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楽天の「楽天スーパーSALE」、「二重価格表示」横行か、通常価格が機能せず、「注目商品」に違法疑いも

1-1.jpg楽天(本社・東京都品川区、三木谷浩史社長)が6月2日から5日にかけて、仮想モール「楽天市場」で実施した大型セール「楽天スーパーSALE」。5回目となる今回は、1日目の総流通額が過去最高の150億円超(速報値)となるなど、好調に推移したようだ。多数の「半額以下アイテム」が目玉の同セールだが、不当な二重価格表示を行なっている疑いのある店舗が含まれていることが、本紙調べで分かった。店舗が実際に使用した価格表示の画像を交えながらセールの実態を探った。

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消費者庁の「価格表示ガイドライン」では、「比較対照価格に用いる価格について実際と異なる表示やあいまいな表示を行う場合」が二重価格表示となる恐れがあるとしている。ただ、「二重価格=景品表示法違反(有利誤認)」となるわけではない。過去の販売価格を比較対照としている場合、その価格が「最近相当期間にわたって販売されていた価格」であれば、不当表示にはあたらない。この「最近相当期間」は個々の事例によって検討されることになるが、一般的には「過去8週間の過半を占める期間で実際に販売されていた」ことが必要とされている。

 楽天スーパーSALEのトップページで「半額以下の注目アイテム」として紹介されていた、パナソニックのエアコン「CS―283CX―W」。販売するA店では、「当店通常価格42万円のところ販売価格13万円」(画像(1))として、期間限定で同商品を扱った。ところが、セール後の通常販売用ページでは、同じ型番の商品を「当店通常価格15万3000円のところ販売価格13万8800円」として売っている(画像(2))。

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                         画像(2)
 42万円という価格は、他店の売価と比べても高すぎるため、直近8週間にこの値段で販売していたとは考えにくい。A店に問い合わせたところ、担当者は「42万円は定価であり、通常価格と取り違えて書いてしまった」と釈明。さらに「定価の半額以下の売価であれば『半額以下アイテム』としても良いと楽天から言われている」と説明した。

 この商品の場合、量販店向けはオープン価格だが、「住宅設備向けの希望小売価格は42万円に設定している」(パナソニックの広報担当者)という。価格表示ガイドラインには「製造業者等により設定されあらかじめカタログ等により公表されているとはいえない価格を希望小売価格として称して比較対照価格に用いる場合には、不当表示に該当する恐れがある」とある。景表法に詳しい通販関係者は「住設向け価格であることを示していない限り、不当表示に該当する可能性は高いだろう」と指摘する。仮に42万円を「定価」と表記していた場合でも、景表法違反の疑いが濃いことになる。
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 雑貨販売のB店では、セール中に期間限定で「ルミニーオ 2wayバッグ」を3980円で販売した。セール用ページでは「当店通常価格2万1000円」(画像(3))となっているものの、同じページの宣伝用画像には「通常5980円のところ3980円」「赤字特価81%OFF」と明記されている(画像(4))。さらには、URLの異なる通常販売用のページでは、同じ商品が「当店通常価格2万1000円、特価5980円」で売られていた。「通常価格」の2万1000円が機能していないことを自ら示していることになる。本紙ではB店に価格表記の意図を問い合わせた。

 ――不当表示では。

 「他店さんでもこういう販売手法をとっていますから」

 ――「通常5980円」と明記しながら、2万1000円を基準に「81%OFF」を同時にアピールするのは理屈にあわないと思いますが。

 「でも、楽天さんにも認めてもらっています」

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                         画像(4)
 ――2万1000円という価格は何ですか。

 「定価です。通常の価格が5980円です」

―― ここ数カ月間は2万1000円で販売していないわけですね。

 「売っていません」

 担当者は終始一貫して「どこに問題があるのか分からない」という態度であったのが印象的だった。先の関係者は「広告画像に記載された『通常価格』と照らしあわせれば、不当表示にあたる可能性は高い」とする。

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                         画像(5)
 楽天スーパーSALEでは、毎回「半額以下アイテム」をアピールしており、今回は「500万点以上」が半額以下であることを告知。確かに「いつも売っている価格の半額以下」であるアイテムもあるものの、実際には「定価や希望小売価格の半額以下」であったり、B店のように「(機能していない)当店通常価格の半額以下」であったり、「本来の通常価格」と比較した際には、数百円安い程度だったり、変わらなかったりするケースも数多く見られる。

