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【健食表示の新制度】 日米団体が共同会見、「特保」ベースの設計に懸念表明

 健康食品の販売に関係する日米両国の業界団体と在日米国商工会議所(ACCJ)は4月26日、消費者庁で検討される健食の新たな表示制度に絡み、トクホをベースとした制度設計への懸念を表明する共同記者会見を行った。各団体の見解が一致するのは、消費者庁が新制度の対象範囲をトクホと同様、「関与成分が明らかなもの」に限定していることについて。健食の複合的な作用が認められないなど、米制度よりその対象が大幅に狭くなる可能性があることへの主張が相次いだ。

 会見には、消費者庁の検討会委員である日本通信販売協会の宮島和美理事、健康食品産業協議会の関口洋一会長のほか、ACCJの天ケ瀬晴信サプリメント委員会委員長(AIFN副理事長)、米国ハーブ製品協会のマイケル・マクガフィン会長、米国栄養評議会のノエ・ガルバン氏らが出席。冒頭で「米国制度を参考にトクホとは異なる新制度を導入する」とした安倍首相の成長戦略スピーチが流され、これと相反する形で進む制度化への懸念が表明された。

 会見では、オバマ大統領来日で欠席した米国大使館商務部のスティーブン・アンダーソン上席商務官のメッセージを代読。新制度導入に「できる限りの協力をする」とした一方、「一つの成分にこだわった従来のトクホから複合成分の健食の機能を表示することで、消費者は食品の多くの機能性を知ることになる」と、トクホとは異なる新制度を期待する米国大使館の認識を紹介した。

 天ケ瀬氏は日米制度の違いを巡り、「米国ではトクホのように必ずしも関与成分が特定できていない場合も品質と安全性を担保する製造方法で管理することで(健食の複合的作用が認められる)」とし、国際整合性の観点から"トクホベース"への懸念を表明。米団体にパイプを持つAIFNも「トクホなどあまりに厳格な従来の制度から脱却し、高い自由度を持ち、産業育成に叶う制度を構築する」との提言を発表した。

 一方、検討会でたびたび「関与成分」の問題を指摘する宮島氏は「企業の都合ではなく、お客様が見た時にシンプルで選びやすい、分かりやすいものにしなければならない」と、新制度の理念を説明。関口氏は「一部の成分だけが参加できるような新制度はまずい」と関与成分の問題に言及。その扱いを含め、5月中旬をめどに新制度への提言をまとめるとした。

 会見当日はオバマ大統領来日に合わせ、TPP交渉が前進したタイミングと重なる。米制度を無視した制度設計が今後、日米両国にとって火種となるかもしれない。


【共同会見の一問一答】
米団体「関与成分」に懸念


会見の一問一答は以下の通り(敬称略)。


──「関与成分」に対する問題意識は米団体も持っているか。
 
天ケ瀬「そこに限定するのはおかしいとの認識は持っている」

──米制度より対象範囲が狭くなった場合、TPPにおける政府間交渉で問題にする可能性はあるか。
 
天ケ瀬「交渉は機密事項も含まれるため回答は控えたい。しかし、米国から見ると日本の制度は特殊であり、ガラパゴス化しつつあると感じる。安倍首相は輸出産業に育てたいとの意向があるが、有力な輸出先の東南アジアは国際整合性の点から欧米に学んでいる。(日本が)せっかく良い素材や技術を持っていても輸出できない可能性もあり、TPPが合意に達した場合も懸念が残る」

──米国ハーブ製品協会はどう考えている。
 
マクガフィン「実際問題提起するかは別として日本国内で呼応し、カウンターパートとなる業界団体がないと響かない。TPPが妥結に近づく中、行動を起こすには遅いが、新制度がおかしな方向に進めば話は変わる。ただ友好的な関係を望み(外圧ととられたくない)」
 
──健康食品産業協議会は業界8団体の総意を発信するためにある。提言がAIFN単独であるのはなぜか。
 
天ケ瀬「承認を得る時間がなかった。ただ、他団体も内容に理解は示している」

──宮島氏はGMP義務化を求められているが、原料の同一性試験がある米国のcGMPなど国際水準のものを求めているのか。
 
宮島「機能性表示という『権利』を得れば一方で『義務』も必要になる。製造工程でリスクが生じることがあり、まずは日本のGMPをクリアし、安全性、品質面で確かな製品をお客様に提供する必要があると考えている」

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