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2012年度のTV通販市場 主要30社売上合計、5000億円強に

011.jpgのサムネール画像 本紙が調査した2012年度(2012年6月~2013年5月)のテレビ通販実施企業の主要上位30社の売上高合計は前回調査比0・6%増の5025億円だった。市場をけん引する通販専門チャンネル2社が堅調で市場規模拡大は微増ながら維持したものの、市場シェアの高いジャパネットたかたやこれまで堅調だったキー局系通販各社の苦戦。また、中堅テレショッパーもスポット枠やBS枠を中心とした通販枠高騰による出稿量減や健食・化粧品における商材のマンネリ化が響き、市場成長率は鈍化傾向にあるようだ。



012.jpgのサムネール画像 テレビ通販主要30社の2012年度の売上高は別表通り。テレビ通販市場を構成する「通販専門放送局」「テレショッパー」「テレビ局系通販」ごとに注目すべき事業者の動向を振り返りつつ、2012年度のテレビ市場の動きについて見ていく。

JSC、QVCは増収をキープ


  まずは売上規模では1、2位に位置し、市場のけん引役である通販専門放送局の状況から見ていく。ジュピターショップチャンネル(JSC)の2013年3月 期売上高は売上高が前年比5・2%増の1271億6100万円と増収で推移した。前年に苦戦したアパレルやファッション雑貨に特に注力して番組や商品を見 直したことや商品単価を下げて購入頻度向上を図ったことで当該ジャンルを中心に売り上げを伸ばし、全体の増収につながった。なお、利益面では戦略的に商品 単価を下げたことでオペレーションコストが嵩み、営業利益ベースでは減益(同2・0%減の203億5500万円)だったが、最終利益は増益(同4・3%増 の125億9800万円)を維持し
た。

 QVCジャパンの2012年12月期売上高は同11%増の997億円と2桁増だった。売 れ筋商品を軸にコーディネート提案を強化して関連商品の拡販が成功したアパレルや、機能性寝具などを中心に例年よりも「ホーム」カテゴリーの売れ行きがよ く、全体でも増収を維持した。なお、利益面も親会社の米QVCの資料によると営業利益(米国の財務基準ベース)では同16%増の約223億円(1ド ル=80円換算)で増益で推移した模様。

OLMは堅調たかたは再起へ

 テレビ局から放送枠を購入して通販番組を放映する、いわゆるテレショッパーの状況はどうだったのか。上位勢を見ていく。

  通販専門放送局を除き、いわゆるインフォマーシャル型のテレビ通販の売上規模では首位の3位となったオークローンマーケティングの2013年3月期売上高 は前年比9・9%増の594億500万円(テレビ通販シェアは51%程度と推定)と堅調に推移した。エクササイズDVD「TRF イージー・ドゥ・ダンサ サイズ」の大ヒットのほか、運動器具「レッグマジックX」、電動のこぎり「デュアルソー」、掃除用品「スチームモップ」などが好調に売り上げを伸ばした。 また、安定稼働し始めた基幹システムによる業務効率化なども奏功し、震災や地デジ化の影響で微増に終わり苦戦した昨年から一転、順調な業績を上げた。今期 も業務委託費縮小や物流コスト削減、商品原価の見直し、ネット販売の売上拡大などに注力・強化しながら増収増益を目指す。

 4位のジャパ ネットたかたの2012年12月期売上高は同23・5%減の1170億9400万円。そのうち、テレビ通販は2割強の約257億円だった模様。一昨年の地 デジ化特需による薄型テレビの大幅な販売増の反動で業績的には伸び悩んだようだ。しかし、再起を図るべくテレビに依存しないMD戦略を進めた結果、料理器 具や掃除機、エアコンといった商材が好調で今上期までは前年実績を大幅に上回って推移しているようだ。

 このほかのテレショッパーの動向 としては、テレビショッピング研究所(5位)や、えがお(6位)なども堅調に売り上げを伸ばしている模様だが、一部を除き、多くのテレショッパーは商品の マンネリ化や通販枠の値上がりによる売り場の絞り込みでテレビ経由の売上高は横ばい傾向になっているようだ。

