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【テレマーケティング売上高調査】 30社合計で8132億円、通販系は増収に

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 テレマーケティング事業を手がける各社の2013年度の売上高が出そろった。上位30社の合計売上高は8132億6900万円。1年前の前回調査と比べると7・3%規模を拡大している。1000億円を上回った上位3社の合計売上高は3939億1800万円で、30社合計の48%を占める。およそ半分を占めている上位3社の売り上げの伸びなどが全体の数値を押し上げた。通販系の案件に強いテレマーケティング事業者の売上高は、各社とも好調に推移しているようだ。

 2013年度の30社の合計売上高は、前年の調査から7・3%増加して8132億6900万円だった。

 30社の中で2桁増収は、2位のNTTマーケティングアクト、9位の日立システムズ、13位のキューアンドエー(ディー・キュービック)、15位の日本トータルテレマーケティング、20位のカスタマーリレーションテレマーケティングの5社となっている。

 NTTマーケティングアクトは、親会社のNTT西日本の組織見直しに伴ってグループの業務が移管された関係で業務領域を拡大し、大幅な増収になった。前回の4位からベルシステム24ともしもしホットラインを抜いて2位にランクインした。

 今回から新たにランクインした日立システムズはIT、公共、金融などグループ外の案件を強化しており、売り上げのおよそ半分をグループ外の業務が占めている。

 ICT関連のコールセンターを手がけるキューアンドエーは前期、通販系のテレマ事業者であるディー・キュービック(旧第一アドシステム)や人材派遣会社などを子会社化した影響でグループ売上高を大幅に押し上げている。

 カスタマーリレーションテレマーケティングはアウトバウンド業務の生産性向上やインバウンド業務の拡大などで売り上げを伸ばした。


通販系は増収で推移

 通販系を主力とするテレマ事業者の売り上げは、各社とも増収で推移している。

 13位のQ&Aグループのディー・キュービックは、単体での売上高は非公表だが、データ分析によるセールスプロモーションを行う事業をQ&Aから統合。製薬系の通販案件を新規に受託し売り上げに寄与したことや、多言語対応のコール業務も好調で単体でも増収を確保している。

 15位の日本トータルテレマーケティングは、全体の売り上げのうち8割を占める通販系案件で、インバウンドとフルフィルメント業務を拡大して増収になった。昨年には千葉県市川市に開設されたアパレルに特化した大型物流センター内に、コンタクトセンターを併設した通販・EC事業者向けの物流拠点を立ち上げている。

 18位のツーウェイシステムは既存業務の拡大などで増収。今期からの3カ年計画では売上高を80億円にまで伸ばす方針。現状、通販関連の案件は全体の売上高のうち70~75%のシェアを占めているが、80億円になった時点で通販と通販以外でそれぞれ5割の比率にし、全体的な成長を目指す。同社は今期に入って5月に東京のセンターを移転、従来の2・5倍の規模に拡張している。

 21位のテレコメディアは通販系案件が約8割のシェアを占めているとみられるが、前期は新規案件が増加したほか、主要な既存顧客も順調に拡大したことにより5・1%の増収となった。今期は売上高で50億円を目標に掲げている。

 23位のベルウェールは通販系案件で既存顧客の業務が拡大したことに加え、新規に大手クライアントの案件も受託し増収に寄与。今期は、すでに受託しているコールセンター業務の新規案件に対する体制整備を急ぐ方針で、新たな拠点展開も計画している。

 30位のダーウィンズは、新規案件の開始などにより6・7%の増収。同社は200社近くの通販系案件を手がけるなどアウトバウンドを主力とするが、トライアル注文時の引き上げなどインバウンドによるアップセルも強化しており、実績を出している。同社は今期、20億円の売上高を目標にしている。

 なお、31位は14億5000万円でテレネット。ランクから外れたものの、前期比14・5%増と2桁増収で好調に推移している。前期は通販系の新規顧客を獲得したほか、既存顧客の案件も順調に拡大した。福岡にコールセンターを開設し通販系の案件に着手。また、フィリピンのセブ島でもセンターを稼働した。


上位に2桁減収の企業も

 上位ではトランスコスモスが首位を維持。国内を対象にしたデジタルマーケティング(DM)事業が2桁増収で推移し、テレマ売上高をけん引した。

 NTTマーケティングアクトが2位となったことで、ベルシステム24ホールディングスは順位を下げて3位。同社は今年3月にベルシステム24を分割会社とする持株会社制に移行。「ベルシステム24ホールディングス」に商号変更し、新たに「ベルシステム24」を設立し、コールセンター運営やCRM関連業務などを承継させている。

 前回から順位を1つ下げた4位のもしもしホットラインは、官公庁向け大型バックオフィス業務や企業向け大型スポット業務の終了などの影響で大幅な減収となっている。

 5位のKDDIエボルバは2期連続の2桁減収と苦戦。

 6位のNTTソルコは銀行や保険分野で既存取引先の業務が拡大、新規案件も獲得し増収となった。今期は親会社のNTT東日本が業務運営体制を見直し、電話関連やインターネット接続の窓口を担う会社として新会社を設立、NTTソルコの一部業務も新会社に移行する。

