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通販各社の3年目の復興支援、物販を通じて継続支援

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東日本大震災が発生して丸3年が経過した。復興はかなり進んでいるように見えるが、経済的な復興については遅々として進んでいない地域も多い。こうした状況を踏まえて通販各社では直接的な金銭支援だけでなく被災地の経済的な復興を促す支援活動を行うところも増えてきているようだ。震災から3年目の通販各社の復興支援の現状を見ていく。(画像はヤフーらが販売を支援する東北の食材なども販売した松坂屋上野店で開催した「東北物産展」の様子) ※関連記事はこちら

東北の"良いもの"を売り出す

CIMG3803.JPG「"もずく"のようにメジャーな海藻にしたい」。ヤフーはオイシックスや東北地域などの食の復興支援を行う「東の食の会」などとともに宮城や岩手など東北地方の名産品として知られる海藻「アカモク」の拡販に乗り出した。

 免疫力向上効果や脂肪燃焼効果があると言われる成分を豊富に含んだ「アカモク」は東北では一般的な食物のようだが、全国的にはあまり知られてない。これをメジャーな商品として育て、被災地の復興支援につなげようと「地域横断アカモクプロジェクト」を発足。競合だった宮城と岩手の生産者に「アカモクの認知度向上と地域活性化」のために手を組んでもらい、共通のブランドや商品パッケージとして売り出す。ヤフーらはネット販売による拡販や飲食店への卸販売などを推し進めるための支援を行なっていく。

CIMG3839.JPG その一環として3月5日から1週間、東京・上野の「松坂屋上野店」で開催された催事「がんばろう東北!!東北物産展」でも一角に販売スペースを設けて「アカモク」を販売、多くの来場者にPRして認知度向上に貢献したようだ。なお、同物産展にはヤフーらが運営する東北の生産者の商品を販売する通販サイト「復興デパートメント」で販売している食品なども出店。また、震災直後からヤフーの社内やネット販売、高速道路のインターチェンジや駅、空港などで販売してきた代金のうち、50円を支援団体に寄付する寄付付き弁当「爆速復興弁当」も販売された。

 ヤフーで東日本大震災の復興支援関連事業を担当する復興支援室の長谷川琢也氏は「震災から時間が経ち、売り上げの勢いは落ち着いてきてしまったが、"復興"という観点はもちろんだが、我々は"本当に良いもの"を見つけ出して世の中に広める試みを行っている。まだまだ伸びるはずだ」とし今後も「復興デパートメント」など物販を通じた支援や東北に人を集める試みとして開催している自転車レース「ツール・ド・東北」などを継続的に実施していく考え。

 なお、同社では検索サービス「ヤフー検索」を活用して3月11日にユーザーが「3・11」と検索すると、検索者1人につき10円分をヤフーが寄付する取り組みも実施。寄付先は、東北3県(岩手・宮城・福島)の子供たちの教育や保育などの支援活動を行う東日本大震災復興支援財団を予定している。

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 オークローンマーケティングでは東日本大震災で被災した東北地域の復興支援を目的に通販カタログを通じて東北名産の海産物や衣料品の販売を2月3日から開始している。既存顧客向けに配布しているカタログ「WOWカタログ」で震災の津波で漁船や漁具をすべて失った宮城・南三陸町の漁師たちが収穫したわかめ「福福わかめセット」と震災で家や働く場所を失った岩手・大槌町の女性たちが復興に向けて開始した「大槌刺し子プロジェクト」で生産された「大槌刺し子かもめパーカー」を掲載した。同社によると、売れ行きは上々ようで「販売初日から注文を頂いた。当社の被災地支援にご理解いただき協力下さり、漁師さんや刺し子プロジェクトの皆さんと共に、とてもうれしく思っている」としている。

 同社では今後も東北支援商品の販売や自社商品を絡めた支援活動などにも取り組んでいく考え。「今回の当社カタログでの販売も被災地の商品をより多くの方々に知っていたくことで販路が拡大することを目指している。今後も、被災地が真に自立できるまで支援活動を継続したい」(同社)としてい
る。

 物販支援のほかにも、被災地の女性の自立を支援する活動やわかめ収穫の繁忙期に社員および社長などの経営層が「福福わかめ」の養殖場を訪問し、わかめ作業を手伝うボランティア活動なども行う予定だ。

"おいしさ"を伝える

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カタログハウスは東京・代々木の本社内に福島産の食料品などの県産品を販売する実店舗「本 日!福島」を開設して、福島県産品を販売することで福島県の復興を支援する活動を行っている。

