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楽天「二重価格問題」でアンケート、セミナーで不当表示指南か、「二重価格提案」53店に疑い

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通販新聞では5月、楽天の仮想モール「楽天市場」に現在出店、または過去に出店していた企業を対象に、「楽天のECコンサルタントから不当表示の提案があったか」について、匿名のアンケートを実施した。その結果、53店舗に対して、楽天のECコンサルタントが不当表示を提案していた疑いがあることが分かった。記名を前提として楽天が4月に実施した、同様の調査よりも「提案を受けた」店舗数が多く、さらには同社調査に協力しなかった店舗からの回答も目立つ結果となった。

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テクニックとして推奨?

楽天では4月、同社ECコンサルタントが、不当な二重価格を設定するように楽天市場出店者に指示していたと一部報道機関が伝えた問題で、出店者を対象に調査を実施。「不当表示を提案したコンサルは18名で、当該社員が提案を行った店舗は合計28店舗」との結果を公表した。ただ、店舗からは「記名を前提としたアンケートでは答えにくい」といった声があり、本紙では匿名を条件とした同様の調査を実施。質問項目は楽天が実施したものに準じた。

 楽天のECコンサルタントから不当表示を提案されたとする回答の中には、こうした提案が日常的に、あるいは組織的に行われていたことを示唆するものがあった。

 目立ったのは「売り上げの大きい店舗で同様の手法を使っている」と説明したものだ。「成功店舗の施策として『上代のない商材について、二重価格を設定すれば割安感から転換率(上昇)につながる』と教えられた」「売り上げを上げるための方策の一つとして、他の上位店舗がやっていることに二重価格表示がある。元の価格として表示されているものは、必ずしも本来の価格ではない(とコンサルから説明された)」が挙げられる。

 楽天の営業所が開催した無料セミナーで不当表示が推奨されていたという回答もあった。「サプリメントを定価3000円程度に設定し、常時キャンペーン価格の1000円で販売しているショップがある」というもので、「良く売れており、まねて販売するように教えられた」。これが事実であれば、楽天が売り上げを増やすための「テクニック」として不当表示を推奨していたわけで、コンサルによる不当表示提案が組織的に行われていた疑いも強くなる。

 コンサルの景品表示法に対する理解が足りていないとみられる回答もあった。「『実売100円の商品を通常販売価格150円という表記にしないか』と提案を受けた。(略)『大丈夫か』と聞いたところ、『ネット販売ではグレーゾーンで明確な取り決めがないので問題ない』との回答があった」というものだ。もちろん、実際に販売したことのない価格を「通常販売価格」と表記するのは景表法違反。「ネット販売では明確な取り決めがない」と説明をしたのが事実なら、楽天のコンサルに対する教育体制に問題があった可能性もある。

 セール実施にあわせて不当表示の提案を受けたというケースは非常に多かった。「ポイントセールや、送料無料(キャンペーン)に参加してほしいと言われ、『利益が無くなるから』と断ると、『元値を上げれば良い』と言われた」「セールに参加しない主義だと伝えたが、価格は下げなくて良い、元値を上げれば良いからと勧誘された」などというものだ。「半額商品の掲載数にノルマがあると言われた」という回答もあり、ノルマを達成するために、元値釣り上げを提案したコンサルもいたとみられる。

 コンサルから具体的な不当表示の手法を提案されたケースもあった。「(セールの際に)50%オフと77%オフにエントリーをしてくれと言われたが、『(条件にかなう)商品は無い』と返答した。すると、今ある商品をコピーページにして上代を上げて登録して欲しいとのこと。(略)どのショップもやっているテクニックだとなかば強要された」「(セールの際に)半額では販売できないと断ったところ、『通常販売しているページのコピーを作り、定価を上げて広告審査を受けて』と具体的な指示を受けた」という回答がそれだ。高い値引き率で販売できる商品が少ないことを承知の上で、「体裁」をつくろうためにこうした「テクニック」を店舗に教えていたようだ。

