標権侵害云々の場合は『互いの商標が含まれるキーワード広告は出さない』などほとんど事業者間での話し合いで解決することが多く、事業者同士で訴訟になったケースは私は"知らない"」とし、非常に珍しいケースと考えられる。

 とは言え、確かに自社の商標が他社に勝手に広告に利用されていたら、面白くないと考える通販事業者も多いだろう。そういった意味では、今回、生活と科学社が「強大な力を有する事業者によって、安易にかつ大規模に悪用される状態を放置すると、独自性を持った小規模事業者の発信力が不当にゆがめられる」「消費者の誤認・混同を狙い撃ちするような広告宣伝のあり方は、消費者の利益をも害する」として踏み切った提訴の行方は、通販事業者にとっても気になるところだ。

 では実際のところ、生活と科学社に勝算はあるのだろうか。これについて前出の広告代理店筋を含め、複数の業界関係者は口をそろえて「残念ながら難しいだろう」と評する。

 1つは前述した海外での検索連動型広告関連の裁判ではいずれも被告側が勝訴している。つまり、商標を検索キーワードとして販売しても、それ自体は商標権法に違反していないとの判断を示している。あくまで国内ではなく海外の事例ながら、これは1つの目安になりそうだ。 

 加えて、現状、日本国内の検索連動型広告の2大プラットフォーマーであるグーグルおよびヤフーの広告に関するガイドラインでは、今回のケース、つまり生活と科学社が商標権を持つ「石けん百科」「石けん百貨」「石鹸百科」の語句を含むキーワードを使って楽天やヤフーが広告出稿して「楽天市場」や「ヤフーショッピング」の石けん販売サイトに誘導する行為自体は"違反"に該当していない判断している可能性が高いということだ。

 ちなみにグーグルの現状の規定では、商標権を有する事業者などから事前に申請があった場合は、当該企業以外は検索連動型広告の広告文には当該キーワードを使用できないようにしているが、商標権申請があったキーワードでも購入自体は可能となっている。

 一方、ヤフーではガイドライン上に「商標権は『言葉』そのものをすべて排他的に支配できる権利ではない。単に自身の登録商標を他者が入札しているという行為だけで商標権侵害は成立しない」との記述があるように、広告とサイト内容が合致していれば、原則、商標権の有無に関わらず、キーワードも購入でき、広告文でも使用できるようになっている。両社はビジネスを展開するにあたって法的に考え抜いた上で規定を設定しているはずで、こうしたガイドラインに違反してないとすれば生活と科学社にとっては"逆風"と言えるのかもしれない。

 とは言え、裁判は始まったばかり。注目のリスティング広告訴訟の行方を注視してきたい。

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