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ケンコーコム 「楽天24」攻勢へ、上期苦戦も基盤を整備

 0111.jpgケンコーコム(KC)は、売れ筋の日用品に特化したEDLP(エブリデイロープライス)のネット販売「楽天24」事業の拡大策を積極化する。KCでは、健康関連商品や日用品のネット販売を行ってきたノウハウを活かせる新規事業として今年1月に親会社の楽天から同事業を承継。初年度売上高100億円の計画を打ち出していたが、上期(2014年1~6月)の実績は7億9900万円で当初計画と大きくかい離する結果となった。ただ、KCとしては、この上期を体制整備の時期と位置づけ収益基盤の整備に注力。売り上げが予想以上に伸び悩み計画を30億円に下方修正したが、収益性の改善が進んだとする。これを受け、7月に「楽天24」事業と「ケンコーコム」事業の物流システムを統合し拡大路線に入る体制を構築。今後、楽天グループと連携しながら商品やサービスの拡充を進め、巻き返しを図る構えだ
収益改善優先で"売り上げ自制"

012.jpg 「"売り"の部分では確かに想定外だった」。KCの髙原幸一郎楽天24事業本部長は、今上期の「楽天24」をこう振り返る。

 「楽天24」事業の売上高は第1四半期が3億2100万円、第2四半期が4億7800万円。初年度の売り上げ計画100億円には遠く及ばない。KCでも、楽天の知名度と自社が有する日用品ネット販売のノウハウ活用で、もっと攻めることができたと思っていたというのが本音のようだ。

 恐らく、先行投資として莫大な販促費を掛ければ、違う結果になっていただろう。しかし、すでに「楽天24」は、「大きな赤字を垂れ流しながら事業を拡大するということは許されない」(髙原本部長)のが実情だ。

 以前の「楽天24」は、「楽天市場」が得意とする"イベント売り"を展開。セールに合わせたポイント付与率のアップなどで集客し、売り上げを作るものだが、瞬間風速的に急増する受注の波動の予測が難しく、物流の現場が混乱。これが赤字を出し続ける要因になっていた。事業を承継したKCとしても同じ轍を踏むことはできないわけだ。

 KCが今年1月に楽天から承継して以降、「楽天24」は売れ筋の日用品に特化したEDLPの通販サイトというコンセプトを打ち出し、従来の"イベント売り"とは一線を画した展開を推進。いつ来訪しても買い得商品があり、便利で常にポイントを付与するといった展開で顧客が繰り返し利用する"毎日使いのサイト"を目指している。

 このスキームを確立するためには、「楽天24」事業自体で利益を出し、商品やサービスに還元することが必須となる。このため、上期は仕入れ調達の統合など収益性の改善に注力。売り上げが想定を大きく下回った点についても、「利益を出しながら売り上げを作っていかなければならず、上期はその体制を作るために自制をした面がある」(同)とする。

 ただ、取り組みの成果は出ているようで、「楽天24」の営業損益はまだ赤字の状態だが、KCが継承して以降、固定費が大幅に削減され損失幅が縮小するなど収益が改善。また、上期全体でみると売り上げの部分で苦戦を強いられた形だが、第2四半期は堅調に推移。消費税増税前の駆け込み需要があった3月に対し4月は落ち込んだが、5月は3月とほぼ同じ水準に戻すなど「売り上げのベースができつつある」(同)とする。

物流統合で拡大路線の基盤整う

 KCでは、「楽天24」今年1月から8月までを収益改善・統合フェーズと位置づけている。最優先課題の収益改善については上期でベースとなる取り組みを集中的に行い、ある程度の手応えも感じているようだが、次にポイントとなるのが、今後の事業展開の基盤となる物流周りのシステムと在庫の統合だ。

 従来は、「楽天24」が千葉県柏市の物流センター、KCが同市川市の物流センターを活用していたが、7月16日に「楽天24」の物流センターをKCの物流センターに集約。システムやオペレーションの統合などと併せ、物流業務の効率化を図るとともに、KCの売れ筋商品が扱えるようになったことを受け、「楽天24」の取扱商品数をそれまでの約1万5000点から約6万点にまで一気に広げている。

 「楽天24」では、12カテゴリーの商品を扱うが、今回の取扱商品拡充では、「まんべんなく増やす形にしたが、その中でも健康食品や化粧品は全体の商品構成比が増えている」(髙原事業本部長)。健康食品は、もともとKCが得意とする商材だが、「楽天24」の品ぞろえとして拡充できたことによる購買意欲の喚起を期待しているようだ。

 一方、新たに商品を追加して以降、販売動向に変化が見られ、購入点数が増加するとともに追加商品の売り上げ構成比が上昇。実際、「夏場の売れ筋はやはり水だが、水の売り上げ構成比は以前よりも落ちている。その分、追加した商品が売れている」(同)とする。また、全体の売り上げも拡大しており、例年、お盆の関係で前月比の売り上げが落ち込む8月も、今年は季節要因に関係なく伸長している状況だ。