キー局通販は減収傾向に

  テレビ通販市場を支える中堅グループをけん引する在京キー局またはグループ会社が実施するテレビ通販の2012年度は総じて減収傾向だった。通販枠拡大に 伴うここ数年の急成長期はすでに終わっているものの、前年度は「カーナビ」や「太陽光発電パネル」などのヒット商品があり、各社の業績を支えてきたが、当 該年度はそうしたヒット商品が不在で、キー局系テレビ通販の中では売上規模では首位でここ数年、高い成長を続けてきた日本テレビ放送網(11位)でも、前 期の通販売上高は前年比5・7%減の109億1700万円となっている。

 各社ともこれ以上の売り上げ拡大を望むには、すでに上限を迎えた地上波枠以外の"売り場"でいかに拡販できるかがポイントと見ており、BS枠やCS枠の獲得、ネット販売やカタログ通販の強化などを積極化している。これらの施策の成否が各社の今後の明暗を分けそうだ。

これからのTV通販市場は?

  成長の鈍化が見え始めたテレビ通販市場。今度の市場はどうなっていくのだろうか。市場の中核を構成するテレショッパーの動きを軸に現状と今後の市場を考察 したい。これまで比較的、順調な成長を見せていた当該市場が伸び悩みを見せている要因は「"売り場"の価格上昇」「長らく続くヒット商品の不在」などが起 因していると見られる。

 まず「"売り場"の価格上昇」だが、これはテレビ通販で売り場となる「通販枠」の価格がここ数年、上がり続けて いるということだ。中でもかつて抜群の費用対効果で"テレビ通販のドル箱"と言われたBS放送の枠はここ数年、値を上げ続けている。地デジ化以降、視聴者 の絶対数が増え、メディアとしての力が増し、通常のCMが入り始めたことなどの主因だ。これにより、通販企業にとっては枠そのものが確保しにくくなってい るほか、そもそも「メディアパワーと枠代の釣り合っておらず、(テレビ通販を行っても)費用対効果にまったく合わず、やる意味がない」(某テレショッパー 幹部)。

 関係者によると、BS枠は値が高くてもテレビ通販の新規参入を目論む資金力のあるメーカーなどが全国への「テストの場」とし て、BS放送を重宝しているようだ。費用対効果などは検証しないまま言い値で放送枠を購入するケースがまだまだ多いよう。高い値段設定でも枠は売れること からBS局はいまだ強気の姿勢を崩しておらず、そうした動きが一巡するまで少なくとも1、2年は値上がり傾向が続くのではないか、と見ている。

  このほか、地上波でも29分などいわゆる長尺枠は落ち着いているようだが、15秒や30秒といったスポット枠が値上がり傾向にあるようだ。市場成長率が堅 調だった数年前であれば、スポット枠を4枠つなげて60秒枠でインフォマーシャル展開を行う通販事業者などが目立ったが、値上がり傾向で費用対効果に合わ なくなってきたことに加えて、直近ではメーカーなど一般企業のCM出稿が多く、そもそも通販企業が枠を獲得しにくい状況にあるようだ。こうしたことから 「売り場」の広がりは制限され、各社が出稿量を絞っていることで売り上げの嵩が伸びてこないようだ。

 次に「長らく続くヒット商品の不 在」。近年のテレビ通販商材では中心となっているのは健康食品や化粧品だが、「グルコサミン」「コンドロイチン」「ヒアルロン酸」「コラーゲン」と数年前 に出てきた成分・素材を軸とした商品がいまだにメーンだ。やはり、すでに勢いは失われ、各社とも以前のような形で売り上げを伸ばすのは難しい状況にある。

  とはいえ、新規の成分や素材についても、これといったものが出て来ず、さらにここにきてカネボウの化粧品で美白成分が問題視されたことなども、通販各社の 新たな素材や成分を使った商品の開発や投入の意欲を鈍らせている一因となっているようだ。また、カネボウ化粧品問題は通販化粧品全体の売れ行きにも少なか らず影を落としているよう。「"美白"というのは夏の化粧品の1つの鉄板の訴求点だが、夏場という最悪のタイミングに問題が起きてしまった。一番、売れる 時期なのに...」という恨み節も通販各社から聞こえてくる。

