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上半期の通販業界を振り返る、規制改革で「朗報」、企業買収など相次ぐ

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早いもので半年が経過した2013年。6月には「医薬品ネット販売解禁」「健康食品の機能性表示容認」という、業界にとっては良いニュースが相次いだ。さらには、アマゾンの日本国内における売上高が公表されたというのも、大きな出来事といえるだろう。また、昨年に引き続き、今年も企業買収や事業売却などが相次いだ。ディノスとセシールの合併や、イマージュの衣料品事業譲渡など、老舗企業もこうした動きに無縁ではない。上半期のニュースをまとめた。

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通販業界にとって最もインパクトがあったのは「医薬品ネット販売関連」と「健康食品の効果表示解禁へ」という、2つの規制改革絡みのニュースだろう。

 1月11日にケンコーコムとウェルネットが国を相手取り提訴した行政訴訟の上告審判決があり、最高裁判所は、医薬品の通販・ネット販売を一律に制限する省令は法の委任を逸脱したもので違法とし、国の上告を棄却。これを受け同日からケンコーコムとウェルネットは新規顧客向けの第1、2類医薬品のネット販売を再開した。厚生労働省では国の敗訴確定を受け、医薬品通販・ネット販売のルール作りに向け検討会を立ち上げ、議論を重ねてきた。

 検討会では第1、2類医薬品の取り扱いを巡り、推進派委員と慎重派委員の意見が対立、報告書は両論併記の形になったが、安倍晋三首相が6月5日、成長戦略に関する講演で一般用医薬品ネット販売の全面解禁を明言した。

 こうした中で、存在感を増しているのが、楽天の三木谷浩史社長が代表理事を務める「新経済連盟」だ。三木谷氏は政府の産業競争力会議に民間議員として参加。安倍首相とも懇意とされる同氏だが、「ネット販売解禁が実現しなければ議員を辞任する」と述べ、規制緩和を迫ったという報道も一部であった。

 前身の「eビジネス推進連合会」時代は存在感が薄かったものの、新経済連盟への改称以降、特に安倍政権への急接近が始まってからは、動向に注目が集まっている。

 一方、政府の規制改革会議内に設置された「健康・医療ワーキング・グループ」では、「健康食品の機能性表示の容認」に向けた議論を続けてきた。日本通信販売協会でも、4月の会議で消費者の「知る権利」と「選択できる権利」を担保できる新たな表示制度の創設を要望。現行制度の改善で対応するとした消費者庁と規制改革会議との見解の違いは最後まで埋まらなかったものの、6月5日に同会議が安倍晋三首相に提出した答申には、健康食品に新たな機能性表示制度を創設することが盛り込まれ、制度新設が決まった。

アマゾン「78億ドル」

 ネット販売関連では、アマゾンの日本国内での売上高が明らかになった。米アマゾンが公表した資料によると、2012年12月期における日本国内の売上高は前年比18・6%増の78億ドルだった。同年の平均為替レートで円換算すると約6200億円、公開直近のレートでは約7300億円となる。これはアマゾンの直販売上高やモール事業などによる手数料収入といったアマゾンジャパンとしての売上高と見られ、アマゾンに出店・出品する他社の売上高を含んだ「日本のアマゾンの通販サイト全体の流通総額」は関係筋によると「1兆円を超えている可能性がある」としている。

 日本のネット販売企業では、オイシックスが3月13日にマザーズに上場。資金調達と生産者への信頼性の向上が狙いだ。また、衣料品ネット販売の夢展望も、6月6日にマザーズ上場の承認を受けている。

 その一方で、買収されるネット販売企業も。NTTドコモがマガシークへのTOBを1月に公表。3月21日にはドコモがマガシークの発行済み普通株式等1万5105株取得し、子会社化した。衣料品のネット販売では、楽天によるスタイライフの子会社化やワールドのファッション・コ・ラボ買収、高島屋によるセレクトスクエアの連結子会社化など業界再編の動きが加速している。
創業者が現場復帰

 既存の通販企業では「創業者の現場復帰」が相次いだ。ファンケルでは、創業者の池森賢二氏が会長に就任し、現場復帰。前期に実施したリブランディングは、数値目標が計画未達となり、創業来初の赤字決算となった同社だが、池森氏による新体制の下で経営改革が始動。"ファンケルらしさ"の復活を目指していく。

 また、カタログハウスでも創業者の斎藤駿氏が6年ぶりに社長に復帰した。「ピカイチ事典」の新刊発行を3年に1度にすること、主に新聞折り込みチラシを使った定番商品の物販展開など「前例にとらわれない新しいビジネスモデルを構築していく」(同社)としている。

 通販業界以外でも、ヤマダ電機やドン・キホーテで創業者が社長に復帰している。苦しい状況が続く小売業界では、創業者のカリスマ性や高い実行力に大きな期待がかけられているようだ。

 昨年から続く買収・統合などは上半期も相次いだ。ドコモのマガシーク買収を皮切りとして、老舗通販企業であるイマージュホールディングスがセシールにグループの衣料品通販事業の譲渡を決定。今後イマージュグループでは、子会社のアイムを中心とした化粧品や美容商品などの通販に特化する。「クリクラ」ブランドで宅配水事業などを行うナックはJIMOS買収。さらには、ディノスとセシールが合併し、7月1日から「ディノス・セシール」となった。

ARに注目

 販促関連で目立ったのが「拡張現実(AR)」の活用だ。スマートフォンやタブレット端末のカメラを通じてチラシやカタログ、商品パッケージなどの「現実」を見ると、そこに商品情報やキャラクターなどの「拡張情報」が浮かび上がり、「現実」とそれらの「拡張情報」が一緒に表示されるというもの。

 単なる情報伝達の新手法としてだけでなく、情報が「飛び出す」というエンターテイメント性をもあわせ持つことなどから、有力通販実施企業を中心に導入が進んでいる。千趣会・ニッセンをはじめ、最近ではジャパネットたかたやオットージャパンがカタログに同技術を導入しており、成果が出始めている企業もあるようだ。

 その他、ニッセンやディノスといった大手の通販サイトへの不正ログインが相次いでおり、セキュリティー体制のさらなる強化が求められている。また、円安や送料値上げの影響も徐々に出てきており、下半期に向けた懸念材料といえる。

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