Home > 特集企画 > "女性の力"活かせ、商品開発や訴求力アップで

"女性の力"活かせ、商品開発や訴求力アップで

1-1.jpg
「女性の力」を活用して消費意欲がおう盛な女性のさらなる取り込みや、新たな形の商品開発や訴求方法などを模索する通販実施企業が目立ってきた。注目すべき各社の現状を見ていく。


6つの女性像ごとに商品提案

 アマゾンジャパンは4月1日から、運営する通販サイト「アマゾン」内に女性向けに特化した特集コーナー「Amazon Woman」を新設した。この新ストアではアマゾンで販売するファッション関連商品やコスメ、サプリメント、食品・飲料、生活家電など女性の需要が高いであろう商品約6000点を掲載している。

 最大の特徴はペルソナ(女性像)ごとの商品提案だ。立場によってし好が大きく異なる女性のニーズに対応するため、仕事と子育てを両立する「ワーキングママ」や子育てや家事に忙しい「専業ママ」、趣味の世界の充実に忙しい「サブカル・文化系」「恋・婚活ガール」など6つの「ペルソナ」を設定して、それぞれの個性やライフスタイルに合致する商品を選び、提案する試みだ。加えて、日替わりで行うセール「本日の注目商品」やバイヤーおすすめのトレンド商品の提案などを行い、女性の購買を喚起している。

 商品訴求方法やコンセプトが顧客から受け入れられたことで開設から1カ月が経過した現在の状況は「非常に順調」(同社)と胸を張る。その理由の1つは「Amazon Woman」のコンセプトとそれを企画し、形としたプロジェクトチームの存在が大きいようだ。

 通常、アマゾンで「ストア」を立ち上げる際は、1人の担当者が中心となり、ストア全体を管轄する。掲載商品については各ジャンルのバイヤーから当該ストアに合致する商品のエントリーを受け付け、当該ストアに商品を掲載していく流れだ。これに対して、「Amazon Woman」の場合は、同社のウェブプロデューサーやファッションやコスメ、キッチン器具、家電などを扱う各部門をまたいで選出された女性社員10人をコアメンバーとしたプロジェクトチーム「Amazon Womanプロジェクト」を発足させ、同チームによるサイトの新設というイレギュラーな形をとった。より効果的に女性にアプローチするためだ。

 社員からの立候補や指名などで「ライフスタイルも異なり、20代から40代で独身の人も、4人の子供を育てる母親などなど多種多様な背景を持つ女性メンバーが集まった。1つのストア立ち上げにこれだけ潤沢な人材が集まったのはなかなかないこと」と同プロジェクトチームに参画するメンバーの一人であるファッション事業部の秋山都エディトリアルディレクターはいう。

 チーム発足後は日常業務をこなしつつ、毎週、各メンバーで集まり、効果的なストアの方向性を模索する会議が開かれた。「Amazon Woman」の大きな特徴の1つである「ペルソナ別の商品提案」もここから生まれたものだ。さらにペルソナ像の具体的な設定や、各メンバーが各ペルソナの担当となってどのペルソナにどう商品を振っていくのかといった詳細の設定、ストアおよびモバイルサイトのデザインなどについて、各メンバーがそれぞれの立場の視点から、ひとつひとつ話し合い、時間をかけて決めていったという。

 「一番、時間がかかったのは"ペルソナの設定"と"商品選定"」(秋山氏)だという。ペルソナは多くの候補から議論を重ねて絞り込んでいき、最終的に6つにした。「ペルソナごとの商品提案」はそれぞれでまったく紹介する商品が異なるからユニークであり、効果を発揮することから、ペルソナ決定後も、その効果をより高めるために各ペルソナのプロフィール設定に時間を要したようだ。

 その上で各ペルソナに合致した商品選定にも時間がかかったよう。アマゾンで扱う膨大な商品から「これはどのペルソナにあてはまるか」をメンバーで検証。場合によっては複数のペルソナにあてはまる商品もあり、各ペルソナ担当者間でたびたび議論が交わされた。例えばあるハンディタイプのヘアアイロンを巡って「これは『恋・婚活』だよね」「いや、『ワーキングママ』でしょ」とほぼ全ペルソナが獲得に名乗りを上げ、結局は「ハンディタイプのヘアアイロンは家に置くものではなく、会社に持っていき、仕事終わりの"合コン"の前にセットに使うもの。色もピンクだったため、最終的には私が担当する『恋・婚活ガール』の扱いになった」と秋山氏は笑う。このように1つ1つ議論を重ねながら商品を各ペルソナに落とし込んで行ったという。