 すでに定番商品となりつつあり、安定的な売り上げを稼ぐグルコサミンに代表される商材に加えて、やはり、市場拡大をうながすには、かつての「セサミン」のような新素材の登場が不可欠で、そうした新規素材の出現が待たれるところだ。

 ではテレビ通販市場の今後は縮小傾向となるのだろうか。もちろん枠値上げや健食・化粧品でのヒット商品の不在という点はすぐに変わるものではないだろうが、明るい兆しもあり、そう悲観的なものではなさそうだ。

  まず、テレビ通販で展開できる「新たな商材」が出始めていること。例えば健康コーポレーションでは痩身を売りにしたスポーツジムの入会促進をインフォマー シャルで展開中だ。同じく中高年女性向けにフィットネスジムを展開する「カブース」なども入会促進でテレビ通販を活用している。詳細は不明だが、両社の出 稿量を見る限り、こうした「サービスのインフォマーシャル」は一定の成果を上げている模様で、今後もこうしたサービス系商材のインフォマーシャルが増えそ うだ。

 次に、ポテンシャルの高い新規プレイヤーの参入。ここ数年のトレンドだが、いまだにテレビ通販を新たに開始、または本格化する有 力メーカーは増加傾向にある。大手製薬メーカーによる入浴剤やサプリメント、大手飲料メーカーによる健康食品などここ最近でも、こうしたインフォマーシャ ルが目立つ。成功の有無などは別にしても、資金力や知名度の高い大手メーカーの参入は市場の拡大にとってはプラスであろう。

 また、商材 についても、健食や化粧品のほか、もう1つのテレビ通販の主力である雑貨ものでは、「スロージューサー」に代表される料理家電ものがヒット。関係者による と「ジューサー」も含めて、こうした雑貨ものは数年のタームで訴求点を変えながら売れる波が来るようで「最近のメーカーの動きをみると"歯の研磨器具"に 再びスポットが当たりつつあり狙い目かもしれない」(テレビ通販幹部)との声もあり、いくつかの雑貨商材でヒットの兆しが見え始めているようだ。2013 年度も各社の奮起とテレビ通販市場の拡大を期待したい。

2012年度のテレビ通販市場調査は2012年6月~2013年5月までに決算期 を迎えたテレビ通販実施企業主要上位30社のテレビ通販売上高を掲載した。テレビ通販をメーンとする通販企業であっても極力、カタログや新聞、チラシ、イ ンターネット経由の通販売上高や店舗販売、卸売販売を除いた「テレビ経由の通販売上高」を掲載した。表中の「占有率」は総通販売上高または総売上高に占め るテレビ通販の売上高のシェア。表中の「◎」は以下の条件がある。(○内の数字はランキングの順位)

(1)ジュピターショップチャンネルは催事販売、ネット販売を含む総売上高
(2)QVCジャパンは催事販売、ネット販売などを含む総売上高
(4)ジャパネットたかたは紙媒体、ラジオ、ネット通販を除いた地上波、衛星波のテレビ通販売上高の推定値
(5)テレビショッピング研究所は卸販売なども含む総売上高
(11)日本テレビ放送網はネット販売などを含む通販事業部門の総売上高
(12)トーカ堂はネット販売などを含む総売上高の推定値
(13)グランマルシェは紙媒体やラジオでの通販、ネット販売などを除くテレビ通販および系列局との共同通販事業を加えた推定値
(15)ロッピングライフはネット販売などを含む総通販売上高
(16)ディノス・セシールは「ディノス事業」におけるテレビ通販売上高。テレビ通販経由のネット販売の売上高を一部含む
(19)アクセルクリエィションはネット販売やカタログ通販などを含む総売上高
(20)テレビ東京ダイレクトはネット販売や通販枠販売を含む通販関連総売上高
(22)東京テレビランドは協賛金売上高も含む総売上高
(28)センテンスはネット販売なども含む総売上高 
(30)関西テレビハッズはネット販売などを含む総売上高

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