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通販企業の"リアル"活用、新規顧客にリーチへ、コアなファン作りにも有効

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通販実施企業にとって、消費者との接点作りや重要顧客の囲い込み策は、次の成長に向けた重要なテーマのひとつだ。最近では、多くの集客が見込まれるイベントに協賛・参加したり、リアル店舗を構えることで既存の販売チャネルではリーチしづらい層への認知を広げる取り組みや、顧客参加型のイベントを開催して企業やブランドのコアなファンになってもらう試みが一定の成果を収めているようだ。こうした施策に取り組む各社の現状と、成果などについて見ていく。

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イベントに協賛

 通販専門放送を行うQVCジャパンは、9月7日に開催されたファッション誌「VOGUE」主催の大型イベント「ファッションズナイトアウト(FNO)」に協賛した。イベントに集まるトレンドセッターにQVCを身近に感じてもらい認知度を高めるとともに、関連番組の公開放送などを通じてFNOをさらに楽しめるようにした。

 昨年のFNOではファッションショー形式の番組を公開放送しただけだったが、今年は"協賛"することでブースの出展など企画の幅が広がり、多くの消費者にアプローチできたようだ。

 公開番組については昨年と同様、表参道のスパイラルホールで「QVC×FNOスペシャルファッションショー」を一般公開し、誰でも間近で番組作りを体験できるようにした。一部客席にはQVCの顧客を招待し、CS向上にもつなげた。

 前回は2時間番組で放映したところ消費者の反応が良かったため、今回は午後7時~10時の3時間に枠を広げた。

 登場するブランドも昨年好評だった「レオナール」と「アンテプリマ」に加え、新たに「コントワーデコトニエ」や「ヴェルサーチ」などが参加。いずれもFNOの特設ステージでのみQVCで取り扱うブランドだ。

 一方、FNOのセレモニー会場である表参道ヒルズでは、他の協賛企業とともにイベントスペースでブースを展開。QVCの番組出演者になり切れる合成写真のプリクラが無料で体験できるとあって、若い女性を中心に行列が絶えなかった。

 プリクラに記載されたアドレスに携帯電話でアクセスするとその場で写真データをとり込めるため、SNSでの情報拡散にもつながったようだ。

 表参道ヒルズからスパイラルホールまではQVCのスタッフとモデルがおそろいのTシャツを着てウォーキングし、公開番組などを宣伝したほか、タキシード姿の"ミスターQVC"も出没。スマホなどでミスターQVCを撮影した画像を見せると、QVCのロゴ入り電光うちわやノベルティーグッズがもらえる企画も実施した。

 また、QVCの中継車を改造したロゴ入りのラッピングカーが表参道周辺を走り、イベントを盛り上げる姿も見られた。
顧客がモデルに

 通販顧客がモデルを務めるファッションショーを開催して消費者の心をつかんでいるのが、子供服の通販サイト「キッズオンライン」を運営するリトルアンデルセンだ。

 同社が8月22日に東京・代々木第二体育館で開催した「東京トップキッズコレクション(TTKC)」には、普段は通販サイトで取り扱いのないブランドも含め、28ブランドが参加した。

 ショーは5歳から小学校低学年までのキッズが登場する第1部、10~14歳のジュニアモデルが出演する第2部に分け、ブランドごとのステージや協賛企業のショーなど数多くのステージが用意され、1部、2部合わせて416人のモデルがランウェイに立った。

 今年の「TTKC」は、"顧客参加型"を強く打ち出した。ショーのモデルはブランド側が最終オーディションの参加者から選ぶため、ブランドのイメージと異なるモデルは起用されない。

 そこで、今回は最終オーディションに残ったものの、ブランドから指名を受けなかったモデルの中から82人が自分なりのコーディネートを競うステージを設けた。

 当該ステージはモデル本人が主役となり、髪型も含めて"今一番着たいコーデ"でランウェイを歩いてもらった。

 従来のブランド主体のショーからリアルクローズ(普段使いの服)の紹介の場にもしたことで、通販顧客はスポットライトを浴びられる可能性が増えたことになる。

 また、大手プロダクションによる会場内でのスカウト活動のほか、当日は来場者を対象にした撮影会を実施。10月に発行する「TTKC」初の公式ブックではランウェイモデルのほかにも、来場者のコーデ写真を約100人分掲載するため、オーディションの落選者やモデル志望のキッズが数多く来場したようだ。

