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拡大するアウトレット品のEC、注目サイトの戦略は?

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ファッション商材のアウトレットEC市場が盛り上がっている。リアルの売り場ではアウトレットモールが飽和状態とも言われる中、ネット上の売り場に対しては、ブランド側も単なる在庫の処分だけではなく、実店舗ではリーチできない顧客の獲得なども期待しているようだ。最近では、ブランドが運営する自社通販サイト内にアウトレット品を扱うコーナーを開設する動きも出てきているが、品ぞろえの豊富さや会員数も含め、アウトレット品を扱う通販モールの成長率は高そうだ。今号では、特徴のある通販モールを運営する3社をとり上げ、各サイトの強みや成長戦略などを見ていく。
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マガシーク
品ぞろえで固定ファン獲得

マガシークは、アウトレット商材を専門に扱う通販サイト「アウトレットピーク」が好調に推移している。

 同サイトは主力のファッション通販サイト「マガシーク」がオープンしてから4年後に別サイトとしてスタート。10周年を迎えた老舗のアウトレットサイトとして固定ファンを獲得していることに加え、取り扱いブランド数400以上、展開商品は2万型、20万点以上という品ぞろえの豊富さが強みと言える。

 商品のテイストも百貨店ブランドやショッピングセンター、ファッションビルで展開するブランドまで幅広く、商品は定価の最大85%オフで販売する。

 今期(2015年3月)の「アウトレットピーク」の売上高は前年比30%増で推移しており、販促面ではメルマガが集客の伸びを支えている。とくに、3月からはメルマガ会員限定のセールを定期的に実施。サイト流入数が2月までの水準と比べて5~10倍に急増したという。

 同社では、「アウトレットサイトとしてのお得感は絶対に必要」(出戸和芳アウトレットピーク事業本部副事業本部長)とし、"自分だけ""今だけ"といったコンテンツが刺さりやすいようだ。

 サイト上でも、トップページ最上部の帯バナーに「速報!メルマガ限定セール」などと表示することで訪問者にメルマガ登録を促すほか、最近ではセール対象者をスマホアプリの利用者にも拡大。プッシュ通知機能を使うことで買い上げ率の高いスマホユーザーにより確実にセール情報を届けるほか、10代~20代前半の顧客獲得につなげる狙いもある。

 一方、ある半年間の調査では「アウトレットピーク」顧客の25%程度が「マガシーク」サイトを利用し、「マガシーク」顧客の約8%が「アウトレットピーク」でも買い物をするという結果となり、両サイトの行き来はあまり多くないことが分かった。ただ、「アウトレットピーク」の売り上げの約45%が「マガシーク」も利用する顧客の買い上げ額で、併用客の方が両サイトでの購入頻度が高いことも分かった。

 そのため、主力サイトとアウトレットサイトを行き来させる施策を強化する。とくに、メルマガは両サイトの顧客に分けて配信しているが、相互送客を目的に「マガシーク」のメルマガ会員にも「アウトレットピーク」の情報を配信したり、その逆のケースも増やしていく。

 アウトレットサイトの集客面では、取り扱いブランドのホームページからアウトレットECの売り場として「アウトレットピーク」を紹介してもらうことが流入増に寄与しており、同様の取り組みを強化したい考え。

 また、「アウトレットピーク」としてリアル展開にも取り組んでおり、昨年1月はラフォーレ原宿・新潟店、今年1月には大丸京都店に期間限定店を出店。テレビや新聞での露出が増えたこともあり、今後も前向きに検討する。

 同社によると、「今はまだ事業をスケールさせるステージ」(出戸副事業本部長)とし、品ぞろえについては多くの消費者が買いたいメジャーなブランド、マス向けのブランドやラグジュアリーブランドをラインアップに加えたい意向のほか、セレクトショップ系ブランドのアイテム拡充などを図る。

 足もとの課題は、セッション数の増加ペースが速く、コンテンツや品ぞろえの拡充が追い付いていない点で、こうした部分の強化に力を注ぐ。一環として、10~11月をメドにアパレル大手のワールドとアウトレット商材でも商品情報と在庫のデータ連携をスタート。ワールドが運営する「ワールドオンラインストア」のアウトレットコーナーで取り扱う商品を「アウトレットピーク」で販売できるようになり、アウトレット商材の商品数は一気に現状の倍になるという。

 売り場の拡充では、NTTドコモと連携した通販サイト「dファッション」で年内にもアウトレット商材の販売を始める予定で、プロパー(定価)商材と同様、アウトレット商品でも同じ在庫を2つのサイトで販売できるようになる。

 マガシークでは、今後も品ぞろえやコンテンツの拡充などを図ることで3年後(2017年3月期)には同サイトで50億円の売上高を目標に掲げる。

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ロコンド
30日の返品保証で差別化

靴とファッションの通販サイトを運営するロコンドは、今年4月23日にアウトレット商材を集めたサイト「ロコレット」を開設し、順調なスタートを切ったようだ。

 主力の「ロコンド」では"買ってから選ぶ"をコンセプトに送料無料・30日間返品無料、メールと電話で買い物の相談に乗るコンシェルジュサービスを展開し、不向きとされてきた靴のネット販売で成長している。
 
 新規オープンした「ロコレット」でも、"アウトレットをもっと自由に"をテーマに送料無料・30日間の返品保証期間(返品送料は一律750円)を設けることでアウトレット品を安心して購入できるようにした。

