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シニア世代の獲得に挑む、"モノ"+"情報"がカギに

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自由な時間があり、可処分所得も高い「シニア世代」。通販各社でも様々な切り口や手法で"宝の山"とも言える当該層の取り込みを図っているようだ。ただ、一口にシニアと言っても、趣味や嗜好は細分化しており、それぞれに合わせた適切なアプローチを行わねば振り向いてはもらえない。様々な工夫でシニア世代の獲得を進める大手通販各社の試みについて見ていく。

カタログを創刊・刷新へ

スクロールでは今年3月、50代以上のミセス層をターゲットとした衣料品ブランド「ブリアージュ」を立ちあげ、カタログを創刊した。2013年度は10万人のアクティブ顧客獲得を目標としているが、堀田守社長は「順調な顧客開拓が進んでいる」と手応えを口にする。

 ブリアージュではこれまで中心だった5000円以下の商品より価格帯が2ランク上となる、5000円から1万円の商品を用意。堀田社長は「従来のシニアマーケットはおしゃれを追求せず、価格でアプローチすることが多かったが、高価格帯の商品での成功例が出てきている。ブリアージュはやや買いやすい価格帯で展開するのがコンセプトだ」と話す。

 また、生協事業では今年9月から新カタログとして「さん燦」を発行した。アクティブシニアに向けたもので、おしゃれでストーリー性のある商品を展開。カタログの約3分の1が情報発信だという。

 団塊の世代がシニアとなってきているが、「安い商品を提案するだけでは消費意欲を換気できない。ファッションと情報を連動させたカタログ作りをする必要がある」(堀田社長)。同社では、シニア向けビジネスがこれまでの若年層向けビジネスの規模を上回ると予想しており、特に組合員の高齢化が進む生協事業では力を入れていく考えだ。

 ニッセンではシニア向けカタログの名称を「ここいろ気分」から「京都ここいろ気分」に変更した。カタログはテスト的に約30%大きくした大判サイズも配布。テスト版では誤認を防ぐために文字を大きくしたほか、「ユニバーサルデザインフォント」の採用で視認性を高めた。同社の逸見昌文取締役は「カタログの文字が小さくて見づらいというお客様からの声に応えたもの」と説明する。

 今後、強みとしていくのがサイズのバリエーションだ。大きいサイズ向けの「スマイルランド」ではサイズが豊富なことが強みとなっている。体型の変化に悩むことが多いシニア向けでも、より女性の体型に合わせた商品を展開していく考えだ。こうした取り組みの一環として、50代の女性319人を計測、文化服飾学院とデジタルヒューマン研究センターとの共同開発で商品製作用のボディーを作った。さらには、大きいサイズ向けに同社が展開する「スマイルランド」の仕様担当と協力し、バーチャルでパターンを製作したという。なお、シニアカタログ刷新に合わせて10月末に都内で平均年齢70歳の女性が同社のアパレル商品をまとったファッションショーを実施。ゲストとして女優の中村玉緒さん登場しニッセン商品を着てランウェイを歩いた。

"孫へのプレゼント"で訴求

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千趣会では、シニア層を意識した取り組みとして"孫"に着目、7月30日に「ベルメゾンネット」内で孫向けのプレゼント商品などを扱う通販サイト「まごスマイル」を開設した。出産準備や産後の育児などの経済的な支援を行う50代以上の祖父母世代の女性の利用と同時に、孫を通じて親子3世代のコミュニケーション作りを図りたい娘(母親)層の利用を想定。商品提案の工夫に加え、コミュニケーション作りのための様々な仕掛けを盛り込む。

 「まごスマイル」では「ベルメゾンネット」で扱う約2200型の商品を販売。孫の成長に応じて必要になる衣類、孫を育てる感覚が持てる知的玩具、おもちゃ・乗用用具、孫の帰省時に備えて実家に置く布団や椅子、パジャマなど、日常生活の中での祖父母世代と孫との様々な接点を意識した商品のほか、誕生日などのイベントに対応したギフト関連商品も扱う。また、親子3世代の旅行が人気であることを踏まえ、グループの旅行会社と連携した旅行商品の提案も行う。

 サイトでは、文字のフォントを大きくするほか、丁寧で分かり易い機能説明にするなど、祖父母世代の顧客の使いやすさを追求。定番プレゼントや売れ筋商品、外出や入浴、食事など孫の行動シーンに応じた商品提案を行うなど、商品の選びやすさや見やすさにも配慮した。

 また、コミュニケーション作りの部分では、会員制サイトの「ベルメゾンデッセ」と連携した親子3世代の写真投稿コーナーの設置、孫と一緒に楽しむおやつやおもちゃ作りを切り口に、「マンスリークラブ」の手作りキット売場への誘導などのコンテンツを展開。母親が祖父母へのおねだり、祖父母層から孫に贈りたい商品の相談など、双方向のコミュニケーション誘発の一助として、商品ページなどをメールで知らせる手順説明のガイドも設けている。