提案社員は16名

 提案手法(複数回答可)は「電話」が45件、「メール」が3件、「対面」が8件。「その他」は1件で、「無料セミナーでの提案」だった。

 「提案した社員」は記名があったのは16名(名字が同じ回答が2名分あったが、名前が書いていないため同じ人物かどうかは不明)。他の回答は無記名や「実名は避けたい」などというものだった。記名のない回答が多かったが、明記された回答では社員名の重複がみられなかったことから、楽天の調査結果より多くのコンサルが店舗に不当表示を提案していた可能性がある。

 なお、不当表示を提案された店舗が楽天調査より多かった点や、提案された店舗が同社調査に応じていなかった可能性がある点などについて楽天に問い合わせたが、期限までに回答はなかった。

アンケート調査概要
 本紙が独自に収集したリストから2012年2月時点で楽天市場に出店していた約3万6000店を対象に、匿名を条件とした調査を5月中旬に実施。メールを送信し回答フォームに誘導、272店から有効回答を得た。自由に記述できる設問の回答については、原文を尊重したが、読みやすくするために言葉使いの変更や省略、語句を補うなど若干修正した箇所がある。


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楽天実施調査への回答、「協力しなかった」が83%

「不当表示の提案があった」という店舗に対し、4月に楽天が実施したアンケートに回答したかどうか聞いたところ、83%が「協力していない」と答えた。

 その理由について、「記名調査なので、回答することによる不利益を恐れた」というものが目立った。「記名アンケートでは事実でも楽天に不利な発言をすると、退店措置ほか、不利益になることが起きる可能性があると感じた」「楽天に答えると報復があるかもしれないから」「楽天との間に溝ができるとやりにくいと思った」「回答することで、楽天内で弊社がどう扱われるのか不安に思った」「楽天から今後どんな嫌がらせをされるか分からない」という回答だ。

 中には「(楽天子会社が提供する電子書籍リーダー)Koboのレビューが削除された際、それを報じていた記事にフェイスブック上でいいね!を押したところ、当時のコンサルから『上に見られたら何をされるかわからないから、いいね!を取り下げろ』と言われた過去もあり、怖くて答えられなかった」という回答もあった。

 「楽天全体の責任だと思い、提案をした楽天社員をあぶり出すことに意味はないと思った」「『一部の社員の問題である』とするだろうと察したので協力しなかった。問題は一部社員の行動ではなく、会社ぐるみ、組織ぐるみの問題」「末端社員だけに責任を取らせる可能性があると思った」「楽天のアンケートは対外的なアリバイ作りで、責任逃れ。組織的に行われていたと考えるのが妥当。アリバイ作りには協力はできない」など、「楽天という会社に問題があるのに、一部の社員に責任を押し付ける(かのように思える)調査には協力したくない」という内容も目立った。

 似たような回答として、楽天の企業としての姿勢という点では、「楽天の記者会見にあきれたため」「店舗に全責任を押し付ける報道や、会見を見て消化できない思いがあった」という声もみられた。
 また、「すでに退店していたので調査依頼がなかった」という趣旨の回答も8社からあった。
 6月1日に行われた、出版社主催のトークショーに出演した、楽天の三木谷浩史社長は「インターネットが既得権益をグローバルで崩していくという流れが起きている」などと話した。

 同氏は一般用医薬品のネット販売問題を筆頭に、規制緩和に取り組んでいる。それ自体は評価されるべきものだが、本業のネットビジネスで社員のモラルが問われているようでは本末転倒であり、こうした主張にも説得力が出てこないのではないか。組織としての関与はなかったのか、いま一度足元を見直すべきだろう。

編集部より:通販新聞では「二重価格問題」など、楽天のECコンサル関連で取材させていただける方を募集しています。取材源の秘匿は厳守いたします。連絡先は楽天特別取材班 電話:03-3815-7635、メール:info@nethanbai.jp です。

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