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ジャパネットたかたの上期は? "覚悟の年"順調な出足、変革進み1~6月は計画上回る

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地デジ化や家電エコポイントによるテレビの急激な販売増の反動で大幅な減収減益を余儀なくされたテレビ通販の雄、ジャパネットたかた。今期は"覚悟の年"と位置付け、2010年度に達成した過去最高益の更新を絶対目標に掲げ、高田社長自ら「達成できなければ社長を辞める」と宣言。不退転の決意でテレビなどデジタル家電中心のMD構成からの変革や弱かったネット販売や自社専門チャンネルの強化を進めてきた。注目される"覚悟の年"の進捗とは。

目標はクリア貯金もできた

 「6月まですべての月で目標を達成した。何とか"貯金"もできた。気は抜けないが、上期までは今のところ順調と言ってよい」。商品開発、ネット販売、自社CS専門チャンネル「ジャパネットチャンネルDX」の強化などを図るべく昨夏に東京・六本木に新設した東京オフィスの責任者で、"覚悟の年"の成否のカギを握るキーマンである高田旭人副社長は今上期(1~6月)までの業績の状況についてこう振り返る。

 今期は2010年度に計上した経常利益を超える過去最高益137億円の達成を絶対目標としており、未達成の場合は創業社長の高田明氏が社長を辞任するという"覚悟の年"として、各月、各メディア、各チャネルで目標値を設定。前期の経常利益は約73億円であるため、過去最高益を計上するためには前期の倍のペースで業績を伸ばしていく必要があり、日々、全力で足元の目標値達成を挑んできた。その結果、上期は目標を上回り、通期で最高益を計上できるペースで折り返しを迎えることができたようだ。これは前期から今期にかけて仕込んできた商品政策、ネット販売、番組制作における"変革"が寄与し始めているためだ。

知られていないよい商品を発掘

 商品政策の変革、要は「デジタル家電中心の商品構成からの脱却」はすでに大きな結果を見せ始めている。上半期の上位の売れ筋商品を見ていると以前とは大きく変化していることが見て取れる。テレビなどのデジタル家電は少なく、ふとん専用ダニクリーナーや調理器具、ウォーキングシューズなどがランクイン。このほか、高機能ジューサーなども人気だという。「テレビやパソコンなどデジタル家電中心のMDから、世の中でまだ知られていないが非常に価値のある便利なものを"発掘"して積極的に販売していこうという取り組みを進めている」(高田副社長)。そうした商品群はテレビなどのように過度な価格競争により利益率を悪化させる類のものでなく、「価格競争でなく本当に商品のよさで戦えるのは非常にありがたい。これらを販売することで全体の原価率がすごく改善した」(同)とする。

 そうして発掘した商品はまずは自社専門チャンネルで試し、一定の売り上げを上げるなど「可能性がある商品」については、今期から90秒や3分など短尺を中心に大幅に出稿量を増やしている地上波のテレビ通販のほか、カタログやチラシ、通販サイトなど全媒体を活用して展開。これまでも様々な媒体を使った販売戦略は行ってきたが、今期は「ロングテールとは逆の、競争力のある強い商品に徹底的に注力してメディアミックスで販売した」(同)ことなどが上期の目標を達成できた大きなポイントとなったようだ。

ABテストで購入率2割増

 ネット販売を巡る状況も大きな変化を遂げている。東京オフィス開設を機にネット販売の拠点を移し、人員も拡充。常勤の外部の専門業者などとも一緒になり、「例えば、ページのユーザビリティ改善やSNSを活用したコミュニケーション環境の構築、ネット独自の企画、スマホでの視聴なども考慮した45秒間の商品説明動画、集客の強化など」(同)様々な施策を進めてきた。こうした様々な施策の積み重ねでネット販売売上高は拡大しているようだ。中でも地味ながら最も効果を発揮している施策が「ページ構成のABテスト」だ。

 例えば7月現在の同社の通販サイトは"エアコン祭"としてエアコンを全面に打ち出したトップページとなっている。こうした1つの商品ジャンルを大きくトップページに打ち出す思い切ったパターンはこれまでの同社ではあまり見受けられなかった。しかし、今期からはこうしたパターンを多く展開しているようだ。最適なページ構成ができる自信があるためだ。

 「エアコンで言えば、トップページに人気商品を大きく2商品を出すか、小さく4商品を出すべきか。価格は入れた方がいいのか。あえて外した方がいいのか。ネットでは簡単にそれぞれのパターンを試すことができ、すぐに効果的な訴求方法がはっきり出る。クリック率は2倍くらい違う場合も多々あり、地味だがこれが一番、数字の上では効果が出ている」(同)という。昨年から仕組み自体は用意していたが、必要な人員などの体制が整った昨年末あたりからABテストを開始し、今春からは積極的に実施。するとサイトを訪問し、何らかの商品を購入する率が「従来比で2割増となった」(同)という。