 顧客が繰り返し利用する"毎日使いのサイト"を考えた場合、価格と同時に買回りの良さを担保する品ぞろえの充実は必須条件。その意味で今回の物流センター統合と、それに伴う取扱商品数の拡充は、今後、「楽天24」が攻めに転じるための基盤となるものだ。

売場の使い勝手向上で購買促進

 次にKCが取り組んだのは8月20日に実施したサイトのリニューアル。「楽天24」がイベント売りのサイトから"毎日使いのサイト"へとコンセプトを変えたことを受けた売場の見直しになる。

 今回のリニューアルは、従来の「楽天24」サイトで課題だった情報の詰め込み過ぎによる操作性や情報の視認性の改善、"毎日使いのサイト"としての使いやすさ分かりやすさを追求した。

 まず、操作性の部分では、従来、トップページの上部と左側に設けていた商品カテゴリーを示すナビゲーションのタブを画面左側の1カ所に集約することで使い勝手を向上。情報の見せ方についても、画面の最上部に特集情報を置き、その下に買い得品情報、売れ筋ランキングを配置する形に変更し、ランキングについては、従来の総合部門に加え、各カテゴリーのランキングもトップページから見られるようにするなど、顧客が興味を持つカテゴリーの売れ筋商品を見つけやすくするための工夫も盛り込んだ。

 また、基調となるカラーをオレンジに変更するなど、ターゲットとなる30~40代女性を意識したデザインに変更するほか、顧客ごとに商品の配達日や商品の購入で付与されるポイント、楽天会員ランクなど顧客ごとにことなる情報をトップページから照会できるよう工夫。「楽天24」では、「楽天スーパーポイント」を商品購入のフックと位置づけ、上位ランクの楽天会員にポイントを割り増して付与する形にしており、トップページでポイント付与に関連した情報を見られるようにすることで、商品購入を後押しする狙いだ。

売上げ拡大に向け商品・サービス強化

 ケンコーコム事業との物流の統合およびサイトのリニューアルの完了を受け、「楽天24」は9月から売り上げ拡大フェーズに入る。

 今後の展開で、KCがまず重視しているのは7月に追加した約4万点の商品稼働率を上げること。これまでの展開では、取扱商品の拡充に伴い購入点数および購入単価がアップする傾向が出ているが、追加商品の実績を作ることで売り上げの基盤をより強固なものとし、着実に利益が出るようにする。

 さらにプラスオンの売り上げを作るには、取扱商品数を広げていくことになるが、新たなカテゴリーとしてKCが取り扱いを検討しているのが一般用医薬品。今年6月の改正薬事法施行以降、日用品を扱う他の通販サイトでも取り扱いを始めていることもあり、「楽天24」でも年内中に販売を始めたい考えだ。

 さらに、酒類についても、アマゾンやロハコがすでに販売しているビールなどの国産NB商品の年内取り扱い開始に向け、新たに酒類の小売販売免許の取得を検討。関連販売が期待できるマグネット商材の酒類を強化し、売り上げの拡大につなげる構えだ。

 また、サービス面の強化も進める。商品配送の部分では「楽天24」で扱う商品のほとんどが翌日配送の「あす楽」に対応しておりベースとなる配送スピードは確保されているが、アマゾンやロハコが展開している当日配送にも対応し、同水準のサービスを提供することを構想。競合との差別化策となる商品受け取りのオプションとして、楽天が展開する「楽天ボックス」の活用も計画しており、年内には同サービスを導入したいとする。

顧客誘導が楽天との一番のシナジー

 一方、「楽天24」の売り上げを拡大させる上で楽天グループとの連携も重要なファクターになるが、この部分では「楽天市場」のトップページに貼付されたバナーなどからの誘導が「一番のシナジーになる」(髙原本部長)とする。

 従来は「楽天スーパーセール」など楽天側の施策に合わせ全商品ポイント10倍付与といった施策で売り上げを作っていたが、セールの展開でも「楽天市場」で盛り上がり、そこから自然に「楽天24」に入ってきた顧客をベースに売り上げを作る方向性にシフト。「『楽天スーパーセール』のような大きなイベントを『楽天24』を知ってもらうきっかけの場とし、また来てもらえるような流れを作りたい」(同)考え。再来訪の促進では、毎日の買物で常に付与される「楽天スーパーポイント」が大きな強みになると見る。

 事業基盤の整備を終え、攻めに転じた「楽天24」。まず、初年度売上高30億円の計画を達成し、当面の目標となる売上高100億円を目指す構えだが、「月商8億円になれば年間で大体100億の計算。毎月の売り上げのベースができれば達成できる」(同)と今後の展開に自信を見せる。

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