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ブランド中古品EC・相次ぐ新規参入、委託販売モデルに脚光

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スマートフォンの普及などにより、個人間でブランド中古品などを売り買いできるウェブサービスが増える中、出品や発送の手間、偽物のリスク、個人間のトラブルなどを避けたいニーズもあって、間に事業者が入ったCtoBtoCの事業が注目されている。最近はベンチャーを中心に事業者側にもリスクが少ない"委託販売"の手法を採用した通販サイトが相次いで立ち上がっている。フルフィルメント機能を持つ既存の通販会社を含め、プレーヤーの拡大も予想されるブランド中古品EC市場の現状を見ていく。


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個人などから不用になった高級ブランド品を預かり、ウェブ上で販売代行して売れたら商品価格の6~7割を委託者に支払うビジネスモデルは、2011年6月に米国のザ・リアルリアルが始め、大きく売り上げを伸ばしているようだ。

 昨年8月26日には、その米社が展開するサービス「リアルリアル」の日本版が立ち上がって一気に注目を集め、今年に入るとネット販売支援などを手がけるZeel(ジール)が3月14日に「レトロジェイピー」を、4月9日には販促支援事業などを展開するアクティブソナーが「リクロ」を相次いで開設した。

 3社のサービスはいずれも預かったブランド品を鑑定し、値付けや写真撮影、サイト掲載、販売、保管・発送までを一貫して請け負うのが特徴だ。

 商品が売れた際に委託者に支払う金額は各社によって異なり、ザ・リアルリアルは委託者が個人であれば販売価格の60%、法人の場合は最大70%を支払う。ジールも販売価格の60~70%を支払うが、初回は60%で、年間の販売額が50万円以上で70%になる。一方のアクティブソナーは販売額が1万5000円未満であれば50%、1万5000円~10万円未満だと65%、10万円以上で70%を支払うという。

 昨今、CtoCのフリーマーケットサイトが増えているものの、偽物が出品されるリスクもあるため高額品の売買には向かず、また、商品の撮影や問い合わせへの対応、発送作業など手間のかかる工程が多いことから、事業者がかかわることで真贋判定による安心感や、フルフィルメントの代行でユーザーは楽をして出品できるようにした。

圧倒的なトップがいない市場

 そもそも、米国で誕生したこのビジネスモデルに日本のスタートアップ企業やベンチャーキャピタルなどが注目するのは、委託販売型という在庫リスクを伴わない事業であることに加え、中古ブランド市場の成長性に期待しているようだ。

 というのも、国内の高級ブランド市場は約6000億円とも言われ、米国に次ぐ第2のマーケット規模だが、中古ブランド市場は約2500億円程度にとどまっていると見られている。

 また、同市場で認知度が高く、リアル店舗を多数展開するコメ兵や大黒屋でも、シェアは10%に満たないようで、圧倒的なリーディングカンパニーがいないことからEC事業者にも大きなチャンスがあるという。

 市場の成長性については、例えば、高級ブランド「ルイ・ヴィトン」の購入額は長い間、日本が世界一で、「過去30年くらいの蓄積を考慮すると、ブランド中古品の潜在的な市場はかなりある」(ザ・リアルリアル)としており、そうしたブランド品をたくさん抱える富裕層などに、「手間をかけなくても不用になったブランド品が売れることを分かってもらえれば、委託者はもっと増える」(同)とする。

 こうした状況もあって、ベンチャー企業を中心に、CtoBtoCのビジネスを展開する既存のネット販売企業なども含めて同市場への新規参入が当面は続くと見られている。

 ただ、ブランド品といっても商品の状態がそれぞれ異なるため、真贋・査定にかけるコストや時間、ひとつひとつのアイテムを撮影する手間など効率的なバックヤード体制を整えるのは簡単ではなく、参入障壁は高いようだ。

 「リクロ」を開始したばかりのアクティブソナーでは、勝ち残りへのポイントとして「"泥んこ"になって1円、50銭のコストを切り詰められるかが大事」とし、同社では委託者に送る宅配キットも折りたたみ式を開発。メール便でも送れるサイズを作るなどコストダウンに努めているという。
電話で自宅訪問アプリで査定も

 ブランド中古品販売の肝は何と言っても、売れる商品をどれだけ集められるか。つまり、買い取りの部分にある。

 ザ・リアルリアルは、先行する米国のサービスと同様、電話1本で委託者の自宅までブランド品を預かりに行く「ホワイトグローブサービス」を展開することで、委託者の利便性を高めるほか、ウェブ上だけではリーチできないユーザーの囲い込みにつなげる。