 集客面も、専門チームを組織して「ユーチューブ」の動画を活用したもの、リスティング広告、アフィリエイト広告などそれぞれ強化しており、サイト訪問者数自体が大幅に増えているため、先の購入率アップとの相乗効果でネット販売売上高が大きく伸びているという。

50時間生放送や「売り切り7」

 東京オフィスのミッションの1つは昨年末に同事務所内に完成した新スタジオを活用して、従来にはなかったエンタテイメント性の高い番組作りなどを含めた自社専門チャンネル「ジャパネットチャンネルDX」の強化にあるが、その番組制作の変革も進んでいる。

 例えば、3月に放送した50時間の生放送企画。これは北海道と九州に分かれたタレントが、仙台では高圧洗浄機メーカーの社長に会い、商品をおねだりしたり、鳥取ではマッサージチェアの工場に行き商品を紹介したり、神戸の夜景をデジカメで撮影しその性能を説明したりなど、それぞれ5カ所ずつ商品にまつわるロケを行いながら、50時間後に東京に集合するという企画だ。「売れ行きも悪くなく、生放送の面白さも出ており、よい企画だった」(同)とする。さらに2月と5月に実施した「売り切り7」という企画。これは7日間で毎日、1商品ずつ目玉商品を「完売」するよう超特価で販売するもので、「やはり非常に大きな売り上げを上げた」(同)という。

 今期から、テレビ局や制作会社で民放番組を作っていた経験者を多く採用し、「既存メンバーと経験者メンバーを責任者とした7つの番組制作チームが競いながら自身で考えた企画にチャレンジしており、その中で当たるものも出てきた印象」(同)という。今年からは自社専門チャンネルの強化のため、これまであまり出稿していなかったBS枠の獲得を進めるなど露出拡大を図っており、それらと並行してユニークな番組作りを進めて、自社専門チャンネルの拡大を図っていく考えだ。

下期も危機感をもって臨む

 上期までは計画を上回る業績で推移した同社。また、下期に入ってからも猛暑の影響に加え、円安に振れる前段階から仕入れを進め、価格競争力のある値段で販売しているエアコンの売れ行きが想定以上となっており、「非常に多くの在庫を確保しているがそれでも足りなくなるかも知れない」(同)ほどの販売数となり、好調なスタートを切ったが、安堵している様子はない。「確かに上期は目標をクリアしたが、例年、下期の方が売り上げの比重は大きい。下期が昨年並みでは結果、通期で目標は達成できない」(同)と危機感すら見せる。下期も上期までの施策を踏襲しつつ、着実に各月の目標を達成。通期で売上高が1400~1500億円、経常利益は宣言通り、137億円の過去最高益を見込む。「通期で最高益という今期の目標をクリアし、きちんと足場を固めて、来年こそはサービス面の改善を含めて新しいことにどんどんチャレンジしていきたい」(同)としている。


高田旭人副社長に聞く、ジャパネットたかたの現状と今後
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"覚悟の年"として過去最高益を目指して始動した今期のジャパネットたかた。同社の高田旭人副社長に上期までの状況と下期に向けた戦略、方向性などについて聞いた。
――今期は"覚悟の年"として、過去最高益の更新という高い目標を持って始動したわけが、現在までの状況はどうか。

 「ここまでは非常に順調に来ている。今年はとにかく過去最高益達成ということで、各月、各メディア、各媒体ごとに目標数値を設けて動いてきた。6月で締めてみると、ほぼすべての月で目標を達成できた。また、貯金もできた。悪くない状況だとは思っている。正直、やるべきことをきちんとやっていけば、状況は改善され、良くなっていくと思っていた。まだまだ足りないところはあるが、下期もやるべきことをきちんとやって、過去最高益を達成したい」

――上期までの好調要因は。

 「商品軸では家電中心の商品構成から脱却できたこと。布団用ダニ取りクリーナーの『レイコップ』や調理器具の『ザイグル』、高機能ジューサー『サイレントジューサー』などが上期では売れている。最近では量販店などでも売れていると聞くが、我々が販売を開始した時点では、こうした商品はこれまで世の人々にはあまり知られていなかったものだ。同じような商品がなく、『替えがきかない商品』は価格訴求ではなく、商品のよさで勝負できる。結果として利益率も高い。当社が持つ様々なメディアを使って、戦略的かつ集中的に販売することで、こうした商品の売上構成比が増えた。すると全体の原価率も大きく改善してくるわけで利益増に大きく貢献してきている」

――ただ、デジタル家電に比べると単価が低い。それでこれまでと同レベルの業績を上げるには数を売る必要があると思うが、そうなると受注や配送など関連コストが嵩んでくる。

 「確かに件数が増えればその分、コストはかかるが、小物であるために配送費は抑えられる。また、テレビのように設置や取り付けの必要がないため、日取りの打ち合わせがいらず、受注時間も短く、一受注あたりのコストは抑えられる。またコストを差し引いても、商品単価が下がり、購入までのハードルが下がって間口が広がり、顧客数が増えたことでカバーできている」 (つづく=通販新聞本紙で次週から連載

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