 一方、顧客参加型の仕組みは通販売り上げの底上げにも貢献している。というのも、モデルの応募資格を得るには通販サイトで5250円以上の買い物をしてエントリー用紙をもらう必要があるからだ。応募者の多くが複数点買いをし、約4週間の応募期間の客単価は1万円強。今回は約1700人が応募しており、単純計算でも1700万円以上がエントリー目的の売上高で、イベントの収支を改善する重要な役割を担っている。
期間限定を開設

 一方、百貨店を中心に期間限定店を展開して新客へのアプローチを強化しているのが集英社だ。

 同社は、集客力のあるブランドを求めるデベロッパーからの出店要請を受け、雑誌名を冠した通販のポップアップストアを展開して新客を開拓するほか、雑誌読者の獲得にもつなげる狙い。

 主力の「エクラプレミアム」では昨年11月に伊勢丹新宿店に期間限定店を開設し好評を得たため、今年も9月4日~10日まで本館4階に出店した。同店では「イセタン×エクラ」を前面に出し、伊勢丹とのコラボ商品や通販オリジナル商材を中心に販売。売り上げは前回実績を上回って推移した(9月7日時点)。

 会期中には、「エクラ」でも活躍するスタイリスト、地曳いく子氏のトークショーを実施して伊勢丹ユーザーの注目を集めたのに加え、トークショー終了後には地曳氏が来場者にコーディネートを指南する一幕もあった。

 百貨店側からは早くも次回開催の提案があったようで、集英社としても期間限定店の開設を年2回程度に拡大することも視野にあるという。

 また、「バイバイラ」が9月11日から2週間の予定で阪急うめだ本店に、「LEEマルシェ」も11月に西宮阪急に期間限定店を開設する計画で、誌上通販やウェブでは獲得しづらい百貨店の優良顧客をとり込む。

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新発想の店舗運営に挑戦
店頭起点で通販利用促進

レディースアパレルのオルケスは、実店舗が主力ながらも店頭起点で通販利用を積極的に促す取り組みを始めた。

 同社は9月6日、東京・原宿の竹下通りにオープンした商業施設「キュートキューブ原宿」に自社通販サイトの実店舗「アトミックボックス原宿店」(約48平方メートル)を開設。店舗運営をEC事業部が担って通販サイトとの連動性を高める。

 店にはiPad5台を設置。EC事業部のスタッフ3~4人がタブレットを持って接客。店にない商品や色のバリエーションを通販サイトの画像を見せながら説明し、タブレット経由でも購入してもらう。

 原宿店のスタッフは接客に加えてSNSの更新を行い、顧客を店頭から通販サイトへ、SNSから原宿店や通販サイトへ送客する役目を担う。

 店長の荒井愛さんも元々、カリスマ販売員としてブログの読者を抱えており、昨年9月にEC事業部が引き抜いてからはプロモーション担当として活躍。ブログ経由の通販売り上げは月300万円に上るようで、こうした販売員を育成する。

 同社はこれまで通販サイトにお店のサービスを導入してきたが、今回は原宿店とECの在庫を連動させることで"店頭に在庫がなくても売れる実店舗"に挑戦する。在庫連動で商品を自宅まで無料配送するサービスも実施し、旅行者も手ぶらで帰れるようにする。

 店頭では、通販サイトと同様、オルケスが手がける6つのブランドを扱う。売れ行きや来店客の反応を見て素早く商品を入れ替える方針のほか、原宿店と通販サイトだけで販売する限定アイテムの投入も視野にある。

 初年度の売り上げ計画は通販送客分を除いて1億円弱。新しい形態の店舗運営が成功すればアパレルとしての"伸びしろ"が広がるとみている。

 また、原宿店では大型のスクリーンを導入。壁に4面のデジタルサイネージを設置し、通販サイトの売れ筋商品を毎朝更新して見せるほか、紙のポップをやめて電子ポップを導入。通販サイトの画像を活用し、タイムセールの告知画面などに一斉に切り替えられる。

 さらに、遊びの要素として電子看板とモーションセンサーなどを連動させた「チームラボカメラ」を設置。画面のスタートボタンを押すとポップな吹き出しなどが表示され、ポーズを決めると写真が完成する。写真は自動的に通販サイトのフェイスブックページにアップされるため、拡散されやすいという。

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