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日生協の通販事業戦略① 商品力・訴求力強化が奏功

 日本生活協同組合連合会(日生協)は今年度から、3カ年の第12次中期計画(2013~15年度)をスタートさせた。前年度の物販関連事業は、店舗事業で依然赤字が続き、宅配事業でもネットスーパーの台頭などでけん引役となる個配の伸び率が鈍化するなど苦戦を強いられる中、通販事業の供給高(会員生協への卸)は、前年比で3・8%増、予算比で9・1%増の425億円と順調に拡大。利益面でも日生協全体の経常剰余の計画越えを支える形となった。今中期計画で果たす役割への期待も高まる通販事業のこれまでの施策や今後の取り組みについて見てみる。

 日生協の過去の3カ年計画での通販事業の施策をみると、まず、前々回となる第10次中計(2006~08年度)では、媒体を増やし売り上げを拡大させる戦略を推進。組合員に毎週1種類配っていたチラシを全員配布用とセグメント配布用の2種類にするなどの取り組みだが、媒体展開に対し商品企画などの面で「内部の実力がついていっていなかった」(通販本部の小林暁カタログ供給企画部部長)という。

 このため昨年度までの第11次中計では、供給高の拡大を追わず基盤となる商品の企画・開発の強化を進めるとともに、販売面で「芽のある商品をしっかりと売る」(同)ことに注力した。

 販売面の取り組みは、年間2億円以上の売り上げを計画する商品を「戦略商品」、同5000万円以上の商品を「重点商品」と位置づけ、カタログ表紙で訴求するなど、「くらしと生協」の顔という扱いで組合員に提案するというもので、「戦略商品」では、伸縮性のある婦人用のパンツシリーズが年間約16億円、寝具の冷感素材の敷きパッド、フリースの布団カバーがそれぞれ5、6億円を売り上げるなど好調に推移。「戦略商品」については、現在約30シリーズあり、全体で年間100億円、「重点商品」全体でもほぼ同額を売り上げている。

 当初、通販事業については供給高を追わず、実力をつけることを優先させる方針だったが、商品力のアップと訴求策が奏功し、結果は予定外の伸長。「商品力で『くらしと生協』のブランド認知度を上げることに取り組んだことが、この3年間、上手くいった要因になっている」(同)とする。

 一方、日生協では、組合員の中心層となる50~60代で一定以上の売り上げ規模を作るという基本戦略で通販事業を展開する。年齢の上昇とともに商品の質にこだわる傾向があることなどを踏まえ、高品質で比較的高単価の商材を扱う媒体を数年前に立ち上げるなどニーズ変化への対応も図っているが、並行して媒体の配布方法も工夫し、年齢層や購買行動に応じて投入する媒体の量を変える試みを行っている。

 これは、まず全員配布に近い形でチラシを配布し、注文があった組合員に対して何種類かのチラシを配り、さらに注文がきた上位の組合員には、冊子媒体を配るというもので、「よく通販を利用する組合員の年間購入単価が上がってきている」(同)とする。

 これまでの展開では、メーンとなる50~60代組合員向けの施策が奏功している形だが、さらに日生協が積極化しているのが30~40代の女性組合員の開拓。この層は食品の利用が中心で通販の利用率が低くかったが、その対応策として、昨年10月に女性ファッションカタログ「ハッピーマルシェ」をテスト的に発刊した。

 日生協によると、同カタログは、以前に千趣会と連携して行った30~40代向けの商品展開のノウハウなどを活用したもので、昨年のテスト展開では、ほぼ計画通りに推移。これを受け、今年度から本格的な展開を始め、年5回(夏号、盛夏号、冬号、厳冬号、春号)の発行としている。

 日生協では今年度(13年度)、通販事業について、チラシやカタログなどのキメ細かな媒体展開とともに、シニア、働く女性、子育てなど世代別の対応を意識した施策を推進。特に、売り上げ規模の大きい50~60代組合員の取りこぼし防止、「ハッピーマルシェ」を通じた30~40代組合員の取り込みを重点施策に取り組みを進める。
(つづく)

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