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【処方せん薬・要指導薬の規制訴訟の行方】 法執行前の判決難しく

 ケンコーコム(KC)が国を相手取り提起した処方せん薬のネット販売を行う地位確認訴訟の第2回期日および「要指導医薬品」の指定差し止め訴求訴訟の第1回期日が3月11日、東京地裁(谷口豊裁判長)で開かれた。何れも今年6月に施行される新薬事法に盛り込まれたネット販売規制の是非を問うもので、裁判の進行を迅速化する狙いから、訴えの異なる訴訟を並行して審理する形となったようだ。ただ、KC側の主張に対し国側のまともな反論がない、あるいは追加の書面提出に時間を要すると説明するといった状況で、KCが求める改正薬事法施行前の判決は難しいのが実情だ。

 6月12日に施行される改正薬事法では、処方せん薬のネット販売禁止および、従来ネット販売で扱えていたスイッチ直後品目を「要指導医薬品」と定義し、3年を上限にネット販売を禁止する規制を盛り込んでいる。

 これに対しKCは、一連の規制に明確な科学的根拠がないなどとし、昨年11月に処方せん薬のネット販売を行う地位の確認訴訟、今年1月に「要指導医薬品」の指定差し止めを求める訴訟を東京地裁に提起していた。

 まず、処方せん薬訴訟の第1回期日は1月に行われたが、KCの主張に対して国側のまともな反論がなかったことから、KC側は速やかに準備書面で実質的な反論をするよう要請、これに対し、国側は、書面提出までに2カ月の準備期間が必要とした。

 これを受け第2回期日が3月11日に設定されたが、国側が準備書面を提出したのは第2回期日直前の3月7日。その内容も、KC側が主張する規制の違憲性について、当該規制は違憲審査基準としてより制限的でない規制手段の有無が検討される必要はないなど、KCの主張をはぐらかしたかのようなものだったという。これに対しKC側は期日後のコメントとして、過去の薬局距離制限最高裁判決で用いられた規制の合理性基準が適用された場合、不都合な結論が出てしまうからではないかとの見方を示している。

 また、規制の合理的な根拠についてもKCは、処方せん薬のネット販売による副作用など具体的な主張立証をしておらず、ネット販売を禁止するための科学的根拠であるとは言えないとしている。

 次いで行われた「要指導医薬品」の指定差し止め訴訟の第1回期日では訴訟類型の問題が浮上。

 「要指導医薬品」の指定差し止めの訴えは、行政処分を不服として取り消しを求める際に用いられる抗告訴訟の類型に当たるが、国側は、「要指導医薬品」の指定自体に、訴訟の要件となる処分性がないと主張。裁判所側も別の訴訟類型で進行させる手段もあるとの見方を示し、KC側でも検討する形となった。

 「要指導医薬品」でも国側の対応は緩慢で、1月27日の訴訟提起から約1カ月半の準備期間があったにも関わらず、答弁書が提出されたのは3月4日(3月5日受領)。KC側によると、その内容は認否すらない即日でも提出可能なもので、実質的な反論をまったくしていないという。

 国側の実質的な反論を先延ばしするような対応についてKC側は、当該訴訟の迅速な進行を妨げる一方で、「要指導医薬品」の指定を進め、差し止めが間に合わないようにする行為にほかならないと非難している。

 当日は、原告訴訟代理人の阿部泰隆弁護士が裁判所に対し5月末までに判決を出して欲しいと要望したが、KCと国双方の主張と反論のやり取りなどで時間が掛かるのは必至で、裁判所側も最高裁判決並みの審理を改正薬事法が施行される6月までにやりきれるか懸念を感じていると発言。処方せん薬訴訟についてはそれまでに結審したいとの意向を示し、各訴訟の次回期日を5月21日に設定した。

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