 同社は「ロコレット」開設前の2月に婦人靴メーカーが抱える2007年~08年商品でアウトレットのテストを実施。メルマガやサイト内で告知したところ1週間で3600足が売れ、顧客ニーズが確認できたことから事業化を決断した。

 新事業の出足は計画以上で推移。とくにオープン初日はメルマガ効果から会社全体の売り上げに占める「ロコレット」の割合が20%程度まで高まったという。同社のメルマガは通常、受信設定する顧客にのみ配信しているが、新サイトは返品時の送料が消費者負担となるため、全会員を対象にメルマガで「ロコレット」のオープンとサービスの一部改定を知らせた結果、休眠客の掘り起しにもつながって大きな成果を得たという。

 今夏に実施したリニューアルでは検索機能を強化。刷新前は取り扱いブランドのロゴから各ブランドの商品を一覧表示する程度だったが、細かい商品カテゴリーや価格帯からも検索できるようにした。

 また、開設当初の販売形態は誰でも購入できるオープン型に加え、会員を対象にしたシークレット型、短期間のフラッシュセール型などを展開。シークレットセールがあるために広告配信がほとんど打てない状況だったが、会員以外に商品を見せたくないという要望は少なかったため、サイト刷新に合わせて当該セールの手法は休止した。

 同時に「ロコンド」と「ロコレット」の売り場をヘッダー部分のクリックで切り替えられるようにし、両サイトの行き来が増えたことで「ロコレット」トップページのPVも上昇したという。

 一方で送料、返品送料ともに無料の「ロコンド」の返品率が約30%なのに対し、「ロコレット」は10%強を想定していたが、足元では20%程度で推移。これは、「ロコレット」のユーザーは主力サイトとの併用客が多く、返品送料を払ってでも"買ってから選ぶ"という買い方に慣れた顧客が多いことが影響していると見られる。

 今後は新客開拓と品ぞろえの充実を図る。新客開拓に向けてはディスプレー広告を中心に販促を強化。取り扱いブランド数は125まで拡大しているが、現状ではブランド数を大幅に増やすことよりも、ネームバリューの高いブランドの獲得を優先。人気のアパレルブランドや高級バッグブランドなどとの交渉を進めており、初年度(15年2月期)の売上高20億円というアグレッシブな目標の達成を目指す。

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waja
サンプル品の販売に強み

海外ファッションのネット販売を手がけるwaja(ワジャ)は、オープンから2周年を迎えた「リーズンアウトレット」が順調に成長しているという。

 アウトレット品は安さが魅力ではあるものの、大幅な値引きに不安を抱く消費者もいるため、商品ページに値下げの理由を示すアイコンを表示。「13年秋冬」や「サンプル」「B品」など安い"理由(リーズン)"が一目で分かるようにした。

 価格訴求一本やりのアウトレットと一線を画するとともに、事前に商品の詳細、状態を知らせることで問い合わせや返品を減らす狙いもある。

 同サイトの強みは展示品や試作品といったサンプル品も販売できる点だ。同社は通販サイト「waja」で培った1点物の撮影技術、フルフィル力を生かし、1点しかないサンプル品や人気商材ながらワンサイズだけ残った商品など、他社サイトでは最低ロット数に届かず扱えない商品も含めて"掘り出し物"が見つかるサイトだという。

 MD面では、品のあるインポートブランドと、コレクションに登場するような国内ブランドに絞って販売。現在の取り扱いブランド数は106ブランド、商品点数は約2万7000点で、事前に安い理由を伝えることで消費者は納得して購入しているようだ。

 「waja」のユーザーにはメルマガなどでアウトレット品の情報も配信しているため既存顧客の流入が多いが、新規客の獲得に向けてフェイスブック上でセグメントを絞って広告を掲載するなど、トライアルを繰り返しているという。

 商品点数が多く、柄も映えるワンピースの人気が高いほか、今年から靴を増やしており、「リーズンアウトレット」の売上高の約20%を占めるまでに成長している。

 ブランド別では今年6月に取り扱いを始めたスペインのブランド「デシグアル」が好調だ。当初、同サイト限定でサンプル品を販売したが、従来から「waja」サイトでも販売していたため、ブランド名での検索順位が高く流入が多かったのに加え、既存会員にもメルマガで告知したところ消化率は約80%と高かったという。現在は前シーズンの商品も扱っているが、「waja」でも同ブランドの売り上げは好調なことから、両サイトで顧客を食い合うことなく、相乗効果が出ている。

 「リーズンアウトレット」の売り上げは、前期(14年9月)が前年比2~2・5倍で推移。今期は同3倍の成長を目指しており、目標達成に向けて品ぞろえの充実や新規客の開拓を強化する。

 一環として、今期は商品カテゴリーを広げる考えで、主力のアパレルや靴、バッグなどに加え、サングラスなどのファッション小物やメンズ商材も強化する。また、通販サイトには会員限定のフラッシュセールを行う機能も備えていることから、露出を控えたいブランドの販売にも挑戦する。

 サイト構成やコンテンツ面では「テンションを上げて買い物ができるサイトにしたい」(谷古宇幹也リーズンアウトレットディレクター)とし、オシャレで高揚感のあるサイトを目指す。



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