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2014年の通販業界上向きに、増税で「どちらとも言えない」も多く

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 「2014年の通販市場は上向きに」──。本紙が主要通販実施企業各社を対象に実施したアンケート調査によると有効回答が得られた通販実施企業の半数強が、今年の通販業界の景況感は「上向き」だと回答した。年末セールや初売りでの販売が堅調だったところが多く、着実な景気回復の手ごたえを感じた企業が多かったようだ。ただ、4月に控えた消費増税が消費動向に与える悪影響を懸念する声もまた多く、「どちらとも言えない」と回答した企業が4割弱を占めた。


本紙が1月上旬までに主要な通販実施企業各社を対象に実施した「2014年の景況感」についての聞き取りおよびアンケート調査によると、2014年の景気の見方について、「上向き」が53%、「どちらとも言えない」が37%、「下向き」が10%だった。年始の初売りが好調だった企業が少なくなく、通期の業績についても自信を持った企業が多かった一方で、4月の消費増税の影響を踏まえて楽観視できないとする企業も多かった。

足元好調で「上向き」と回答

 「上向き」になるとした企業の回答としては「冬の一大商戦である歳暮、おせちもネット販売は20%程度の伸びとなり、順調に拡大している。今年は増税により全社的には影響もでるだろうが、食品など生活必需品が多いネット販売への影響は少ないと見ているし、食品分野はさらに強化していく」(高島屋)や「増税もあるが業績への直接の影響はそれほどないと思っている」(オルビス)、「足元は比較的好調。あとは消費増税の影響を受けずにどう乗り切るかが課題となる。ただ、(定期購入する化粧品を扱っているので)比較的影響は少ないのではないかと思っている」(アイム)、「これだけシニア層が増え、健康に対する需要が高まっている中、まだまだこの健康関連の業界は景気に左右されず伸びていくと考えている」(えがお)、「悪くない。年末や年明けのセールスも力強い」(日本ランズエンド)、「EC自体は引き続き成長していくと見ている。一方、課題はやはり増税への対応だと考えている。増税によりお客様の価格に対する意識が増すため、価格志向、節約志向に拍車がかかるのではないかと見ている。コスト見直しなどにより価格競争力を高めていったり、品揃えやお客様サービスなど価格以外の価値を高める取り組みもさらに進めていく」(ケンコーコム)などだ。

増税の影響懸念厳しい見方も

 一方で「下向き」とする厳しい見方や「どちらとも言えない」と楽観視できないとする回答もまた多かった。「下向き」と見る回答は「景気回復の基調はあるのかもしれないが、まだまだ一般の消費者まで波及していないのでは。特に当社は若い主婦層が主要顧客なので、そこまでは来ていない印象。影響が出るのは企業の(賃金)ベースアップや雇用といった環境が変わっていってからになると思う」(主婦の友ダイレクト)や「当社はシニアが主要顧客だが、今年は増税の影響で生活防衛意識が高まり、厳しい1年になることも覚悟している」(JFRオンライン)などだった。

 「どちらとも言えない」との回答では「消費税増税による消費者の買い控えの影響を懸念」(オークローンマーケティング)、「景気は基本的には回復基調が続くものと考えているが、給与アップによる消費拡大も現段階では一部の企業のみで消費に反映されるには時間がかかりそう。また消費税の増税による影響も懸念され楽観は許されない。増税後も景気全般の回復基調が今後も続くかどうか」(千趣会)、「消費税増税後、景気が悪化するのは確実。一定期間経過後、底を打つであろう時期に、更なる消費税アップの見極め時期を迎えるため、成長戦略の成果なり、更なる金融緩和等の対策はあるにしても先行きは不透明」(ジュピターショップチャンネル)、「景気が良くなっている、消費が上向いているとは言われているが、実感がない」(スクロール)、「景気が良くなっているとは言われるが回復にはまだ時間がかかるのではないか」(ベルーナ)などの声があった。