 医薬品販売のC店では、セール中に「半額以下商品」として、「チオビタドリンク10本セット」を「メーカー希望小売価格1530円を特別価格698円」で販売した(画像(5))。ところが、URLの異なる通常販売用のページでは、同じ商品が「通常価格1530円を特別価格698円」として売られていた(画像(6))。つまり、「半額以下」とうたいながら、通常時もセール時も同じ価格を設定しているということになる。6.jpg
                         画像(6)


 前述の関係者は「メーカー希望小売価格が機能している場合は不当表示にはあたらないだろう。ただし、普段から『特別価格』を使っている場合、『特別価格』が事実上の『通常価格』といえるため、『特別価格』の乱用は有利誤認にあたる可能性がある」とする。

 ある出店店舗は「コンサルからは半額以下アイテムを多く出すように頼まれるが、セールでどれだけ売れるかも分からないし、そう簡単に値下げはできない」と話す。機能していない「通常価格」を基準に「半額以下」の売価を設定し、普段と同じ、あるいは少し安い程度で販売すれば、懐を痛めずに「半額以下」で検索する消費者を取り込むことができる。一方、楽天からしてみれば、半額以下アイテムをアピールしている以上、実態はともあれ、その数が増えることに意味があるわけで、こうしたやり方は両者にメリットがあるわけだ。

 楽天スーパーSALEの問題点は、不当な二重価格表示の疑いだけではない。楽天スーパーSALEのトップページで「半額以下の注目アイテム」として紹介されていた(画像(7))、D店の天然石ブレスレット。販売ページでは、使用する天然石「タイガーアイ」の「効能・効果」として、「洞察力を高め、物事の本質を見抜き、災いを退け、成功をもたらす」などと説明している(画像(8))。7.jpg
                         画像(7)


 これは「優良誤認にあたる可能性がある」(先の関係者)。ガイドラインによれば、「開運」「金運」などの神秘的内容に関する表示であっても、当該表示が一般消費者にとって、当該商品・サービス選択に際しての重要な判断基準となっていると考えられ、さらにこれらの表示内容に加えて「具体的かつ著しい便益」が主張されているなどの場合は、優良誤認にあたる恐れがあるとされている。なお、当該店舗は11日現在で「店舗の改装中」となっている。

 こうした二重価格表示に対し、消費者庁はどう見ているのだろうか。表示対策課にA店・B店のケースを問い合わせたところ、「一般的な事例として捉えるなら、ガイドラインに従って形式的に考えると、不当表示の可能性はある」とした。ただ、「例えばエアコンの通常価格が42万円というのは常識的に考えておかしいし、実際に消費者が勘違いするかどうかも重要になってくるため、個々のケースは調べてみないと何ともいえない」と説明。これに対し、景表法の運用に詳しい通販関係者は「『高いんだから良い商品なんだろう』と誤解する消費者が出ることも考えられるわけで、比較対照となる価格が高いからといって、間違える消費者がいないとは限らない」と反論する。

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 景表法の規制対象である「広告その他の表示」は、事業者が自己の供給する商品・サービスの取り引きに関する事項について行うものとされており、同法の規制を受けるのはメーカーや小売りなど、商品やサービスを供給している事業者に限られる。今回のケースでは、仮に不当な二重価格表示が認められたとしても、楽天に責任が及ぶことはない。とはいえ、B店のケースのように、もし楽天が不当表示の疑いが濃い事案に関わっていたとすれば、運営者としての法的責任(加盟店管理義務違反)を問われる可能性もある。

 なお、本紙では不当表示の疑いに関する事実確認や、不当表示への対策、ECコンサルタントや店舗への関連法規に対する教育体制などについて楽天に問い合わせたところ、「規約・ガイドライン上、店舗が不適切な価格表示を行うことを禁止している。規約・ガイドラインに抵触する商品の登録をしないよう注意喚起を適宜行っており、不適切な行為が確認された場合には、出店規約に基づき、商品サーチからの商品削除、出店停止、出店契約解除等の必要な措置を実施している」(楽天市場事業PR推進グループ)との返答があった。

編集部より:通販新聞では今後も楽天関連の特集記事を掲載する予定です。楽天市場に出店して良かった点、逆にECコンサル絡みなど楽天とのトラブルや楽天市場への不満、何か情報をお持ちの方は、メール(info@nethanbai.jp)でのご連絡をお願いします。


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