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健食の制度改革の行方、規制改革会議、 健食の表示制度創設へ

規制改革会議は6月5日、答申をまとめ、安倍晋三首相に提出した。健康食品は新たな機能性表示制度の創設することが盛り込まれた。取りまとめ直前まで同会議と消費者庁の見解の相違は埋まらなかったが、一転、制度創設が決まった背景には、農林水産省の積極的な関与がある。ただ、具体的な制度の枠組みは全くの白紙。今後の制度設計には、業界の主体的な関与が必要になりそうだ。

 答申に盛り込まれた健食関連の規制改革は6項目。業界の要望の大半を反映させる内容に「要望を組んでもらいありがたい」(日健栄協)、「具体的な制度設計には不安要素もあるが大幅な前進」(日本通信販売協会)と、評価する声が相次いだ。

 答申が一転した背景には、機能性表示に対する農林水産省の積極的な姿勢もあった。5月30日の同会議で、農水省は「農林水産物・加工食品の機能性表示の容認」を要望。農業問題は次期規制改革会議の主要テーマでもあり、農林水産物の輸出促進等を図っていく上で、「機能性表示がこれを後押しするとの農水省、官邸の期待感があった」(同会議メンバー)とする。

 農水省はこれまで食品の機能性研究を積極的に行っていたものの、その出口戦略に具体案はなかった。答申を受けて「制度の立案は消費者庁が担うが、積極的に協力していきたい」(表示・規格課)と意欲をみせている。

 ただ、具体的な制度設計に関しては、「消費者庁とすべての項目で見解が一致しているわけではなく、どの程度国が関与するかは今後の検討課題」(同会議事務局)と、依然として消費者庁との溝は埋まっていない。

 消費者庁は、「検討会を設置するか、個別に意見を聞きつつ進めるか現時点で決まっていないが、仕組みそのものは消費者庁で検討する」(食品表示課)とする。だが、「作られた制度の下で企業がいかに試験し、表示するかは企業側の話」(同)とも話す。これは答申にある米国の「ダイエタリーサプリメント」を参考にした制度を視野に入れた発言とみられる。

 ダイエタリーサプリメントは、事業者の自己責任において自由な機能性表示が行える制度だが、訴訟リスクを負うなど企業責任は極めて重い。国の最低限の関与で運用される制度を視野に入れる消費者庁の姿勢には、健食への関わりを避けたいとの思惑も透けて見える。

 一方、規制改革会議は機能性の第三者認証制度を念頭に置く。ただ、答申でも触れている通り、これには品質確保に向けたGMPや安全性確保の取り組み、認証機関の設置など業界の積極的な取り組みが必要。今後の制度設計は、現行の保健機能食品制度との表示範囲の調整、国の関与の度合いも含めた議論が必要になる。

 機能性の表現範囲を巡っては薬事法を所管する厚生労働省との調整も必要になる。これに厚労省では「現状、トクホは医薬品の範囲を示す46通知の適用が除外されているが、そのような運用ができるか制度の枠組みに応じて対応する」(監視指導・麻薬対策課)とする。

 答申を受け、沈黙を守っていた消費者団体の動きも活発化している。

 主婦連合会は「消費者目線が完全に欠如した内容。健食による健康被害や財産被害の問題に全く触れておらず、売る側のことしか考えてない」と反発。数日中に内閣総理大臣、消費者担当大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、消費者庁長官宛てに意見書を提出する。

 健食業界の長年に渡る悲願だった健食の機能性表示が実現されようとしている。しかし、制度創設に向けた議論は一筋縄ではいかなそうだ。

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