 チーム内での議論を重ね立ち上げた「Amazon Woman」。苦労したかいもあり、立ち上げ後は好調な滑り出しを見せているようだ。「自分とは違うペルソナでも"人の買い物を垣間見れるようで面白い"との声も頂いている。別のペルソナを見て、『友だちへのギフト』に使われたり、例えば、専業主婦の方が『専業ママ』のペルソナを見るだけでなく、『セレブ志向』で紹介するアロマグッズやワインなど自分の時間を豊かにする商品などを知って頂き、新しい発見をしてそこから別の購買行動につながったりしているようでうれしい」(同)と話す。日替わりのセールコーナーも好評のよう。「4月中旬に"名前をシールできる商品"をセール品に持ってきた。子供がいないメンバーは『何これ』という反応だったが、子供がいるメンバーは『入学時期にはこれがすごく必要なものだ』と主張して実際に販売すると大きな反響があった。様々なライフスタイルのメンバーがそろったチームならではの商品設定と言え、改めてチームのメリットを感じた」(同)という。今後は顧客の反応を分析しながら「ペルソナ」の見直しや商品選定方法、PR方法などより女性にとってより買い物しやすいストアにブラッシュアップしてきたい考えだ。

商品の利用を「楽しい」体験に

1-2.jpg
 らでぃっしゅぼーやでも女性社員による商品開発を進めている。昨年10月から、女性による商品開発チーム「女子Rabo(ラボ)」を始動。実際に商品を使う顧客の目線に立った商品開発を行い、購入者にとって商品の利用が便利で楽しい体験となることを目指している。第1弾はお弁当商品3商品を開発し4月14日から販売を開始している。立ちあがりは順調に推移しており、目標をほぼ達成したようだ。

 「女子ラボ」のメンバーは10人で、様々な部署からメンバーを選抜。子どもを持つファミリーや2人暮らし夫婦、1人暮らしなど、さまざまなライフステージの女性を中心にメンバーを構成した。いろいろなタイプのメンバーが様々な立場で検討することで、より深い議論が行えるようになるという。「意見出しの中でチームの親近感が高まり積極的に参加できる。メンバーを入れ替え、女性社員全員がプロジェクトを体験できればいい」(同社)という。

 商品開発では、ニーズの掘り起しを行うために徹底して意見を出しあうことに注力する。例えば、弁当商品の開発では、2~3週間に渡ってメンバー全員で自らの弁当の写真を撮影。実際に弁当を作ることで、ユーザーの立場から不満や苦労を体験すると同時に、既存商品の課題を洗い出す狙いがある。「なかなか聞けない細かな要望を整理して具現化した」(同)という。

 そうして開発したのが冷凍総菜「3種の味・色がうれしい もちもちじゃが丸」と「同お弁当パスタ」など3商品となる。日々の弁当作りで悩む隙間や彩りの苦労を解決する商品として提案する。

 一方で、試作品を実際に使って気が付いた課題を解消。例えば、小分けのカップに入った惣菜は食後のカップに水分が残っていたことや、高さのあるカップは内容量が少なく見える課題を改良。また、弁当用冷凍食品は1個ずつ解凍して使用する使い方に合わせ、包装資材に1個ずつの解凍時間を記載したほか、使いかけの惣菜を保存しやすい包装に刷新した。
 「女子ラボ」が手掛けた商品は通販サイトやカタログなどでマークを付与して訴求する。商品説明も見直し、「ユーザーが気になることを、カタログに書いてあることに気付いてもらうようにしている」(同)とした。

 4月から第2弾商品の開発にも着手。調味料の開発を検討しており、冷蔵庫の写真を撮影して実際の利用状況やニーズ、課題の検討をスタートさせた。今秋をメドに新商品を発売するほか、既存商品の品ぞろえなどの見直しを図っていく考え。

