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スクロール360・杉本泰宣社長に聞く、後払い決済参入の狙い

701.jpgのサムネール画像「システム連携にメリット」、請求書同梱で利用料安く

  スクロールの子会社で通販支援事業を手掛けるスクロール360は6月13日、後払い決済サービスのキャッチボールを子会社化すると発表した。スクロール360が提供する通販システムや物流代行との連携を進めることで、利用企業の増大を図る。買収の狙いやキャッチボールが提供するサービスの強みを、スクロール360の杉本泰宣社長に聞いた。
(聞き手は本紙記者・川西智之)

――キャッチボール社子会社化の経緯は。

 「当社では以前から後払い決済サービスの導入を検討していた。一方で、キャッチボールでも提携先を探していたこともあり、話がまとまった。クレジットカード決済はカード番号を入力することに不安を感じる消費者がいるし、代引きは現金を用意した荷物が届くのを待たねばならず、さらに男性ドライバーに現金を渡すのが不安という女性もいる。当社が物流を受託しているクライアントの中には、後払い決済を導入したことで、売り上げが30~40%伸びたケースもあり、需要は大きい」

 「スクロール本体では後払い決済は自社債権として行なっているが、後払い決済を導入している通販会社=一定の信用があると見る消費者は多い。自社で後払いを導入できない、規模の小さなネットショップにしてみれば、不払いがあった場合でも肩代わりしてくれるサービスは、非常にありがたい存在だ」

――ニッセンのように自社でサービスを立ち上げる考えはなかったのか。

 「検討はしたが、与信管理の部分にかなり投資しないと始められないビジネスなのがネックだった。かつて手がけていた金融事業のノウハウも使えず、ゼロから立ち上げるのはリスクが高いと判断した」

――与信管理に必要なものとは。

 「加盟店・消費者ともに審査が必要になる。どんな商品だと未払いが起きやすいとか、どんな買い方だと不正注文が多いとか、キャッチボールはノウハウを持っているわけだ。与信を通すかどうかは、過去の支払いデータと照合して決めるわけだが、自社でゼロからやるとデータがないだけに難しい部分がある」

――キャッチボールは競合他社と違い、決済額に上限を設けていない。

 「高単価商品は審査がNGになる可能性が高くなるが、過去に支払の実績があれば単価が高くても通りやすくなる」

――子会社化によるメリットは。

 「キャッチボールにとっては3つある。一つは、毎年30%増のペースで顧客を増やしているものの、ベンチャーということもあり、信用力に欠ける部分があった。スクロールグループ入りで、競合であるニッセンや、オリックスの資本が入ったネットプロテクションズに負けない信用力を得ることができ、規模の大きい企業を顧客として獲得することが期待できる。キャッチボールの顧客は、月間出荷件数が200件程度の企業が多いが、当社の物流代行などの顧客は、月に1万件程度の出荷がある。ここが取り込めれば非常に大きい」

 「次に、資金面で強化されたことで、システム面へのさらなる投資が可能になった。これにより、審査までの時間短縮が図れる。最後に、立て替え払いをするには資金力が重要だが、この点でも傘下入りで強化された」


――スクロール360にとっては。

 「通販システムや物流代行のクライアントに対し、受注から物流、決済までを考えたシームレスな提案が可能になった。すでに後払い決済をシステムと連携してほしいという要望が数社から来ている」

 「後払い決済の場合、与信審査を待つまでの間、システム的にはいったん受注を保留にし、在庫を確保する必要がある。審査がOKなら問題はないが、NGの場合は加盟店に連絡し、支払い方法の変更を消費者に要請しなければならない。当社のコールセンターを使っている企業であれば、スムーズな連携が可能になるわけだ」

 「また、請求書は消費者への郵送が前提になっているが、キャッチボールのサービスは定形郵便ではなく、コンビニ払いを前提とした圧着ハガキを送るため、他社よりも安くなっている。さらには、当社の物流サービスを使っている場合は、商品に請求書の同梱が可能になるため、利用料がもっと下がる」

――後払い決済への需要は伸びそうか。

 「ネットショップは現在、全国に10万社くらいあると考えているが、競合を含めても後払い決済を導入しているのは2万社ほどだろう。後払いの導入が購入率を高めることが広まりつつあるほか、ネットショップ自体もさらに増えるわけで、まだまだ伸ばす余地はあると思っている」



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