 同店に並ぶ食品はすべて放射性セシウム134および137の測定を実施。野菜や果物は店内の放射能測定器で測定し、その他の食品もすべて外部機関で測定し世界で最も厳しい「ウクライナ規制値」を参考に同社独自の基準値をクリアした商品だけを販売している。店内にはキッチンコーナーを設け、生産者やメーカーの担当者が週末などに実演販売を定期的に実施して、来店客は味などを確認した上で購入できるようにしている。

 物販だけでなく、店内には写真ギャラリーを併設し、福島の現状を写した写真を展示、来店者に「現実」を伝える試みも行う。毎月1、2回、テーマを変えながら様々な報道写真などを掲載し震災や原発事故による被害に苦しんでいる福島の現状を伝えている。

 今年1月のオープンから2カ月が経過した現在、売れ行きは尻上がりによくなっているようで、安心安全に配慮した試みや、おいしさからリピーターを掴みつつあるようだ。今後は新聞折り込みチラシを配布したり、クリーニング大手の白洋舎と連携して、同社がクリーニングの集荷の際に、約15万世帯の利用者に配布しているカタログ「ホワイトクラブ」に「本日!福島」で販売している野菜や飲料など5品を掲載し、販売する試みを実施するなどPR活動を強化して、物販を通じた被災地支援を継続的に実施していく。

1面千趣会P2.jpg 千趣会では、13年3月に立ち上げた社会貢献活動の「senshukaiスマイルコミュニケーション"えがおの森プロジェクト"」のテーマのひとつに「ハハトコ東北プロジェクト」を掲げ、東北の母親と子どもに焦点を当てた継続的な支援活動を推進。母の日に因んだ被災地仮設住宅へのカーネーションプレゼントや、子育て中の母親を対象にしたフォトスタンドの手作り教室などを行っているが、切り口を変えた取り組みとして社員参加型の復興支援イベント「石巻マルシェ&バー」を開催している。

 同イベントは、社員向けに海産物や調味料など石巻(宮城県)の特産品を販売するもので、13年11月に大阪本社、今年2月に東京本社で開催。被災企業の復興を目的に活動している社団法人・石巻元気復興センターと連携した取り組みで、石巻の人と一緒に復興支援に取り組みたい千趣会の意向と石巻元気復興センター側の考えが一致した。

 イベントには、石巻元気復興センターの担当者を招き、社員が説明を受けながら商品を購入できるようにするなど、現地の人とコミュニケーションも取れるよう工夫。また、大阪本社での開催では昼の部と"バー"と銘打った夜の部の2部構成(東京本社は夕刻から開催)とし、夜の部では、調理した特産品や宮城の地酒も販売した。

 「石巻マルシェ&バー」の取り組みは、いわば現地の特産品購入を通じ、より多くの社員が復興支援に参加できるようにしたもの。今後の開催は未定のようだが、バー形式の展開が社員同士のコミュニケーション作りにも寄与したようだ。

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 全日空商事では2011年から、毎年5~6月末にかけてさくらんぼの販売を通じた被災地の支援活動を行っている。

 昨年は自社通販サイトの「さくらんぼ特集」において山形県産の「佐藤錦」の売り上げ10%分を拠出して、山形県の農家からさくらんぼを購入し宮城県内の小学校や仮設住宅などに配布。教師を含む約370人の小学生に約35キログラム・約5000粒(給食で配膳)、仙台空港近くの仮設住宅150世帯以上に向けても約28キログラム・約4000粒を届けた。

 同社社員も現地を訪れて収穫作業や仕分け、パッキング(個別包装)、運搬作業などを体験。現地で実際の作業を行うことが活動継続のモチベーションづくりにもなっているようで「当社が微力ながらできることとして、震災初年度だけではなくその後も『継続』していきたいという強い想いがある」(同社)とし、支援活動を続けていくことの重要性を訴えた。

 今年もさくらんぼを絡めた何らかの支援活動を行う予定で、年々変わりつつある仮設住宅の状況なども踏まえながら内容を検討していく。

LINEこどもスタンプ.jpg 一風変わった"物販"による支援の取り組みもある。無料通信アプリ「LINE(ライン)」を提供するLINEは3月11日から、被災地復興支援スタンプとして「3・11こどもスタンプ」の販売を開始した。

 絵文字の一種であるスタンプを使った取り組みで、福島・宮城・岩手・青森・茨城の中学生以下を対象に「友だちや家族、先生など、大切な人に送りたいスタンプ」をテーマに募集したイラスト6000点以上の中から、審査を通過した24作品をスタンプ化した。24作品を1セットにして100円で販売。LINEアプリ内の「スタンプショップ」で取り扱う。今年の9月まで販売を行う予定で、売り上げは子供支援の国際NGOであるセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンに全額寄付する。

 大震災から丸3年が経過したが、復興はまだまだこれから。通販各社の継続的な支援が期待される。


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