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ケンコーコム  処方せんで行政訴訟提起、対面義務化の法案受け

 6-1.jpgケンコーコムは11月12日、国を相手取り、処方せん医薬品のネット販売を行う地位を確認する行政訴訟を東京地方裁判所に提起した。同日、処方せん医薬品の対面販売を義務化する薬事法改正法案が国会に提出されたことを受けたもので、原告となるケンコーコム側の主張は、処方せん医薬品のネット販売を禁止する、2009年2月施行の厚生労働省令は薬事法の委任がなく無効というものだ。

 ケンコーコムが2009年5月に提起した一般用医薬品のネット販売規制訴訟では、今年1月、薬事法条文に医薬品ネット販売を一律に規制することを省令に委任する内容が見当たらず、違法とする最高裁判決が下っている。処方せんのネット販売に関する今回の行政訴訟での主張は、この最高裁判決を踏まえたものになる。

 この最高裁判決が出た後、厚労省では、一般用医薬品の販売ルールに関する検討会を幾つか設けており、12日に国会へ提出された薬事法改正法案にも、これをもとにした一般用医薬品の販売ルールに関する内容が盛り込まれている。

 一方でケンコーコムは、最高裁判決から、処方せんのネット販売禁止に関する省令についても法の委任がないと判断。厚労省に対し、処方せんのネット販売に関するルール整備の検討も打診していたが、厚労省側の明確な答えはなく、処方せんのネット販売に関する検討も行われていないという。しかし、今回の改正法案では、処方せんの対面義務化が明記。東京地裁への訴状提出後、厚労省で会見したケンコーコムの後藤玄利代表は「だまし討ち」と不信感をあらわにした。

 また、訴訟代理人の阿部泰隆弁護士は、処方せんに関する薬事法の条文の中にネット販売の禁止に関する記述がないことから、省令には法の委任がないと説明。今年1月の最高裁判決と照らし合わせても、違法と判断される可能性が高いと見ているようだ。

 ただ、一般用医薬品の規制訴訟と今回の訴訟では異なる点もある。一般用医薬品の場合、従来販売できていた品目が第3類医薬品に制限されたことで経済的な損害を受けたが、処方せんについては、ケンコーコムでもネット販売の準備を行っていたものの、販売実績はない。つまり従来行っていたことが省令で禁止されたという形ではないわけだ。これについて阿部泰隆弁護士は、従来から処方せんのネット販売を行う権利はあり、それが行使されていなかったとの見方をする。

 また、実際に裁判が始まり最終的な判決が出るまでに数年は掛かると見込まれる。今臨時国会中で提出された改正法案が成立した場合、来年4月頃をメドに施行される見通しであるため、対応を見直さざるを得ないこともと考えられるが、この点についてケンコーコム側は、「今のところ、特にお話しすることはない」とする。

 今回の改正法案では、ネットおよび店舗で行う一般用医薬品販売の基盤となるルールが盛り込まれる一方、焦点となっていたスイッチ直後品目について、ネット販売での取り扱いを医療用から移行後3年間を上限に禁止することを明記。スイッチ直後品目のネット販売については、処方せんへのネット販売の流れを警戒する薬業関係者の間で、禁止すべきとの見方が根強いとされている。ネット販売事業者側では、今年6月の「日本再興戦略」で一般用医薬品ネット販売解禁の方針が打ち出されたことを背景に規制緩和の攻勢を強めていたが、最終的な政治判断の段階で形勢を逆転された形だ。

 ネット販売事業者側では、スイッチ直後品目の扱い制限を盛り込む改正法案に猛反発しており、法案が成立すれば訴訟に打って出る構えを見せている。今回、ケンコーコムが提起した処方せんのネット販売に関する行政訴訟は、その前哨戦とも言えそうだ。

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