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「開運商法」で出版社提訴、「読者被害は予見可能」

061.jpg 開運グッズを通販で扱う企業の広告を読んだことをきっかけに霊感商法の被害にあったとして、30代と50代の主婦2人が、広告を掲載した出版社2社と広告代理店を相手取り、計約1400万円の損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こした。

 原告側代理人である、全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)によると、原告の主婦2人は、実業之日本社が発行していた占い雑誌「MISTY」(現在は休刊)と、芸文社が発行する占い雑誌「ゆがふる。」に掲載された開運グッズの広告を見て、1万4800円のブレスレットを購入した。広告には「効果がみられない場合は電話してください」としてフリーダイヤルの電話番号が掲載されており、主婦は業者に連絡。業者は「悪霊がついている」などと不安をあおり、開運グッズを次々と買わせるなどして高額の「除霊代金」を騙しとったという。

 開運グッズ商法で、被害者が広告を掲載した出版社を訴えるのは初めてという。グッズを販売した「七福堂」は法人としての実態がなく、広告に掲載されていた住所は私書箱で、誰が運営していたかもつかめない状態。これまで同様のケースでは業者から弁済させていたが、最近は七福堂のように巧妙に責任を逃れる業者が増加。全国弁連の川井康雄弁護士は「刑事事件として警察に捜査してもらったとしても被害回復は難しく、このままでは泣き寝入りになってしまう」と出版社を提訴した理由を説明する。

 こうした開運グッズの広告は、近年まで大手出版社が発行する雑誌で見かけることも少なくなかった。しかし、2009年5月と8月に経済産業省が、通販で開運グッズを販売していた企業に対し、特定商取引法違反で業務停止命令を通告したのを皮切りに、近年は行政処分が増加。国民生活センターも、12年2月に開運グッズで注意喚起を出している。

 こうした中で広告掲載基準も厳格化。大手出版社の雑誌には開運グッズの広告が掲載されなくなる一方で、占い雑誌やスピリチュアル系雑誌への出稿が増え、被害も増加傾向にある。

 日本雑誌広告協会の倫理委員会が11年5月に公表した開運グッズ広告掲載基準によれば、「多数の札束を山にしたような射幸心を煽る写真等は使わない」「体験談は事実確認の上掲載すること」など、13項目の規定が設けられている。今回の2社も同協会に加盟しているが、「13項目中8項目が守られていない。広告料欲しさに審査がないがしろにされているのではないか」(川井弁護士)。全国弁連では「出版社が読者の被害を予見することは可能だった」として、出版社と広告を扱っていた広告代理店「善福堂」の提訴に踏み切った。

 今回のケースでは霊感商法を問題にしているが、全国弁連では開運グッズ自体はどう捉えているのか。川井弁護士は「グッズ自体は納得して買うのであれば問題はない。効果を断言したり、不安を煽ることで除霊代金を騙しとったりすることに問題がある」と話す。

 全国弁連では、5月22日に無料電話相談を実施。「多くは占い雑誌の広告を見て被害にあったものだが、有名女性ファッション誌に掲載された広告を見た人もいた」(同)という。一層の自主規制が求められそうだ。

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