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「漫画全巻ドットコム」のTORICO  電子書籍、「紙」に効果

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漫画の全巻セット販売を手掛ける通販サイト「漫画全巻ドットコム」を運営するTORICO(本社・東京都文京区、安藤拓郎社長)では、昨年11月に電子書籍事業に参入した。

 最近は小学館の漫画の取り扱いを開始するなど、ラインアップが拡大しており、現在の登録書籍は7万冊。安藤拓郎社長は「競合の電子書籍サービスを見ても、最も多いサイトで10万冊程度なので、かなり充実してきているのではないか」と評価する。

 同社にとって、電子書籍を扱うメリットは大きい。漫画のセット販売を展開しているため、「試しに1巻だけ買ってみる」ことができなかったが、電子書籍も併売しているタイトルであれば、冒頭部分の「試し読み」が可能になったからだ。実際に、電子書籍サービスを開始してから「従来の書籍販売の売り上げも伸びてきている」(安藤社長)という。

 また、電子書籍は配送が不要なのはもちろん、取次店のサーバーからダウンロードする形のため、取り扱い点数が増えても追加の投資は不要。さらには、「囲い込み」も可能になる。書籍は付加価値をつけるのが難しいジャンルだが、電子書籍は専用アプリと紐づく形のため、リピート購入が期待できるというわけだ。

 ただ、今のところ「電子書籍の売り上げは全体の10%程度で、やや期待外れ」(同)だという。アマゾンの電子書籍リーダー「キンドル」も鳴り物入りで日本に上陸したが、安藤社長は「一般層までは浸透してないのでは。電子書籍市場の立ち上がりの速度は思ったほどではないという印象だ」と語る。

 その一つの理由として挙げられるのが「コストパフォーマンスがあまり良くないこと」(同)だ。電子書籍は再販制度が適用されないため、値引きが可能だ。実際、漫画全巻ドットコムでもタイムセール販売を実施している。とはいえ、出版社の顔色を伺いながらセールを行なっているのが実情のようで、思い切った値引きは難しい。

 一方、従来の書籍は「保管場所が必要」という点では電子書籍に劣るものの、多くの書籍通販サイトでは送料を無料にしており、配送も注文翌日には届くことが多いため、「気軽に買える」という点では大差はない。さらに、読み終わった書籍は古本屋に売却することができるため、トータルで考えれば「紙で買った方がお得と捉える消費者が多いのでは」(同)というわけだ。

 とはいえ、同社にとって電子書籍拡大のメリットは大きい。同社の2013年3月期売上高は、前期比9・1%減の約10億円だった。人気漫画「ワンピース」のセット販売の売り上げが落ちたことで減収となった。14年3月期は電子書籍の拡大などで増収を目指す。「電子書籍売り上げを早期に全体の30%まで伸ばしたい」(同)考えだ。

 今後の販促として考えているのが、アプリの活用だ。現在、リリースを予定しているのは、地図上に表示された書店の店内、もしくは店の近くまで行って「チェックイン」をするとコインがもらえるというアプリで、漫画全巻ドットコムのポイントへの変換が可能だ。安藤社長は「購入後にポイント付与するだけではなく、まずポイントを与えることで利用を促したい。全巻セット販売を手がける当社は、単品販売が基本となる書店のビジネスモデルと競合するものではないので、『送客』の実績を作ることで、いずれは書店と連携できればと思っている」と語る。

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