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ヤマト運輸 総務省部会で外形基準の導入提案

 信書規制に関する問題で、総務省の情報通信市議会郵政政策部会は12月12日開催の会合で、メール便を扱うヤマト運輸など4事業者・団体に対しヒアリングを行った。現行制度は、信書自体の定義が分かりづらく、誤ってメール便や宅配便で信書を送達した送り主や運送事業者が書類送検されるケースが発生。メール便で顧客にDMを送る通販事業者にとってもリスキーな問題だ。規制改革会議や日本経済団体連合会などでも見直しを提言していたが、当日の部会でヤマト運輸は、信書か否かをサイズで客観的に判断できる外形基準の導入を提案。さらに送り主に対する罰則の廃止にも言及した。

 そもそも、信書とは何なのか。郵便法によると、"特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書"とされている。だが、一般の顧客がこの条文を見ただけで、自分がメール便や宅配便を使って送ろうとしている文書が信書にあたるかどうかを判断するのは困難。総務省でも問い合わせ窓口を設けているが、担当者でも信書かどうかを即答できないケースがあるようだ。

 また、郵便業務に当たる信書の送達は日本郵便の独占となっているため、メール便などで送った文書が信書と判断されれば、郵便法違反で処罰されるが、運送事業者だけでなく送り主(依頼人)も対象。通販事業者が顧客向けにメール便や宅配便などで送った文書が信書と見なされれば、処罰される可能性があるわけだ。

 実際、過去には、自治体や外資系企業が住民・ユーザー向けにメール便や宅配便で送った文書の受取人が郵便法違反ではないかとして警察に告発。送り主と運送事業者が書類送検(不起訴)されたケースがある。一方で、テレビ番組で芸能人の母親が息子宛の荷物の中に入れた手紙を紹介された際、視聴者からの信書を宅配便で送っているとの指摘。これに対し総務省は信書の送達にあたると判断したものの、郵便法違反で告発されないなど、罰則の適用に曖昧な点があるのが実情だ。

 このほかにも同じ文書でも信書に当たる場合と、そうでない場合があり、例えば、企業の採用者募集で応募者が企業に送る履歴書は信書だが、企業から応募者に返送される履歴書は信書に該当しない。理由は、履歴書自体に差出人である企業の事実の通知がない(合否通知と一緒に返送する場合は通知が信書に該当)ためというものだ。

 信書自体の定義が分かりづらい上に、同じ文書でも信書に当たるケースとそうでないケースが混在する現行の信書規制は、送り主側の混乱を招くものと言わざるを得ず、ヤマト運輸によると2009~13年度の間に送り主が誤って信書を送り警察の取り調べを受けたケースが8件(うち3件は書類送検)発生。近年、増加傾向にあるという。

 郵政政策部会でヤマト運輸が行った外形基準導入の提案は、現行の信書規制の矛盾や問題点の払しょくを意識したもの。これは、送達する文書の内容ではなく、大きさや重さなどで信書か否かを判断する仕組みで、すでにアメリカやドイツなどが採用。客観的なサイズを基準に信書かどうかを判断できるため、誤ってメール便や宅配便で信書を送達することを防ぐことにもつながる。

 また、送り主に対する罰則規定の廃止も提案しているが、これは欧米で原則送り主に罰則を課していないことを踏まえたものだ。

 かねてから分かりづらさが指摘されている信書の定義。これは、送り人の事業者などが誤ってメール便で信書に該当する文書を送達してしまう要因にもなりかねない。ヤマト運輸が行った外形基準の提案は信書の定義を明確にし、送り主側の不安を解消することにもつながりそうだ。

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