 現状、「ホワイトグローブサービス」は関東圏と中京、関西で展開しているが、対応エリアは順次、北海道や九州など全国に広げていく考え。

 アクティブソナーも、東京23区限定で出品数が10点以上であれば自宅に商品を引き取りに行くサービスを実施するほか、6月に配信予定のiPhoneアプリに「かんたん査定」機能を搭載する予定だ。

 同アプリは、不用になった服やバッグなどの写真をスマホのカメラで撮影するだけで当該商品のリセール相場を知らせる機能で、「タンスに眠っているアイテムをすべて撮影してもらえれば、タンスの中の"総資産価値"が分かる」(アクティブソナー)とし、遊び感覚で相場を知ってもらうことで、出品へのモチベーションにつなげる。

フラッシュセールや逆オークション

 一方、出品されたブランド品をいかに早く販売するかという点も、委託者の満足度に関係するため大事な部分だ。

 ザ・リアルリアルでは、単に商品を販売するのではなく、ブランドやテーマごとに関連する商品をまとめて5日間限定のフラッシュセールを実施。販売期間を限定することで購買意欲を高める。

 サイト開設から約8カ月が経過したが、状態の良い商品や消費者ニーズに即したアイテムを厳選していることもあり、委託品の消化率は90%台後半という高い水準で推移しているという。

 ジールは、「ダッチオークション」という時間経過とともに価格が下がっていく"逆"オークションの仕組みを採用。落札価格は出品時に最高価格が表示され、そこから最低落札価格になるまで徐々に値段が下がる。

 アクティブソナーは、販売価格を5日ごとに5%値下げし、最大半額まで下げる「連続カウントダウンセール」を実施するなどエンターテインメント性をとり入れた。

 預かった商品の保管期間も60日間とし、"勝負の早い委託販売"を目指している。また、商品が売れ残った場合や、「リクロ」では扱えないアイテムなどは出品者に返品するだけでなく、別のブランド品買い取り業者を仲介することでユーザーの"売りたい"ニーズに応える。

トレンド発信や鑑定書の用意も

 新たなプレーヤーの登場も予想される中、より消費者に安心して購入してもらえるサービスや、新規客の獲得に向けた取り組みも始まっている。

 アクティブソナーは鑑定業務を内製化しているが、鑑定専門会社と提携し、購入者が高額品の鑑定書を必要とする場合、有料サービスとして提携先の鑑定書も用意する。

 ザ・リアルリアルは既存客だけでなくファッション好きのユーザーにもみてもらえる雑誌風のコンテンツを今年1月にスタート。フラッシュセールは会員登録をしないと入場できないが、同コンテンツは非会員でも閲覧できるため、新規ユーザーの新しい"入り口"としても活用する。

「買取型」の既存事業者は?
コメ兵は店舗の強み生かす

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ブランド中古品を委託販売型で展開するサービスが相次いでスタートしているが、既存の「買い取り型」で事業を拡大するコメ兵は実店舗とオンラインストアの両チャネルを生かしたオムニチャネル化戦略で成果が出てきている。

 コメ兵では、自社通販サイトの掲載商品を顧客が希望する店舗に送って実物が確認できる「お取り寄せサービス」に加え、店頭でも通販サイトを活用した接客を心がけている。

 具体的には、希望の商品が欠品している場合、店頭スタッフがタブレット端末を見せながら他店舗の在庫から当該商品を取り寄せる取り組みも好評だ。

 高額品は実際に見てから買いたいという顧客が多いため、通販サイトで購入する純ネットの客単価が7万円なのに対し、取り寄せ販売した商品の単価は21万円で、3倍の差があるという。

 オムニチャネル化を進めるのに当たっては、昨年5月に店舗とオンラインストアのポイントを統合し、店頭での接客教育にもオムニチャネルに対応した取り組みをくみ入れている。

 同社では、店頭販売員のモチベーションを高めるため、取り寄せ商品の売り上げは店舗に計上する一方、店舗の売り上げ計画に通販比率を上乗せすることで各店が通販サイトを利用せざるをえない環境を作っている。また、取り寄せ商品の買い上げ率を把握することで、店頭販売員の対応力に問題がなかったか検証することも大事だという。

 こうした取り組みにより、通販サイトを介した「お取り寄せサービス」による売上高は14年3月期に31億6000万円となる見込みで、純ネット売り上げ(約25億円)を初めて上回る。

 今年4月には、IT事業部を新設。EC業務を担っていたWEB事業部をIT事業部内のグループとし、同事業部にシステム部門も配することでシステムと運用の両面からオムニチャネル化を推し進める体制とした。


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