 7位のTMJは前期、コールセンター業務でもっともシェアが大きい金融系で既存顧客の業務が増えたほか、新規顧客も獲得。通販系の案件では新たに数社と取引を開始し、既存顧客も業容拡大による増席などで業務が拡大した。

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通販系テレマの特徴と強化策は?】

顧客の要望に二極化も

 コールセンターは顧客と直接会話をするため、普段対面で顧客と接する機会が少ない通販企業にとっては、大事な場所である。そこで得られるVOC(顧客の声)は商品展開や販売戦略を練る上でも重要になってくる。テレマーケティングの現場では今、通販企業からどのような要望が寄せられているのか。テレマ各社へアンケートを実施し、昨今の特徴や強化ポイントなどについて尋ねた。


 まずは"通販系クライアントからの要望"の特徴について各社の回答を紹介する。

 通販系のテレマ事業者では「顧客の声やCRMデータの分析とアップセル活動への活用を強く求めてくるクライアントが増えている。一方、効率化とコスト圧縮への要求を強めるクライアントも多く、エージェンシーへの期待領域が二極化している」(ディー・キュービック)と二極化を指摘。あるいは「クライアント側が"受電"だけでなく"受注"を重視するようになってきている。加えて定期への引き上げを要望する動きがある」(ベルウェール)といった声や、「従来は、広告出稿、インバウンド、アウトバウンドを単独で依頼されることが多かったが、現在は、広告媒体のプランニング、クリエイティブ、インバウンドにおけるアップ・クロスセル設計、その後のフォローコール設計まで、トータル提案が求められている」(ダーウィンズ)と業務全般にわたっての提案力も求められているという。

 大手の事業者からは「これまで主流であった受注業務代行部分の単価削減といった点だけではなく、事業全体のコスト削減や顧客動向分析を含めたマーケティング活動部分に対する需要が非常に多くなってきている」(トランスコスモス)という回答や、「(通販企業側は)すでに電話や物流、ECといった基本機能は持ち合わせているが、さらにローコストで売り上げを伸ばす工夫、例えば効率よくウェブに誘導する仕組みなどを求められるケースが増えている」(もしもしホットライン)という具合に、通販企業が業務を広くアウトソーシングすることでコスト削減につなげようという動きがあるようだ。

 そのほかには「閑散期間・時間でのアウトバウンドを組み合わせるなど『攻めの通販』を意識している企業が増えている。WEB通販との連動型も多く、ECシステムのステータス管理などバックヤードも含めたアウトソーシングの相談が増えている」(NTTソルコ)というものや、「既存顧客の維持に各社注力する傾向。LTV観点でのマーケティング戦略に有効なカスタマーサポートのあり方の再検討や顧客の声等の各種分析を強化する動きが見られる」(TMJ)という回答もあった。

 そして「コールセンターに関するニーズのベース部分においては、新規顧客獲得やリピート率向上などある程度普遍的な部分での大きな変化までは感じていない」(社名非公表)などの回答も寄せられた。


 通販系案件を巡るこうした要望に対して、テレマ各社ではどういった強化策を講じているのだろうか。

 まず通販系のテレマ事業者の回答結果を見ていくと、「顧客データ分析サービスの機能を強化した。通常の顧客セグメンテーション分析に加え、多変量解析を用いた分析レポートやマーケティングリサーチサービスも提供可能となった」(ディー・キュービック)と分析力を強化しているケースや、「スタッフ教育において、アップセルからクロスセル、カウンセリング販売までのセールススキル強化、およびインバウンドとアウトバウンドのマルチスキル化強化」(テレコメディア)とスキルの強化を打ち出す事業者もある。

 あるいは「お客様本位の高い品質によって顧客満足度を上げていく」(ベルウェール)という品質重視や、「インバウンド、アウトバウンドにおける販売施策設計による収益インパクトは非常に大きいため、これまでの事例をもとに、販売施策設計から提案することを強化」(ダーウィンズ)という回答もあった。

 大手事業者は「ECサイト構築・運用からフルフィルメント(入荷・ピッキング・梱包・出荷)、カスタマーケア、Webプロモーション、分析までEC事業に必要な機能をワンストップで提供」(トランスコスモス)、「トータルでアウトソーシングしたいというニーズに応えるべく、ECトータルソリューションサービスの提供開始など、総合的に支援できるサービスを強化」(もしもしホットライン)と、EC運営をワンストップで請け負うサービスを強化する動きがみられる。

 そして「業務量の繁閑差にあわせた運用体制をより強化するために複数センターを即座に組み合わせて最繁忙時の受注ロスを軽減」(NTTソルコ)といった取り組みや、「センター/オンサイト、専任メンバー/マルチ対応、オフショア/ニアショアなど多様な選択肢を用意」(TMJ)など各社は様々な領域に注力しているようだ。


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