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通販各社の今年の課題・施策は

 本紙では今年の抱負や解決すべき課題や重点施策などについて聞いた。注目される通販実施企業の回答を見ていく。

 「今年度より新たな中長期経営計画を決算時に発表予定。その中での重点施策としては、独自性のある商品開発とシステムや物流への投資によるサービスの充実等がある」(千趣会)、「今期(2014年3月期)は消費増税後の消費環境悪化に備えて積極的な投資を行ってきたが、今年もシニア向け・単品通販・ネット販売に力を入れ、ビジネスモデルを構築したい。また、M&Aもひとつの手段となるだろう」(スクロール)、「今年は消費増税もあり、物流センターの新設を8月に控えていることもあり、そこまではアクセルを踏めない状況。そこからどこまで踏み込めるか。M&Aなども含めて、どこまでスピード感を持って取り組めるか。昨年後半くらいからようやく攻められる体力がついてきた。総合通販が伸ばすのが難しい市場環境だが、一方で(ここ数年事業を縮小していた)不動産事業や金融事業についてはやや環境が良くなってきた印象がある。こうした事業でカバーしつつ、来年総合通販を伸ばしていくための準備をしていきたい。M&Aについては、やろうと思ってやるものではないが、良い話があれば積極的に進めたい。特に単品通販強化に向けての選択肢となる」(ベルーナ)。

 「2014年はSHOP JAPANのブランディングを積極的に実施すると共に、新商品の開発及び販路拡大(WEB、店舗、新規メディア開拓)に注力。また、今まで以上にお客様とのコミュニケーションを大切にし、商品改善及びサービス向上を務める」(オークローンマーケティング)、「置かれる環境は皆同じ。常に消費者目線で、オペレーションに取り組むのみ」(ジュピターショップチャンネル)、「昨年に新設した社屋およびスタジオが今年は年間を通じて稼働する。そうした設備を最大限活用していく」(QVCジャパン)。

 「2014年から『楽天24』の運営することになり、日用品など売れ筋に絞った商品をいつでも安く早くお届けするサービスに重点的に取り組んでいく。また、2014年は医薬品を足掛かりにドラッグストア等が本格的にECに参入し、各プレイヤーのシェア争いが激しくなる。引き続き、優れたサービスを磨き続けていく」(ケンコーコム)、「カタログは昨年9月から発行部数を削減して収益力の回復に努めている。利益の回復を今年に生かすために新規客を獲得する媒体にも挑戦していく」(高島屋)、「短期的には価格政策を含めて消費者にアプローチを強めることが不可欠で、中長期的には新規客へのリーチに取り組む。グループではネット販売の強化やオムニチャネル化を推進している。紙媒体が中心の当社でも、既存顧客の維持と新規客の開拓に向け、従来の枠を超えた新手法にも着手しなければいけないと感じている」(JFRオンライン)、「4月にスタートする三越伊勢丹ホールディングスと郵便局物販サービスとの新会社『JP三越マーチャンダイジング』の立ち上げに全力を挙げる。非食品分野では昨年10月から物販サービスが創刊した新カタログへの商品供給を開始しているが、カタログ事業の機能統合を本格的に進めて、順調な立ち上がりを目指したい。新会社のスタートと同時に増税が実施されるが、外部環境よりもまずは新会社の基盤固めが大事になる」(三越伊勢丹通信販売)、「これまではアパレルという大きな柱がグループ会社としてはあったわけだが、今後は化粧品が大黒柱となる。組織がコンパクトになり、意思疎通もしやすくなったので、機動力を活かしていきたい。イマージュが社名変更したJコンテンツでも化粧品やヘアケア商品などを扱っているが、当社とは客層が違うので、当社が積み上げてきたノウハウを提供しながら伸ばしていき、グループで二本柱としたい」(アイム)、「昨年発表した新シリーズ『ORBIS=U(オルビスユー)』を中心に、これに続くプレミアムラインも来年度に商品開発を進める。ブランドに対する信頼感、安心感は守りつつ、より驚きや感動を提供できるブランドに進化していきたい」(オルビス)、「注力するポイントは新規のお客様に対するアピールと、社内の人材育成。今期の売上高は前年比20~30%増の成長を目指していく」(えがお)、「4月の増税以降、これまで継続的にお付き合いいただいた既存客の離反に対する懸念がある。これまでにないような手厚い顧客フォローを検討していく」(世田谷自然食品)、「インターネットが課題。どこかでもう1段階、飛び抜けたい。やれることはまだある。いろいろ手を考えている」(日本ランズエンド)などの声があった。


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