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DHC会長「8億円貸し付け」騒動、不可解な行動原理

「やめて」と言われているのに企業の実名入り広告を掲載したり、自社の行政指導に他社を巻き込んで大騒ぎしたり。そうした行動の積み重ねで企業姿勢や経営者の人間性は判断されてしまうもの。みんなの党、渡辺喜美代表の「8億円借り入れ問題」を受け、ディーエイチシー(DHC)の吉田嘉明会長が再び脚光を浴びてしまった。「問題ない」と主張する渡辺代表に対し、吉田会長は選挙資金との認識を示すなど執拗な追求を続けている。蜜月が終わりを告げた2人の問題だが、「政治とカネ」というダーティーな問題を自ら公表した吉田会長の行動原理はどのようなものなのか。

 吉田会長の主張は、単純で分かりやすい。週刊誌に掲載された手記では「官僚機構の打破」を強く訴え、日本の将来を憂い、その思いを託せる政治家を応援するとの考えで支援していたとする。
 創業来、厚労省による再三に渡る行政指導を受けてきたDHCのこと。「厚労省の規制チェックは(中略)天下りを一人も受け入れていない弊社のような会社には、特別厳しいのかと勘繰ったりするくらいです」(手記より)というつぶやきには、深い恨みを感じる。

 多くの企業が天下りなど受けず、規制の中でまっとうに事業展開していることはさておき、吉田会長の主張を理解できる面もなくはない。ただ、残念ながらその主義主張がストレートに伝わらないのはなぜだろうか。
 吉田会長の行動原理は余人の及ばないところかもしれない。ただ、これまで吉田会長とDHCが引き起こしてきた数々の問題をみると、その理由もなんとなく分かる。

 大学翻訳センターの名称で大学の語学教科書の"トラの巻"を販売していた当時は出版8社から著作権侵害で訴えられ、03年には健食「メリロート」を巡り厚労省の再三に渡る指導を受けても対応を改めなかった。同年にはトクホ表示を健食に無許可で使用。04年には元社員による労働問題が訴訟に発展し(のち和解)、一方、税務調査を巡り国税局を損害賠償で訴えた(のち敗訴)。

 07年には行政指導に納得がいかないと「4・13事務連絡問題」を引き起こし、10年には特許侵害問題(のち和解)、12年には冒頭の広告問題も起こしている。その放埓ぶりは留まることを知らず、とにかくトラブル続きなのだ。

 だから、業界関係者からも「業界の異端児であり、秩序を乱す少数派。少数派を悪者にしてはいけないが、一般常識からも良からぬことを行う」(通販A社元経営者)、「政治生命に関わる問題。仁義に関わることで、普通ならおおやけにしない。企業イメージにもマイナスで得るものがないのになぜ明かしたか。金を返して欲しかったのか、よほど何かあったのか」(通販関連B社経営者)などと勘繰られてしまう。その行動原理も、世の中に束縛されることなく生きているオーナーの価値観からくるのでしょう。

 「主義主張もはっきりしている。やっている意味も理解できる」(通販D社元幹部)という理解者もいる。だが、12年の貸し付けで借用書を交わさなかったのはいただけない。だから、「企業のガバナンスとしてはセーフですが個人のガバナンス、コンプライアンスはない。個人の範囲内とはいえ代表権を持つ会長だから世の中に通用する仕組みでやらないと。(世の中を変えるため)考えて行動を起こしたことはイエス。でもやり方はノー」(同)なんて脇の甘さを指摘されてしまう。

 金に固執していないと再三、手記に書いても「不明瞭なやり方をするから"何の見返りを求めたのか"なんて勘繰られる素地を与えてしまう」(同)と言われてしまう。

 そんな特異な存在だから、業界への影響は「良くも悪くも影響力を持たない」で一致。業界活動に参加せず、同業者に歩み寄らず。その姿勢も立派だと思うが、政治や官僚に失望し、手記やHPで喧伝するほど強い主義主張があるならば、同業者に歩み寄るところから世の中を変える一歩を踏み出してはどうだろうか。

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