 「まごスマイル」については、スタート時に「ベルメゾンネット」で告知を行うほか、外部販促などを使い「まご プレゼント」といったキーワードで検索をした人を誘導するなどの訴求・集客策を展開。スタート時の集客効果としては、まずますの成果があったようだ。

 一方、「まごスマイル」では、「おばあちゃんちでねんね」といったシーン切り、「お食い初め」などイベント切りの商品の訴求・提案を行っているのが特徴。通常のサイトにはないチャレンジングな試みだが、このシーン切り、イベント切りの商品提案コンテンツがクリック上位になるなど、顧客が当初の狙い通りの反応を見せているようだ。

 また、コミュニケーション系のコンテンツとなる親子3世代の写真投稿についても、スタートが夏休み時期だったことなどが奏功し、「よく集まった」(同社)という。

 販売動向では、サイト内で具体的に見せている商品が売れている状況。実際の購入客層などの細かな分析はこれからのようだが、「まごスマイル」から入ってきた顧客が、他の「ベルメゾン」商品を見ているうちにレディス商品を購入するなど、育児以外の商品を併せ買いするケースもあり、購入単価がやや高めとなっているようだ。

 現状、千趣会の50代以上顧客の構成比は約18%。ベビー服や子ども服の購入も一定数あるという。今後、こうしたケースはさらに増えていくものと見られるが、千趣会では、様々なシーンを想定した商品提案と親子3世代のコミュニケーション作りの切り口で独自の展開を推進。「まごスマイル」についても、今後の実績をみた上でサイトデザインや商品の見せ方などを工夫し、より顧客のニーズに対応した形に進化させていく考えだ。


"シニアの旅行"をサポート

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ディノス・セシールでは今年7月から、「ディノスオンラインサイト」内でシニア世代をターゲットとした旅行用品の専門サイト「たびんちゅ」を開設している。

 同サイトではスーツケース、キャリーバッグ、トラベルファッション、コンフォートシューズ、関連便利グッズなどアクティブシニアにとって国内外の旅行時に役に立つ商品など400点以上を紹介。従来から当社のカタログや通販サイトや販売していた商品も多いが、通販サイトでは各商品カテゴリに散らばっていたり、だいぶ深い階層で掲載されているなど、探しにくい部分もあった。「たびんちゅ」ではそうした商品を「旅行用品」として集約。同サイト上ではそうした商品を「スーツケース」や「旅行かばん」「トラベルシューズ」など商品カテゴリごとに分け、商品を探しやすいようにしている。

 シニア向けサイトということで、使い勝手にも細かな部分でこだわっている。例えば、各商品カテゴリのバナーはテキスト(文字)だけでなく、例えば「スーツケース」という文字の横に「スーツケースの画像」を入れ込むなど、シニアを意識した分かりやすいデザインとしている。また、ネット上のやり取りだけでは不安に感じるシニア層に配慮して、「万が一の時には電話で聞けるという安心感」を持ってもらえるようサイトの左の目立つ箇所に問い合わせの電話番号を記載している。

 商品の販売だけでなく、情報を付加していることが「たびんちゅ」の特徴で、旅行の際に必要となる持ち物のチェックリストや飛行機に持ち込む手荷物で超過料金が発生してしまう条件、スーツケースの選び方のポイント、エコノミー症候群対策についてなど、旅行に役立つ基本情報や、「クルーズの楽しみ方」や「富士登山のレポート」などの旅情報。またヨーロッパからの現地レポートも定期的に掲載している。「モノだけを並べても(シニア層の)"琴線"には触れないと思う。モノに合わせて役に立つ情報を付加することで顧客満足度を高めることが継続的に利用頂ける1つのポイントになると思う」(ディノス事業ディビジョン 事業開発本部 事業部 事業開発・推進ユニット スペシャリスト 大内宣行氏)とする。

 現状、売れ筋となっているのは"スヌーピー"がデザインされた「スヌーピー ハードキャリースーツケース」や鞄本体に4輪を付けて、もたれかかっても倒れにくく、体の支えにもなる「スワニーのキャリーバッグ」、かかとが踏めるようになっており、移動中の飛行機の中やホテルでスリッパ変わりに使用できる「【るるぶ】携帯シューズ」など。現状、品ぞろえは「ディノス」の既存商品が大半だが、「たびんちゅ」が独自に仕入れる商品も増やしていく考え。

 「『ディノス』では基本、カタログ掲載が前提となっているため、ある程度の単価の商品でないと合わないが、ネットだけで販売する商品では価格的な制約は低い。例えば、旅行時に化粧品や薬をまとめて入れて置ける小さなポーチや消耗品などこれまでは扱いにくかった低単価な商品も『たびんちゅ』では販売できる。喜んで頂ける様々な商品を扱っていきたい」(大内氏)とする。また、現在でも一部、始めているが、旅行会社と組んで5%割引としたり、「ディノス」のeクーポンを付与するなど「たびんちゅ」の利用者限定の「ツアー」を用意するなどの取り組みも随時、実施していきたい考えだ。「シニアのお客様は一度、馴染みになって頂くと継続してご利用頂ける。馴染みになって頂けるよう、商品、情報を含めてよいものを提案していきたい」(大内氏)としている。




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