女性支援の理念社外にアピール

 西友では4月24日から、女性が活躍する企業からの商品調達を開始した。ウォルマートグループでは2016年末までに、女性が活躍する企業からの商品調達を倍増することを目指しておりその一環とするもの。従来から社内ではパート社員のキャリア支援や女性従業員の研修を積極化してきた。今回、女性が活躍する企業からの商品調達を積極化することで女性の活躍を支援する取り組みを社外に広げて、企業姿勢のアピールにつなげたい考え。

 商品は昨年8月に、女性が株式の51%を保有し経営メンバーに女性が含まれる企業を対象に公募した。応募があった30商品の中から価格や機能性、アイデア、ストーリー性で20商品に絞り込んだ。本部オフィスで子育て中の女性グループによる審査を経て、6商品を選定。その後、商品開発者と面談し、供給能力や安全性を評価して3商品を取り扱うことにした。

 販売したのはトレーニングシューズ「よちよちベビーウォーク」(エド・インター)で、生体力学に基づく安心設計や洗濯可能な機能性を評価した。また、産前・産後に飲めるハーブティ「Mama Herb」(マタニティー・トータルバランス)は、本格的な味で、三角ティーバッグで簡単に淹れられる点が忙しいママに配慮されているとした。抱っこ紐を持ち運びできる「ベビー キャリアー カバー クルミ」(EVUQ)はこれまでにないアイデア商品で、細部のこだわりが公募の趣旨に合致していると評価した。 

 西友ではこれまで、去勢のキャリア支援を積極化してきた。昨年、パート社員から正社員マネージャーに昇格した16人中5人が女性社員で、06年以降146人が昇格している。また、女性管理職が参加しダイバーシティを推進する組織「女性リーダーカウンシル」を展開。経営トップへの提言や女性社員にとってのロールモデルを構築している。女性が活躍する企業の商品調達を増やすことで、「女性支援の取り組みを社外に広げ、企業の販売機会拡大を支援したい」(西友)とした。

 5月20日から、2回目の商品公募をスタート。働く女性を応援する商品を対象とし、「時短アイデア商品」や「プチ贅沢商品」など4テーマで募集する。審査に通過した商品は10月に、西友の通販サイトなどで販売する予定。

女性が考案する"モテ服"コーデ

1-3.jpg
 男性向け衣料品を扱う通販サイト「メンズファッション+(プラス)」を手がけるホットココアは女性による新しい形の商品訴求を実施している。同サイトは「無難カッコいい!」をテーマに、20代半ばの男性向けに"モテ服"を提案。サイトの目玉は全身コーディネートの提案による「マネキン買いセット」だが、そのコーデはすべて女性が考案している。

 同社の永上裕之社長によると「男性が恰好いいと思う服と女性が恰好いいと思う服は違う」と話す。通販サイトでは、ファッションを自己主張や表現の手段としてではなく、"彼女を作る"ためのコミュニケーションツールであればいいという方針。そのため、女性の専門スタッフたちが"モテる"ための服装を女性目線で提案する。男性は社長も含め一切口出しをしない。

 商品画像では、デートのイメージで男性と並んで女性がいる場合もあるが、その撮影時にモデルとして起用したグラビアアイドルなどに、お薦めの着こなしを選んでもらうこともある。こうした打ち出し方について永上社長は、「今はコンテンツが多すぎるので、見つけるよりも取捨選択しようという時代」と説明する。アパレルであれば膨大な量の服がネット上にあるため「むしろいらないものを除外していく作業のほうが優先される」(永上社長)。

 そうした取捨選択の必要性の中で女性目線によるコーデに着目。「モノがあふれすぎている中で、単品を組み合わせることでユーザーを悩ませない」(同)というわけだ。全身コーデの「マネキン買い」の種類は1400以上にのぼっており、サイト全体の売り上げのおよそ3割を占めている。

Trackbacks:0

TrackBack URL for this entry
http://www.tsuhanshinbun.com/mtos-admin/mt-tb.cgi/2529
Listed below are links to weblogs that reference
"女性の力"活かせ、商品開発や訴求力アップで from 通販新聞

Home > 特集企画 > "女性の力"活かせ、商品開発や訴求力アップで

Amazon出品サービス
Search
Feeds

△ ページtopへ