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日生協の通販事業戦略③ 従来路線踏襲し拡大へ、3年後530億円目指す

 日本生活協同組合連合会(日生協)が今年度から取り組む3カ年の第12次中期計画では、利益率の高い通販事業で経営を維持しつつ、主力の商品事業など、他事業の強化を図る流れにある。いわば通販事業が日生協の事業全体を支える役割を担うわけだが、その取り組みの方向性は、前年度(前中計)までに成果をおさめた施策に「磨きをかけていくこと」(通販本部の小林暁カタログ供給企画部部長)。これをベースに通販事業を拡大路線に乗せ、現状500億円の供給高(組価ベース)を3年後に530億円とする計画だ。

 これまでの取り組みでは、商品開発体制の強化とカタログでの露出度アップと並行して、年齢層や購入履歴に応じた媒体投入で成果をおさめており、今中計では、さらに細かな配布対応を推進。売り上げ規模の大きい50~60代組合員の取りこぼし防止を優先課題にしつつ、今年度から年5回発行とする女性ファッションカタログ「ハッピーマルシェ」を通じ、サブターゲットとなる30~40代組合員の取り込みを進め、通販の利用組合員の基盤拡充を図る。

 一方で、課題となるのは利用率の低いネット販売。今中計でも、強化の方向で取り組みを進めるが考えだが、「どこまでやるかは、まだこれから」(同)とする。

 ネット販売関連では、一昨年にシステムに入れ替え、今年1月にはスマートフォンサイトを開設するなど、大まかな基盤整備を完了している。今後の展開としては、会員生協サイトとの連携、組合員のくちコミによる販促や商品改善、利用の拡大が見込まれるスマホサイトの強化など、運用面の取り組みが中心になるようだ。

 また、新たな取り組みとしては、2015年に計画する日生協全体のシステム刷新に向けて検討を進める商品配送機能の強化。現在、通販で受注した商品は、1日1回夜にまとめてバッチ処理し、翌日に出荷する形になっているが、午前中に受注した商品の処理を当日午後に行うことで、その日のうちに発送できる体制作りを計画する。

 生協組合員の多くが利用する食品宅配は、OCR用紙による注文がメーンで配達は週1回。1週間のメニューを考え、計画的に注文する傾向が強いことなどもあり、組合員も「あまり(商品配送の)早さは期待していない」(同)。だが、ネット販売については有力事業者を中心に当日配送の流れが広がり、組合員も配送リードタイムにはシビアになっている。ネット販売の利用拡大を図る上でも、商品配送のリードタイム短縮は不可欠な要素になるわけだ。

 一方、「くらしと生協」のネット販売は、新規組合員との接点として機能する可能性もある。ネットの場合、検索エンジン経由で通販サイトに来訪する傾向が強いためだ。

 だが、ここには会員生協の組合員にならなければ商品を注文できないという固有の高いハードルがある。

 仮に組合員の加入手続きをするにしても、会員生協に電話をして申し込む仕組みで、手続き完了までに1週間程度掛かるという。このため、商品に興味を持ってサイトに来訪した一般顧客がいたとしても、離脱するケースが多いと見られ、商品の販売と新規組合員獲得の両面で機会損失が発生している可能性がある。

 もともと、宅配の食品などを目当てに生協に加入する組合員が多く、「くらしと生協」の通販はその延長線上にあるもの。そのためベースは既存組合員になるが、今後の新規組合員の獲得を考えると、物販も含めたネットの活用は重要なポイントになるはず。

 この部分では、ネット販売の取り組みとは別に「生協全体の取り組みとして、サイト上で組合員の加入手続きができるシステムの構築を検討しはじめたところ」(小林部長)。このシステムが確立すれば、将来的にネット販売を起点にした新規組合員の獲得、通販事業の拡大につながる可能性もある。収益の部分に限らず、今後、通販事業が果たす役割は大きくなっていきそうだ。
(おわり)



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